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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
59/115

戦う理由とピョンピョンステップ

いつも読んでいただきありがとうございます

「ほい、ほい、ほい!」


私は「身体強化」を制御できるレベルまで落とし、街までの道を駆け抜けながら、時々後ろに向かって「魔力球-圧縮」の小型版をばら撒いていた。


(いやーめっちゃ気持ちいな、後ろで馬鹿みたいに魔物が吹っ飛んでいく…)


そんな少しヤバいやつみたいなことを考えながら走っていると前方に街の城門が見えてきた。


(おっ!見えてきたな…ん?なんか城壁の上に黒い塊がいっぱい?なんだあれ…、見てみるか)


私は「身体強化」を応用し強く強化したい目の部分に魔力を多く込めた。


(見える見える、コレは兵士達か…みんな弓を持っているみたいだな…というか後15分か20分で着いちゃいそうだけど冒険者とか騎士とか外に出てこなくて大丈夫なのかな?)


私は本当に不安になった。


(え?もしかしてみんな気づいてない?…いやそれはないか弓兵もいるし、対応が決まってないのかな。えーどうしよう私一人でコレ全部相手するのは無理だよ)


サツキは対個人用の暗殺者として育てられなおかつ人間専門であったことから、この世界に来ても対集団用の魔法など習得しておらず、唯一作った「魔力砲」もそこまでコスパがいいわけでもなく一人で戦った場合ジリ貧となるのは間違いなかった。


(ん〜…とりあえずもっと私が急いで走って街の人たちにいろいろ伝えるか?話し合いにもできれば参加したいし…っていうかなんで私戦おうとしてるんだろ?)


サツキは気づいてしまった。


(これ別に私が起こしたわけでもないでしょ、アニカさんも劣等(インフェリアル)飛竜(ワイバーン)がなんだかわからないけどそこにいたのはおかしいって言ってたし、なんで私あの街と共に戦うみたいな考え方してるんだ?)


実際のところこの魔物達、死の黒波(スタンピード)は最終的にサツキが引き起こしたにしても、サツキがこずとも一ヶ月後あたりには自然発生しもっと数を増した魔物達の大行進となっていた。原因は森の中のリソース不足である。

そしてこの死の黒波(スタンピード)の魔物達は、今はサツキの魔力に釣られて追いかけていっているのだとしても、じきに街の存在に気づき総合的にサツキよりも魔力が豊富な街に目標を変えるだろう。

しかしサツキには一つあの街のある人との約束があった。


(なんで自然とそんな思考になった?なったからには理由があるはず、私があの街と戦うとしていた理由…「白黒(びゃっこく)」?)


私はこの世界に来て初日のあの気難しくよくわからない耄碌してそうな鍛治師との邂逅を思い出した。


「あ〜!そうじゃん、あれ貰わないと、なんか条件あった気がするけどあれは貰っとかなきゃ。戦うとかは置いといてアレは盗人にも魔物にも国にもナニニモもったいない。とりあえず回収しにいこう…これだけじゃ戦う理由には少し足りない気がするけど…まあいいや」


私は最初抱いていたあの街と共に戦うというモチベーションの大半を取り戻せたものの残りの少しの理解できない欠けたピースを取り戻すことはできなかった。


私は萎えかけていたモチベーションが復活するとその脳裏に悪魔的なアイデアが思い浮かんできた。


(ヤバい!テンション上がると頭も回る!…フー…落ち着け…冷静に…)


私は心を落ち着けると足の裏に魔力を集中させ始めた。


(「身体強化」でも完全に衝撃を防ぐことはできなかった…でもそれは肉体の許容値で制御(セーブ)していたらの話…衝撃を感じる瞬間だけ「身体強化」を全開にすればいい、衝撃を消す方法も模索したいけど今は…)


私は踏み出した右足が地面を蹴った瞬間、斜め45度になる瞬間に右足の裏から魔力を軽く放った。


「ボンっ!」

「うわっ!っと」


私は地面寄りの斜め方向にただ走るより速いスピードで飛び出した。


(よし!成功…次はっ!)


私はすぐに左足の裏に魔力を集め足が地面についた瞬間に同じように魔力を放った。私は同じように跳んだ。


(これは…!いい誤算だ!)


私は衝撃に対して魔力噴射の衝撃によって相殺することで対処をすることができるようになり、新たな副産物を得た…が私が本当の意味で衝撃に対する対処の方法を学ぶのは前述の通り先の話である。

結果「身体強化」を全開にする必要がなくなったためコストパフォーマンスは少し良くなっていた。


(いいなこれ!速いし楽しい!だけど隙が大きすぎる、殺し合いじゃあ使いずらいな、だけどこの衝撃緩和のやり方はちょっとは使えるかな?あんまりスマートじゃなし力技だし魔力消費結構あるけど)


私は喜びを示したり現実的な評価を下したりと目まぐるしく考えながら、魔物に「小型版 魔力球-圧縮」を撃ったりピョンピョン跳びながら走ったりしながら「白黒(びゃっこく)」を取りに街へ向かった。




…あまりに速すぎた私は魔物を置き去りにしていったことに気づかず、大きな魔力の魔物達は王者のように後ろの方にいたため「魔力感知」の範囲外に出てしまい気づかず、その違和感にも気づかず、無駄に「小型版 魔力球-圧縮」をばら撒いていた…。

これがうちの主人公だ〜!

※「白黒」は第11話に出てきてます。


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次回も本編です

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