シェアとカイナ 小なりイコール ???
お願いします
「え?」
「ん?聞こえなかった?じゃあもう一度言うね。僕の所属する傭兵団に入らない?」
「え?」
私は再度繰り返した。それに対してカイナがん?みたいな顔をしているのをみた私は素直に自分の気持ちを言うことにした。
「あんまり理解できないんだけどさ…何で私みたいなちょっとしか触れ合ってない人を誘えるの?」
私がカイナの言葉を理解しその上で困惑している要因の大部分はその感性の違いだった。
私にとってはこうやって多少の時間を共に過ごし、相手の名前や年齢など少し知り合った仲だとしても信用もせず、こう言った高級宿に泊まれる身分が保障されている人でなければまず自分の情報を渡さないだろう。そこが私とカイナの大きな差であった。
「確かに時間は短いけれどサツキが信用できることはわかったし、それに見ていて危なっかしいもん。常識もないみたいで貴族にも構わず突っかかっていくし…」
「…」
私はまさにその通りでカイナの言葉にぐうの音も出なかった。
「僕が入っている傭兵団は身寄りのない子供や当てのない人たちの中で見込みがある人たちが団長に連れてこられて入ってるんだ〜。団長が基本メンバーを連れてくるけど僕の推薦と試験を合格できれば入れるはずだよ」
「…その傭兵団…名前なんだっけ?」
「黒の鉄槌だよ」
「カイナはどう言う立ち位置?」
「僕?僕は切り込み隊長さ」
「新入り?」
「ん〜まあ新入りって言ったらそうなのかな?もう数年いるけど」
(まあ正直信用できないよね。カイナだって今少し話しただけだし、まあいずれにせよ「人」は見つけなきゃいけないんだけど…うまいこと機能するかもわからないし…この大変さはどこの世界でも変わらないんだろうな、日本にはスポンサーがいたけれども)
私はしばらく考えた末現状ではカイナについても「黒の鉄槌」についても情報が少なすぎるため余計な考察を深めてしまう前に考えを打ち切った。
「とりあえず保留でもいい?」
「うん!もちろんいいよ。僕達はしばらくこの宿にいるから話したい時は女将さんに言付けしておいて」
「分かった。ごめんね疑り深くて(ああ嫌だ、自己嫌悪だ)」
私は信用できないことを疑り深いなんてオブラートに包んで言う自分に嫌気がさした。
「いや大丈夫だよ。大事なことだもんね。それじゃあ僕そろそろ出るね、サツキは?」
「私はもう少しいるから大丈夫」
「分かった。それじゃあ何かあったら言ってね」
カイナはそう言うやいなや、ざばっとお湯から上がり一目散に出口へ消えていった。
「はぁ」
私はカイナがいなくなると顔の半分、鼻までをお湯に浸けてブクブクしながら思考を重ねた。
(どーするかなー。やっぱり「暗殺者」としてのやり方しかわからないから他にできるのなんて…冒険者か傭兵ぐらいだもんな…勝手に「暗殺者」やってもこの業界にもシェアがあるからとったら狙われるだろうしな〜、でもやっぱりやりたいよな〜)
私が将来的な目標だけでなく直近の仕事のことまで悩み始めていると次は向こうから声がかかった。
「やっと見つけた。横いいか?」
不躾な声の持ち主を確認するため振り返った私を迎えたのは2度みた顔とカイナと同等かそれ以上の肉体の持ち主だった。
「…」
「…」
「それよくないです」
タイトルはカイナより???が同等かそれ以上にでかいということです。
お風呂回続いてますがR-15なんて必要ありませんでしたね(ドヤっ)
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次回も本編です




