「異端」とさまざまな側面
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(なんかめっちゃマジじゃんおじさん、大丈夫か?血圧上がるぞ?)
隻眼のおじさんことバルドルの今後の身の振り方を考える大切な質問…そんな事とは知らずまたその質問になんの重要性も見出していないサツキは内心そんなことを思っていた。
「…」
「……」
(え?何?どういう事?なんて言えばいいの?まずおじさんはなんでそんなにアレな感じなの?)
サツキは本当に困惑していた。
(う〜む…こういう時は…)
サツキは冒険者組合の方を見た。するとそこには二階の空いている場所からこちらを覗く、アニカさんやカイナ、後昨日見た覚えのある女がいた。
(何やってるのあの人たち、見てるんならなんとかしてくれない?あっカイナが笑ってる、ん?おじさんの方向けって?)
私は身振り手振りで伝えられた通りおじさんの方へ向き直したがそこにあるのは、先ほどと変わらない血圧が上がりそうな顔だった。
(うわーなんかこっちまでキツくなる顔してるな、ストレス溜まる。アレを向けられ続けるのはきついから考えよ)
サツキはその顔をやめさせるため本格的に考え始めた。
(えっとまず…魔力の使い方の練習していたら偶然「魔力砲」が撃てて、それの轟音で魔物がいっぱい来て…分からん)
サツキとバルドルの違いには重要な点がある。
まず一つ目にサツキは魔物が魔力を含んだ有機物を餌としていて、豊富な魔力や空気中に飽和した魔力によっていくという事。
そして二つ目はサツキは魔物がいっぱいくる、つまりスタンピードの危険度をしっかりと理解していない事。
最後に、二つ目の点も相待ってそれ自体を悪いと思っていない事である。
生きる法が違うモノに話は通じず言葉が表す意味はただの記号と成り果てる、常識が違うものは誰であっても他者の禁忌を犯す可能性がある…それを実際に起こしたものを…「異端」という。
そしてとうとう沈黙に耐えきれなくなったバルドルが言った。
「…死の黒波も来てる、すぐそこまでな…こういう戦い前にわだかまりを残すのは後々のミスに繋がっていくっていうのが経験なんだが、嬢ちゃんにも事情があるらしい…
(事情…ないけどね。何言ってるのか分からないだけで)
「正直嬢ちゃんを見張っていたいが嬢ちゃんの戦力もあてにしたい。だから」
隻眼のおじさんは…いやバルドルはそこで区切ると次の瞬間サツキ以上の凄まじい濃度の魔力と威圧を放ちながら言った。
「死の黒波での戦闘中は俺が嬢ちゃんと組みながらやる。そして全部終わらせた後には…再度今の質問をする、いいな?嬢ちゃん、悪いが拒否権はねえ」
そんなバルドルの言葉に私は…威圧で答えた。
(私と組みながらやるってことは戦闘中に私の癖や戦い方を読み取るということ!つまり組みながらやるっていうのは質問の答え次第では戦闘になるから学習しておくってこと!最高だっ!情報は力で理解することが最も近道!これはもう事実上のあなたと戦いますよ宣言!アア、ゾクゾクしてきた!)
通常時の私が引っ込み暗殺者の私が隅から覗き戦闘狂の私が表に出る…今の私に心はまさにそんな感じだった。冷静な私は…ベットで寝ていた。
(私もしっかり見て理解しなきゃ!戦闘に発展するような答え方もしないと…)
私は、少しばかり舐めていたこの世界の住民の、力の入った魔力を受けてちょっと考え方がおかしくなった。
(まあ質問の意図なんて全く分からないから、答えのしようがないんだけど)
少しだけ冷静になってきた私は、暗殺者としての合理的な面も出てきてさらに考えを深め始めた…
そんな様子を見ていたバルドルは…
(表情がコロコロ変わる…興奮した表情になったかと思えば急に感情が読めないお面のような顔になったり人が違うみたいだな。…それにしても急に実力が上がりすぎてないか?だいぶ強いぞ?俺が同い年の時よりかは強い。まあまだまだだが…末恐ろしいな。でもやっぱり、)
バルドルは一度ため息をついてから思った。
(常識…ねえよなぁ〜)
…街中であのような魔力と威圧を解き放つバルドルも大概である…。
テスト終わったどー、というわけで今まで通り投稿して行きます。
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