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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
42/115

魔力?と二つの助言

お願いします

今日も長めです

<初心者から熟練者まで!魔法の頂を極めんとするモノのための魔法書〜入門編〜 著者:コレハ・ギメイ>


第三章・魔力の使い方


さてそれでは本命である魔力の使い方を説明しよう。魔力は()()()()に住む全ての生物に宿っておる。まずは自分に宿っている魔力を感知することから始めねばならぬ。自分に宿った魔力を感知するためにはいくつかの方法があるが今回は「信頼!仲良しグルグル法!」を紹介しようと思う。

これは自分が信頼できる人と両手を繋ぎ極限まで自分の体の働きを抑えるイメージをした上で、自分の体の中の魔力を動かし、巡回させてもらうというやり方じゃ。

このやり方は副作用もなく(やった後少しハイになるが)成功しやすい素晴らしい方法なのじゃが…自分の体の働きを抑え他人からの魔力干渉を強く受けることで魔力を認知するため、もし相手が自分に対して悪意や邪な欲を持っていると精神にダメージを負ったりする可能性があるのじゃ。よってこの方法は本当に信頼できるもの以外とはせぬように。

他のやり方は長い時間をかけて魔力飛び交う戦場に突撃することや地脈穴(ちみゃくけつ)の近くにて、座禅を組んだり、神殿に行き神にお祈りするなど…とても時間がかかるぞい。

まあ生まれた時から魔力に包まれとるんじゃから自ずと使えるようになるじゃろうがの。


<サツキと全知神>

(…どうしよう。私魔力ないかもしれない…それにこのやり方は…)


私は魔力が「この世界に住む全ての生物に宿っておる」という事からわたしには宿っていない可能性と、宿っていたとしても()()できる人などおらず、習得するために多大な時間がかかることを知り軽く絶望していた。

しかし…


「何か落ち込んでるみたいだけど君にもあるよ、魔力(豕募鴨)がね」

「え?」


私はなぜかダブって聞こえたがそれでも確かに全知神が魔力があると言ったのが聞こえた。


「本当に?」

「う、うん。あるよ。あるから、そんなに食い気味にこっちへ来るのやめてくれない?」


私はつい興奮して全知神に向かって身を乗り出していた。


「そっか、あるんだ!やったね。じゃあどうやって習得しようか…」


やっと糸口が見えたがどちらにせよ()()できる人などおらず、長い年月をかけて覚えるのかと落胆していると全知神から再び声がかかった。


「僕がやってあげようか?」

「いや…それは…まだあなたが…」

「いや不安に思うのはわかるけどね。僕は全知神だから。知りたいのさ」

(…何が知りたいんだ?こいつは…でも何故かこいつの「知りたい」に関しては信用できる…)

「どうかな?両者がwin-winだよ?」


少しウィンウィンの発音がいいのがイラッとしたが私はその提案を飲むことにした。


「それじゃあ手を出して。僕の魔力(豕募鴨)を送るから」

「ん?なんかまたダブってません?魔力と…後何か言ってます?」

「いや何でも♪」


私は訝しげに思いながら手を取り先ほどの本に書いてあった通り体の働きを抑えるイメージをした。


「じゃあいくよ」


彼?がそういうと同時に私の中に何とも言えぬ温度でサラサラとした何かが入ってきた。私は嫌悪感からそれを出しそうになったが抑えると次の反応を待った。


「オッケー、じゃあ動かしていくよ」


すると入ってきたそれと一緒に今まで私の体で固まっていた魔力(恐らく)が動き出した。入ってきたそれと混ざって動く私の魔力?はさっきと違って嫌悪感はなくただ私の一部なのだと分かった。しかし一瞬入ってきたそれとも私の魔力?とも違う()()()が私の中で動いた気がした。次の瞬間には再びそれは消え入ってきた魔力?と私の魔力?のみが動いていた。


「全知神、分かったよ」

「…」

「おーい」

「…」

「無理やり出しちゃうよ〜」

「…」


私は彼?に感知できたことを伝えてこれをやめてもらおうと思ったのだが一向に返事が返ってこなかった。


「なんかダメっぽいしそろそろ嫌悪感酷いから出しちゃおう」


私は一緒になって流れている魔力?を二つに分かれるように操作していき完全に分離したところで彼?の魔力?を外に押し出した。


「ゴ、ゴッホ!、ゴホッ!」


すると全知神に向かって魔力?が戻っていきそれと同時に咳き込みながら戻ってきた。


「全知神?大丈夫?」

「う、うん。ゴホッ!大丈夫さ、んっ!無事習得できたみたいだね」

「うん。何かあったの?」

「…いや、僕が探りすぎただけさ」

「余計なことしてないよね?」

「ああ、()()()()はしてないさ。僕に誓ってね」

「神に誓ってって言いたいの?」


私は彼のジョークを聞きつつ質問をした。


「これが魔力?」

「ああ、正真正銘君の魔力(豕募鴨)さ、いや魔力(螟匁ウ募鴨)っていうべきかな…」

「ん?何で言い直したの?っていうかまたダブった?」


彼?は私の疑問に苦笑いすると言った。


「ごめんね、急用ができちゃった。上で色々あったみたいでね。また僕の眷属に来るように言っておくから一緒に片付けしてあげて。それと最後に二つ助言だよ。一つ、「魔法は決まっていない。levelで上限が決まっているだけ。定型化したのは英雄のせい」。二つ目は「大神の座はまだ空いている」だよ。覚えておいてね」

「え!?一体どういう…」

()()()〜」


そう言って彼は現れた時と同じように消えた。私は1人取り残され立ち尽くすばかりだった。



<全知神>

「あー教えちゃったなー。まあ一つ目も彼女の世界の知識がないとほぼ利用できないし、まずこの世界の子たちは僕達を信仰するせいでもらったものに手を加えようっていう発想ができないからな〜。二つ目は…いわなくてよかったかな〜…まあこれで少しでもいい方向に向かうといいんだけど…」


次回は別視点になる可能性があります。


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