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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
58/115

天才で天災の与える影響=絶望

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<冒険者組員>


時は少し遡りサツキが依頼を受注し去った後の冒険者組合では、たくさんの冒険者たちが依頼の取り合いを行っていた。


「おい!取るんじゃねえ!コレは俺の依頼だ!」

「んなわけねえだろ!先にこっちが持ってたんだよ!」

「ああ!?やんのかテメエ!」

「やってやんよ表に出な、あ!この依頼表は俺の仲間に預けておくぜ」

「ああ、いいぜ…って騙されるかあ!」


そんな冒険者たちの醜くも正しい依頼の奪い合いを、隻眼のおじさんことバルドル、「壊氷」ことノルタとそのパーティーメンバー、そしてそこそこの数のBランク冒険者から、取り合いを行う冒険者たちからは頭ひとつ抜け、ある程度余裕があるCランク冒険者達が見ていた。


「いやー懐かしいな、俺も昔は…」

「ほう「竜殺し(ドラゴンスレイヤー)」のバルドルにもあのような過去が?」

「そりゃあな、誰だって最初は…あんたは?」

「私にもあったさ…今じゃ「壊氷」なんて呼ばれちゃいるがね」

「へえ、あんたが最近この街に来たっていう「壊氷」か…強いな」

「あんたほどじゃないさ…それこそCとB、BとAには大きな差がある…もちろんAとSにも」


ノルタはニヤッと笑いながら言った…が、


「ああ、わかってるさ。まだ俺じゃあ力不足だ」


というバルドルの返答に「へえ」と驚きながら返した。


「てっきりキレるかと思ったんだけどねえ」

「まあ昔ならあるいは…今じゃあそれくらいでキレていたら()()()にあった時身がもたなくてね」

「あの子ってことはガキかい?」

「ああそうだな…ガキだよ、恐ろしいガキだ」


そう言いながらバルドルは彼女のことを思い浮かべ笑った。


(そんなガキが…ッチ!昨日の小娘を思い出しちまった)


期せずして同じガキ(殺来)を思い浮かべた二人は黙り込んだ。

その様子を周りのB〜Cランクの冒険者達が興味深い様子で見ているとこの組合内に激震が走った。


「こっ、コレは一体…」

「凄まじい魔力圧だ…一体どこから?」


某主人公(サツキ)の放った凄まじい威力の「魔力砲」と、その影響からサツキ自身がフルパワーで纏った「身体強化」によって胆力が足らない下位冒険者や「魔力感知」ができる魔法使いなどのほとんどが気絶し、サツキの異質な**によって、耐性が高いB〜Cの冒険者達も一部気絶したり気分を悪くしていた。


「一体なんなんだ?この魔力は…こんな凄まじい魔力は…Bランクの魔物ぐらいあるぞ…しかもそれだけじゃ…」

「バルドル!この方向には何がある!?」


異質な魔力に圧倒され考察を深めていたバルドルにノルタが聞いた。


「あ、ああこの方向には森が…」

「バルドルさん!本当ですか!この魔力は森の方から!?」


質問に答えたバルドルにさらに質問を重ねたのは、受付嬢のアニカだった。


「ああ、確かだ」


その答えを聞いたアニカは顔を青ざめさせるとぶつぶつと何かを呟き始めた。


「(確か昨日サツキさんとバルドルさんが森近くの草原で、劣等(インフェリアル)亜竜(ワイバーン)を狩ってきた…本来森深くにいる劣等亜竜が出てくるのはおかしいと思って調べてたけど…この魔力の持ち主に追い立てられた?コレだけの魔力の持ち主ならば劣等亜竜も勝てない…)」

「ん?受付の嬢ちゃん、俺と嬢ちゃんの名を呼んだか?」

「あっ!えっ!はい!ちょっと伝えたいことがあって…」


アニカはノルタとバルドルに対して自分の考察を話した。


「確かに…俺もおかしいと思ったんだ」

「受付嬢、それはギルドマスターには話したのか?」

「え、ええ、話しました…なので調べてたんですけど」


顔を近づけて話してくる二人に少し弾き気味になりながらアニカは言った。


「あの…それでサツキさんは?」

「ああ〜嬢ちゃんか〜まだ寝てるんじゃないか?それか外にいるか…」

「サツキ!?バルドルが言ってる嬢ちゃんってサツキなのか!?」


周りでうんうんと頷く面々を見て点と点がつながったノルタはその事実に納得した。


「ノルタも知ってるんだな(あいつ迷惑かけてないよな…)、まあ嬢ちゃんならどこにいてもなんとかなるだろうが…」

「けっ、あの小娘はなんとかするさ」

「サツキなら用事があるって言ってどっか行ったよ?」


そう言いながら新たなる乱入者、カイナは入ってきた。


()()もサツキの知り合いか?あいつ意外と友達イイイイイイイ」


カイナは失礼なことを言ったバルドルを黙らせると(物理)、朗らかに話に入った。


「うん!()友達だよ!一緒にお風呂も入ったんだ!」

「そ、そうですか…」

「まあ今のはこのデリカシーのないこいつが悪いね、私はノルタだ、仲良くしてくれ」

「うん!僕はカイナ、傭兵団「黒き鉄槌」の特攻隊長さ!」


カイナは手を伸ばし握手も求めた。


「へえ、あの「黒き鉄槌」の…傭兵は好きだよ」


ノルタはそういうとカイナと握手を交わした。


「す、すまなかった、嬢ちゃん…いや傭兵の嬢ちゃん、許してくれ!」


復活したバルドルはカイナを見るなり謝った。


「…ふん!次はないよ?」

「すまない…」


そういうとカイナとバルドルは握手をした。


「それで…」

「ああ、そうサツキは用事があるってどっか行ったよ」

「そう、ですか…」


この中では一人サツキのことを()()()()()()()()()()()アニカはそう呟いた。


「まあサツキは置いてとりあえず現地に行ってみないと」

「そう、だな。なにがおきているのかっ!」


バルドルとカイナ、ノルタは魔力を感じた地点のすぐ近くから恐ろしい量の小さい魔力と、数は少ないモノの先ほどの魔力に比肩しうる魔力が数体近づいてきているのを感知した。


「…きてる、な」

「コレ不味くない?」

「コレは…スタンピードだ…」


バルドルは今までにない圧倒的な物量を感じ思わずそう呟いた。


「本当ですか!?」


アニカは嘘であって欲しいという気持ち、一縷の望みをかけそう聞いた…が、


「少しすれば城壁の上からでも見えると思うぜ、遠くから「死の黒波(スタンピード)」が迫ってきているのをな」


いつのまにか冒険者組合内はとても静かでバルドル達の声のみが響いていた…だからこそ…


「…」

「……」

「………」

「…………」

「……………」

「………………」

「………………パチンッ!」


絶望のような雰囲気が漂う冒険者組合内の雰囲気を変えたのは…「パチンッ!」という手を叩く音と共に上の階から降りてきたギルドマスターだった。


「それじゃあ「死の黒波(スタンピード)」への対抗策を考えていこうか」


彼は…笑いながらそう言った。








行動には気を付けましょう

本編ではありませんでした、すみません


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次回も本編です

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