汚れと穢れ
お願いします。
自分はこういう差別を推奨しないので勘違いしないでください。
ちょっと嫌な人はとばしてください。
<ハーレム野郎ことサルス>
(クソ!クソッ!せっかく俺が声をかけてやったって言うのにあの女!お高く止まりやがって!)
Eランク冒険者「魔法の手」を率いるリーダーのサルスはボアに八つ当たりしていた。
(なんでだ!?あいつにもらったこの力は万能なんじゃないのかよ!?どんな女でも自分の自由にできる力って言っていたじゃないか!実際今までの女どもはこの力を使うだけでホイホイついてくるようになったって言うのによ)
事実ハーレム野郎ことサルスがあいつにもらった力というのは女だけでなく男にも効果を及ぼし、自分の手駒にすることができる力であるがその力は…
「ああ!イライラするっ!」
サルスがそう叫ぶと後ろで援護をしていた女達が媚びた顔をしてサルスの周りに集まってきた。
「どうしましたか!?ご主人様!?」
「何かご不満でもあるのですか?」
「あの朝の女が悪いんですか?」
「許せないわ、サルス様のお誘いを断った挙句あのような目で睨むなんて…今でも腹が立ちますわ」
「後で見かけたら…」
サルスは優しいご主人様の顔を作ると彼女達に言った。
「いいや大丈夫だよ。僕の誘いが断られたのは残念だけど僕には君たちがいるからね」
そう言いつつもサルスはあの女を誘えなかったことを後悔していた。
(あんな女にはもう会えないだろうな。クソが。女は黙って俺に媚びてりゃあいいんだよ)
サルスが悲しそうな顔を浮かべると周りの女達は口々に「私たちがいます」と主張した。
サルスは弱々しい声で言った。
「それじゃあみんな…今日は僕の心の傷を癒してくれるかい?」
「はい!もちろんです」
「ご主人様のためなら…」
「サルス様のお好きなようにしてくださいませ」
我先にと返答した彼女達を満足げに眺めるとサルスは荒れた心を解き放つようにボアに襲いかかった。
<男護衛ゴッソ>
(全くあの女貴族に対しての忠誠心がまるで足りん!)
アプメイ公爵の長男ブレイ様の護衛の1人であるゴッソはそう呟いた。
(最近の平民どもは貴族がお前達を守ってやっているということを忘れこれが当たり前のように生活している。その平和は我々貴族が作っているというのに!)
ゴッソは男爵家の出で次男として生まれたがゴッソの生家は、貧乏貴族である。ほとんど何もせず発展しようとも悪巧みしようともしない毒にも薬にもならず税金を課すだけの貴族で、どちらかというと毒なのだが…
(馬鹿な平民どもでもわかりやすいよう王金の槍を携えて権威を示せと言ったあのお方に公爵様に対し働きかけ、持ち出させてもらったのはいいが…あの女はこの槍の権威を理解せず提案を断るなぞ許せることではない!)
そういうのを無しにして学ぶのがこの旅の趣旨であるのだが貴族としての考え方に染まった彼には理解できなかったようだ。それはゴッソ然り公爵然り。
(このままでは舐められてしまう!なんとか策を講じあの娘に権威を示さねば…)
王金の槍を持ち出しあのような脅しをかけ断られた時点で周りの人に恥を晒しているためもう手遅れなのだが…
(よし!あの娘を拉致し貴族の力というものを教え込んでやろう)
そう考え彼はスラム街に消えて行った。
次回は多分本編




