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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
54/115

家訓と復讐を待つ者たち

お願いします

「ごめんなさい」

「え?いや君が謝ることなんてな…」


私は一言断ってからその善意の人(推定)のこめかみの部分を先程図書館で学んだ「身体強化」を使って()()()()()。すると彼は何か話していたようだがスルッと気絶し床に倒れた。


(うわーこれはすごいな。今まではこんなことできなかったのに…「身体強化」すごいな。強く打ってたら頭消し飛んでたかも、でもなんか間に一枚あったような…)


サツキは知らぬことだがサツキの「身体強化」はまだ圧倒的な練度不足にも関わらずかなりの力があり軽く打った程度で自転車が突撃してきた程度のパワーがある。

それを頭をぶちまけずに善意の人が耐えることができたのは本人が常に最小の「身体強化」を纏っていた結果であり…


「おい、小娘…お前なに人の仲間に手を上げてるんだ?」


彼のパーティーメンバーでありBランクの実力者である「壊氷(かいひょう)」ノルタの力のおかげであった。


そんなノルタの怒りを受けるサツキは…


「あ!女将さん、夕飯をもらえますか?」


おいしく夕飯をいただこうとしていた…


<食堂内テーブル>


「で?なんでしたっけ?」

「こ…」

「こ?」

「この小娘が!お前が私の仲間をやった落とし前をどうつけるのかと聞いているんだ!」


私は善意の人(推定)を気絶させ、自分の力のぶっ飛び具合に少し戦慄をし、周りが急に静かになり、女将さんを見つけ夕飯を頼み、何故かこの人たちと同じテーブルで食べる…。


「なんでこんなことに…?」


私がそんな心からの疑問を呈すと何故か目の前にいる彼女はグダッと溶けてしまった。


「ご飯食べないんですか?」

「あ、ああ〜食べる食べるよ…日の終わりなのに疲れてしょうがない」

「大変ですね」


彼女は再度私を見ると再びため息をついて夕飯を食べ始めた。


「で、落とし前はどうつけるんだい?」

「?」

「?じゃなくてあんたが私の仲間を殺しかけたことはどうしてくれるのかって聞いてるんだ」

「何言ってるんですか?殺しかけてないですよ?って言うか仲間って?」

「そこからかい?そこにいる、あんたに気絶させられたモフって男のことさ」


私はやっと彼女がなんの話をしているのか理解した。


「ああ彼ですか。まあ善意で言ってくれてたことはわかるんですけど正直巻き込まないで欲しいんですよね」

「っ!なんのことだ!?」

(なんで急に警戒し出したんだ?大丈夫か?)

「え?だから貴族とのいざこざに」

「あ、ああ。そう、そうだ」


私は何か話が噛み合っていないような気がしつつもスルーした。


「さっき女将さんにも確認した通り私はここに泊まっていてしっかり冒険者やってるんですよ(まあ暗殺者だけど)。なのでお宅の人の早とちりです」

「うむむ…まあそうとも言えるが」

「大体あなたも傍観してないでなんとかしてくださいよ、コレ」

「小娘だってあそこまでしなくともよかっただろう?」


それを言われると確かにと言うところもある大変答えづらい質問だったが…


「いや、邪魔者は排除するので。あの場では私をも貴族のいざこざに引き込んでいく彼のその行動が私にとって非常に邪魔だったので…そういうことですよ」


私は死飼家の家訓である「万難は避けずに排せよ」と言う面倒ごとは切り払えという考え方を思い出しながら言った。


「そうか…これ以上は無駄だな。お節介が不利益を招いたと言うだけか、ならば仕方ない。ここは退く、それと小娘「身体強化」の加減をしっかり学んでおけよ」


そう言って何故か納得した彼女はモフとか言う男を引きずり、数人のパーティーメンバーを引き連れて食堂から出ていった。


「んー何がしたかったんだろう?」


私は静まり返った食堂でたくさんの視線を受けながら夕飯を食べ続けた。



<ノルタ>


「ああ言うタイプは自分の考え方を確立しているから説得なんて無駄だ」

「でもノルタさん」

「やめておけノルタさんがこう言ってるんだ」

「畜生!なんであんな奴に…」

「一番かわいそうなのはモフだ」

「分かってるよ…」

「あいつに邪魔はさせない」

「ああ!」

「そうだよな」

(サツキという奴…あの小娘の言葉で動揺してしまったがバレてはいないだろう、しかしモフには貴族への殺意を抑えるよう努力してもらわねばまずいな…今は耐えなければ…耐えれば復讐できるのだ!)



積み重なっていく。


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次回も本編です



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