無我と正体不明
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今回は本編になりました
(…一体この図書館どれだけの大きさがあるのでしょうか?私にも分かりません。今自分がどこにいるのかも出口がどこにあるのかも…きっと私はこのままこのたくさんの本に囲まれて死んでしま…ってたまるかぁ!わたしはこの世界で生きてやるんだー!)
私はこの図書館の中を彷徨っていた。お姉さんの話しを聞かず飛び出したのが運の尽きで出口もわからず目的の本の場所もわからず、いつの間にか自我を見失っていた。どこまで行っても同じような景色で無限に続くように感じ、結構精神をやられていたようだ。
(よくあの状態から戻ってこれたな私。何でか分からないけれどこれからどうしようか…)
この時私の脳裏には3つの考えが浮かんでいた。その考えは一つ目、「大声で叫び助けを求める」二つ目、「あてもなく彷徨う」三つ目、「どこかにいるであろう聖霊に接触する」だ。
もちろん二つ目は論外だ。何故かって?みんなも…ん?みんな?まあいい、わかるだろ?そして三つ目これはいいアイデアだとは思うが私は聖霊に対して接触する術を持っていない。よってこれもだめだ。となると最初の「大声で叫ぶ」なのだが…
(まあ非常事態だしいいよね、ルールには抵触するかもだけど普通この規模の図書館なら案内マップとか案内員とか置くべきだもんね。つまり図書館側が悪い!)
私は謎理論ともっともな考えを組み合わせた何かで自分の良心にQEDすると息を吸って叫んだ…ら後ろから手が伸びてきて私の口が塞がれた。
「モゴっ!モゴモゴモゴ!」
私は一瞬焦ったがすぐに冷静になると後ろに向かって肘打ちを入れた…が、何故か本来あるべき場所に体がなく私の肘打ちは見事に空を切った。
そこに手はあるのに体がないという状況に私が驚き困惑していると後ろから拍手と共に声がかかった。
「いやーすごいね。さすが暗殺者で渡り人だ。咄嗟の判断がとても早いね。いやこの場合は渡り人は関係ないのかな?」
私は目を見開いた。それは正体を知られているという驚きと何言ってんだこいつという更なる困惑だった。
「モゴモゴ!モゴゴ!」
「ん?何を言ってるのかわからないな。…ああこの手ね。ごめんごめん忘れてたよ。これ借り物だからいまいち使い方がわからないんだ。えっと…ん!よし外れたよ」
私は素早く呼吸を整えると握りしめた手の中にこっそり「簡易武器創造」でまきびしを作り出し、自然体のまま戦闘体制を整えた。
「やめた方がいいよ?君じゃ僕をやれないからね。そして逃げるのも無理だよ。ここはもともと僕の神殿でもあり今じゃ僕の領域だから」
私は目の前に立つ小学3年生ぐらいの子供から得体の知れないものを感じ、咄嗟にまきびしを下に落とした。
「うん!話を聞く姿勢が整ったみたいだね。それじゃあオハナシしようか!」
いまだに違和感は消えないが私は事態の打開のためオハナシをすることにした。
「…あなたは一体ナニモノですか?人…でもなく魔物…でもなくもっと言えば生物でもないような…」
「うん…そうだねー。パッと教えちゃつまらないからさ、当ててみてよ。当てたらなんかご褒美あげるよ」
私は今までの発言を振り返りつつしばらく考えた。
「よし!そろそろいいかな?僕の正体は何でしょう!」
「あなたの正体は…
これわざと切ってるんで次回楽しみにしといてください。まあ予想がついてると思いますが。




