圧倒的!!質量!と答えづらい質問
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私は振り向いた先にあった圧倒的質量にまさに圧倒されていた。
「何ですかそれ?あ、間違えた。何の用ですか?」
(本音が漏れちゃったぜ)
私は圧倒的質量を目にしつい漏れてしまった本音を隠すように言葉を重ねた。
「?…用はある。隣いいか?」
「まあ聞くだけなら」
私はこの圧倒的質量が湯船に入ったらどれだけのお湯が外に流れていくのか興味があったのと、まあついでとして聞かずに放り出すのも悪いかと珍しく常識的な考えをし許可することにした。
「失礼する」
「…」
「…」
(わーお)
私の興味は満たされた。彼女のブツは見た目相応に重量もかなりあったようだ。
(こいつあの商人のフリ(笑)をしてる貴族の女護衛だよね。…だいぶ着痩せするタイプだったんだなー)
私がそんな見当違い?なことを考えているとその女護衛は話し始めた。
「私は…ハクミ商会跡取りのブレン坊ちゃんの護衛をしているノートというものだ…。私の用は…偶然だが今あなたとここで出会うことができたため…貴方の人柄が知りたくてきた…」
(なんか見た目に反してだいぶおっとりとした喋り方だな…まあ下調べってとこだろうな)
私は初めて会った時の主従共にキラキラしていた目をしていたことと人柄が知りたいという情報から何らかの依頼のための下調べにきたのだろうと判断していた。まあ話す義理なんてないので…
「残念だけど貴方と話すことないよ?」
「私には…ある…」
「でも知らない人には「貴方さっきの傭兵にも話してた、彼女…初対面でしょ?」
「…」
(ナチュラルに論破されたんだけど…それ言われるとな〜)
私は自分の発言の隙をつかれ筋が通らないことに気づいてしまったため仕方なくカイナと同じように対応することにした。
「分かった、仕方ないから答えられるとこだけ答える」
「ん、まず名前と歳」
「…サツキ、16」
私は少し釈然としないものを感じつつ答えた。彼女はその答えに満足するように頷いた。
「次の質問、貴方の出身」
「…どうせ貴方には聞き取れないから言わない」
(無駄だからね、さっきと同じ)
「…そう。ならいい、次は貴方の特技」
私はあっさり彼女が引いたことに少し驚きながら考えた。
(私が得意なこと?何だ?何だろう?今まで私ができたことは…)
私は少し過去を振り返ってみたが今までできたことと言えば…的の破壊、人形の破壊、武器の破壊、自分の破壊…破壊しかなかった。よって…
「壊すこと?」
「そう…私に聞かれても困る…でも分かった。次、貴方の職業は?」
「え、あん険者だよ」
この時私は思いの外、暗殺者(まだ未経験)であることに誇りを持っていたのかつい暗殺者と答えそうになったが変なところで切ったせいで「あん険者」という新たな職業が誕生した。
「なんて…言ったの?」
「エ、冒険者ダヨ」
「…」
「冒険者ダヨ」
「…そう、最後の質問、貴方は貴族…この国についてどう思っている?」
「…」
私は答えづらい質問に自分の肌にじっとりと汗が染みるのを感じていた。
今回はまた少し殺来の闇に触れました。まあ闇ですけどね。
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次回も本編です




