クソ貴族ならぬクソ従者と希望の星
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ワタシハナニモキカナカッタ、ミンナモイイネ?
…ん?ちょっと自分の口がメタ発言をしたような気がしたが、見つかる前に2階に逃げようそう思ったところで絶対に逃がさないという目をした女将さんに肩をつかまれた。
私は少しビビりながら言った。
「食堂で何か食べながらお話ししませんか?」
〜食事処〜
「我々は今、次代のハクミ商会の跡取りであるブレン様と共に経験を積むために国中を周っているのだよ」
そう言って席に着くなり2人いる従者のうち男の方が話し出した。そんなことを言われてもハクミ商会なんて知らんし、「隻眼のおじさん」のおかげで正体もわかっているため、はぁとしか思わなかった。
「そんなこと言われても私にどうしろと?まずは要件を言うべきでは?」
「おっとすまない、気が急いていたようだ。要件はもちろんわかっていると思うが、貴方が今日予約したこの宿の部屋を我々に譲っていただきたいのだよ」
もちろんを強調したのがイラッとしたがスルーして私は言った。
「部屋を譲って私に何かメリットがあるのですか?」
そう言うと何言ってんだと言う顔になってなって、チラチラと王鉄でできた武器を見せながら言った。
「我々の記憶に残ることができるぞ?」
…こいつ確信犯だろ。王鉄のことを理解して脅迫に使ってきたぞ。
そんな感じで従者が好き勝手言っているのに肝心のブレン様とやらは黙ったままでもう1人の女の従者も黙ったきりだ。
私はその態度にあのクソ子爵を思い出し不愉快になりながら言った。
「まず貴方のやっていることは脅迫ですよ?あなた方がどこのどなたかは知りませんがそれが万民に通用しても私に通用すると思わないでください。それと交渉をするのなら従者ではなく本人が交渉するのが礼儀だと思いますよ?」
これには女護衛もブレンとやらも目を開き驚いていた。少し彼らの目が輝いていたのが気になったが…
まあこの世界は下克上とか貴族に逆らうとかは発想に出てこないだろうからな。
そして男の従者はもはや交渉は明らかに決裂しているのにまだ交渉をかけてきた。
「よ、良いのかね?それは我々を「我々ではなくて貴方とその一部でしょう?少なくともそのブレン様とやらは関わっていないでしょうね」
「何故そんな分かりやすい物を持って国中を回っているのかは分かりませんが、ブレン様とやらの父親が馬鹿なのかそれとも何かの備えなのか…まあ私を巻き込まないでください」
そう言うと何故か明らかに目が輝きやっと見つけた!みたいな顔をしている女護衛とブレンとやらといまだに後ろで喚いている羽虫を置いて私は部屋に向かって歩き出した。
「ああ、後周りに護衛を配置しているのバレバレですよ、もう少し技量を上げたらどうですか?」
そう言うと後ろが殺気立ったが無視して二階に上がっていった。
私が階段から見えなくなるまで後ろからは殺気立った視線とこいつやっぱり常識ないなと言う視線が向けられ続けていた。
「やっと見つけた希望の星だ。なんとか彼女と連絡を取らなくては…」
次回久しぶりのステータスです




