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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
65/115

備える者たちとデフォルトな人たち

いつも読んでいただきありがとうございます。

「整列せよ!」

「早く持ち場についてくれー」

「おーい!物資が詰まってるぞ!早く人を寄越してくれ!」

「それじゃあDランク未満の冒険者達は支援だから物資を運んでくれ」

「住民達からも支援がきたぞ!」


貿易都市カイロスの城門は、死の黒波(スタンピード)へ参加する冒険者や兵士や傭兵や騎士達で溢れかえっていた。

また貿易都市というだけあり多量の物資を用意できたものの運ぶ人員が足らず、戦闘技能の足らないDランク未満の冒険者や一部の住民が駆り出されていた。


「弓兵達も城壁へ全員登ってくれ!」

「おい!それじゃあだめだ!防衛ラインはここだぞ!届かない!」

「じゃあ腕に自信がある奴は上に、その他は他の槍兵や剣兵、盾兵と組んで動いてくれ!」


またカイロスの自警団兼領主の私兵である兵士たちも着々と準備を進めていた。

そんな中…


「我らカイロス騎士団は決して引かぬぞ!突撃あるのみだ!」

「だからそれじゃあ困るんですって!」

「まったく困ら…ギュムッ!」


カイロス騎士団団長の口をサツキを案内した部隊長が摘んだ。


「はいはい少し黙っていましょうね、脳筋団長!それで生きていけるのはあなただけですよ〜!」

「の、脳筋とか言うなぁ…」

「はいはい、そんなんだから結婚できないんですよ?」

「わ、私だって…そ、それならお前が…」

「え?なんか言いました?」

「い、いや、何でもないぞ!」


「本当ですか〜?」と側から見ると恋人にしか見えない二人を騎士団の団員が様々な顔をしながら眺めていた。


(いやーご馳走様です)

(グヌヌヌヌ…)

(お姉様!今日もお美しい!隣にあのゴミがいなければもっと綺麗なのに…いや!それさえ受け止めるお姉さまの愛なのだわ!)

(アイツ、本当鈍感だよな〜)

(いつかこっち向かせる…)

(いいなー僕も仲良くしたいなー)

(先輩は渡さないっす、団長にも誰にも!)


…人死にが出ないことを祈る…。

また少し離れたところでは…


「カイナ、調子はどうだ?」

「うん、まあぼちぼちかな」

「どうしたの?カイナ、元気がないわね」


「黒の鉄槌」の面々、大楯使いのガイ、大槌使いのメリリャそしてカイナは戦い前の話し合いをしていた。


「んー?そうかな?うんそうかも、まあ結局こうやって依頼を受けてるんだけどさ…」


カイナは冒険者組合でのことを思い出していた。


<少し前、冒険者組合>


「まあどちらにせよ、もう戦わないという選択肢はない。どうしても逃げたい人は逃げてくれていいしその時は然るべき対応はとるけど…大丈夫ちゃんと報酬はいっぱい出るよ。一人当たり金貨35枚でどうかな?」


35万ミムという破格の金額にまわりがざわついた、が、


「いや足りないよ、それとプラスして貢献度にしてよ」

「嬢ちゃんと同意見だ。少ない、元を増やすか貢献度制どちらかにしてくれ」


そうバルドルとサツキは言ってのけた。するとまるでそれを予想していたように、ニヤッとギルマスは笑った。


「じゃあそうしよう、貢献度で決めようか。わかりやすいしね、みんなもそれでいいね?じゃあささっと行くよ?城門前に、もう騎士団とかも集まってるしさ」


ギルマスは異論を許さないとばかりに話をささっとまとめ一人だけ消えて行ってしまった。


「してやられたかな?」

「やっぱあの野郎いけすかねえ、あ!嬢ちゃん先行くなって、見張らなきゃいけないんだよ!」


そんな感じでドタバタしながら二人が消えるとそれの続いて他の人たちも消えていった。


<カイナ>


「私は傭兵として金勘定のことも教えられてきたのにパッと交渉に入れなかった…サツキはすごいな」


カイナは自分とサツキを比べ自分の経験が足りないことを実感して少し落ち込んでいた。(※殺来は特殊な訓練を受けています、死飼家が異常なだけです)


「サツキっていうと…カイナが誘ったって言ってた子か?」

「うん、そう、すごい子なんだ」

「戦ったのか?」

「ううん、だけど最初に感じたデカイ魔力はサツキだって」

「え?アレを出したのがその子なの?」

「うん」

「はーすごい子もいたものね」

「…( まああそこにいたなんてサツキは言ってないけど…きっといたよね…、バルドル…「竜殺し」と戦うんだろうな〜)」

「会ってみたいな」

「これ終わったら会わせてあげるよ」

「おう!頼むわ!(団長に言われたからな…カイナに変な虫がつかない様見とけって)」

「楽しみね…(ガイはなんか色々やりすぎそうで心配だわ…)」


そうして3人は本格的に対応について話し始めた。

その頃我らは主人公サツキは…


「何でずっとついてくるの?」

「見張りだ!」


バルドルに付き纏われていた。


「…ストーカーだ」

「あんなのと一緒にするな!」


…どうやら異世界にストーカー(魔力感知特化個体)はいても、ストーカーの概念はない様である。


「私も色々作戦を…」

「嬢ちゃんは俺とペアだから俺の配置のところって決まってる!よって!嬢ちゃんがすることは!ない!」

「テンションきつい」

「あ、ああ、すまん」


サツキは諦めると物資の上に腰を下ろしていった。


「一応さっき言ったボスっぽいのがいなくて、同じぐらいのがいっぱいってこと伝えておいてね、異常なスタンピードだって」

「ああ、ギルマスがしっかり領主にも伝えてくれてる」

「そう…」


サツキはその返事を聞いても自分は何とかなるが周りは何とかならないかもな〜という嫌に具体的で、それでいて漠然とした不安…心配…同情…憐れみ?を拭うことができなかった。

なので…あと到着までの数分間サツキは寝ることにした。


「ん?嬢ちゃん?おーい…」


サツキの脳内をバルドルの声のみが最後に響いていた。


なぜこんなにもスタンピードのスピードが遅く、余裕があるのか、、、それは、、、。


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次回も本編です

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