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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
62/115

生贄おじさんと差=狂気

いつも読んでいただきありがとうございます

<冒険者組合>


その殺気混じりの全てを塗りつぶす異質で威圧的な魔力を受けた瞬間、「壊氷」ノルタは入口の方を向き魔力を練り始め、「竜殺し(ドラゴンスレイヤー)」バルドルは静かに大剣のつかに手をかけ、「黒の鉄槌」特攻隊長カイナは自分の特注の獲物…は持っていなかったため拳を構えた。

他のBランクやCランクの冒険者達もワンテンポ遅れながら武器を構えていたが、ギルドマスターだけは興味深そうにそれを見ていた。


<サツキ>


(はい!こちら現場のサツキです!私咄嗟に放った殺気の影響で中にいた人たちの殺気のぶつけ合いを止めることができました!パチパチパチパチ。しかし世の中いいことばかりではありません…どうやら中の人達は警戒してしまったらしく隻眼のおじさんっぽい魔力の人もなんかすっごい魔力が宿ってる大剣を抜いたりと…困ったなぁ)


そんなこんなで私は弱っていた。


(うーん…手を上げながら中に入る?まあ悪くないけど入ったら攻撃される気もするんだよな…)


サツキは自分の魔力が森の近くにいた時から感知されていたことなんて知りもしなかったが、なんとなく危険を感じ取っていた。

しかし普通は急に殺気を発し始めた人への対応などそんなものだというツッコミは…彼女には通用しない。

そんなサツキだが…


(あっ!名案じゃん!)


意外と簡単に対処法を思いついたサツキは叫んだ。


「隻眼のおじさーん、出ておいでー」


少しだけ張り詰めていた空気が弛緩した気がした。


<冒険者組合>


「隻眼のおじさーん、出ておいでー」


そんな場違いな呼びかけを聞いた冒険者や組合員達は周りを見渡し…隻眼のおじさん?を見つけた。


「バルドルさん、お呼びのようですよ?」

「お、俺か…」


バルドルは半ば予想していたもののこれで完全に「隻眼のおじさん」として認知されてしまうのかと思うと憂鬱になった。


「ギルマス…」


どうすればいいかという確認の意思を込めて呼んだその相手からは、


「バルドルさん…いいですよ、行ってきてください。骨は拾います」


というこの状況では冗談ではなく本当になりかねない冗談を言いつつ返され、周りの冒険者達にも、


「ガンバッテクダサイ!」

「信じてます!」

「お前ならなんとかなるさ、お・じ・さ・ん!」

「託しましたよ」

「早よ行って」


と押し出され…外に出た、出された彼を迎えたのは小憎たらしいサツキだった。

もちろん出された瞬間扉は閉められた…。


<サツキ>


中がガヤガヤしたかと思うとおじさんが出ていた。瞬間扉が閉められた…。

それを見た私は言った。


「隻眼のおじさん嫌われてるの?」

「グホッ!」

「なんで自分で効果音つけるのさ…」


私はそんなことに突っ込みつつ本題に入ろうとした。


「さっきの殺気はわざとじゃない、魔力も。あれ反射」

「は、反射?嬢ちゃん…反射で殺気はダメだろ。あんなのに当てられたら一般人は気絶しちまう」


一般人どころか冒険者の一部も気絶しているのだが…そんなことを知らないサツキは返答する。


「?貧弱じゃない?」

「…貧弱…まあそうだな、だが戦いに従事しない奴らなんてそんなもんさ。嬢ちゃんの故郷がどんな場所かは知らないけどな」


その言葉を聞いたサツキは故郷の一般人達を思い浮かべた。


(私が通ってた学校の生徒…弱い、弱い、弱い、弱い…)

「確かに、弱いね。そんなものだね」


それを聞いたバルドルは安心していた。


(嬢ちゃんの故郷は別にそんなヤバいとこってわけでもなさそうだな)


まあヤバいの基準は人それぞれで「地球」…「日本」も別の意味でヤバいのだが…それをバルドルは知れない。


「反射的に出しちまうのは今回はしょうがないが直せよ」

「うん」


思うところがあった…ありまくったサツキは素直に返答した。


「で、俺もひとつ嬢ちゃんに聞きたいことがあるんだわ。いいか?」

「え?ヤダ」


…バルドルは質問(許可制)(右ストレート)を繰り出した!サツキは華麗に避けた!


「…頼む」

「見返りは?」

「飯を奢る」

「契約成立」


固く握手を結び下らない茶番を演じた後今度こそバルドルは聞いた。


「さっきな、この街の近くの森の方角でな、嬢ちゃんそっくりの魔力がな凄まじい威力で展開されたんだ。でそのすぐ後に魔物の群れ…死の黒波(スタンピード)が発生したんだよ。嬢ちゃんも知ってるだろ?」

「うん、知ってるよ?スタンピードでしょ?まあ私そっくりっていうのはよくわかんないけど」

(だってそれ私だから)


人は人の心を読めない…バルドルも同様に、だから欲しい答えが発せられたとしても知ることはできない。


「何がわからないのかわからないが…嬢ちゃんも死の黒波(スタンピード)の対応のために来たんだろ?」


「うん、まあ対応っていうか私一人じゃ流石に捌き切れないから、どうせ気付いてるであろうおじさんとかを呼ぼうと思って。というかあんまり話が見えないんだけどさ、もうすぐそこまで来てるよ?みんな死んじゃうよ?私とかおじさんは死なないだろうけど」


そんな傲慢とも取れる発言…その中に感じるサツキと自分達との差…狂気を感じながら、それを聞いたバルドルは先程感じた魔力と森の方で感じた魔力…その双方から導き出される結果をもう予測しながらもそれでも否定をするためか確証を得るためか聞いた。


「ああ、来てるのはわかってる、だが聞かなければならない。死の黒波(スタンピード)が起きた瞬間…その時嬢ちゃんはどこにいたんだ?」


バルドルにとっては今後の対応を考える重要な問い、はたやサツキにとっては別にどうでもいい問い…双方にとって対極的な()()が今この場で発せられた。


作者「バルドルさん大変そうだなー」

(↑こいつのせい)


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次回も本編です

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