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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
17/115

血塗れガールと笑いのお面

お願いします

私はずりずりと計6匹分のボアを引き摺りながら街道に出た。しばらく街道を歩くと、依頼を受け草原に向かう冒険者や、商隊などとすれ違ったりした。

すれ違うたびに私は驚きの目で見られた。何故なら客観的に見るとボアの毛皮の敷物にボアを乗せ引きずる、血に塗れた少女という違和感しかない格好だからだ。

すれ違った冒険者や、小隊の護衛達に警戒されながら私はカイロスへ向かっていった。

街の門に着くと検問の人達に警戒されながら呼び止められた。


「君はなんでそんなに血塗れなんだい?その引きずっているものは?」

「依頼でボアを倒した時に返り血を浴びて、持ち運ぶバックがないのでボアを引きずってきました」


すると安心した様で、「なるべく早く体を洗ってくれよ?」と苦笑いして入れてくれた。

私は街の人たちからの引き気味の視線を受けながら冒険者組合へ向かった。

組合の中に入ると朝とは打って変わってほとんど人がおらずとても空いていた。

私はカウンターにならぶと大声で「アニカさーん!」と叫んだ。

すると奥からドタバタと音が聞こえてきてアニカさんが登場した…と思ったら私を見て盛大に転んだ。

立ち上がると「な、なんて格好をしてるんですか!」と叫び私の手を握って組合の宿舎があるところに向かい走り出した。

私はそのまま勢いに飲まれ、組合職員が使う無属性魔法の「クリーン」が使える魔道具によって、綺麗さっぱり綺麗にされた。

そのままカウンターに戻るとあんなに荒れていたアニカさんは鳴りをひそめいつも通りのアニカさんになった。


「それでは説明をお願いします♪」


いやいつも通りでは無かった。何故か恐怖を感じた。ノリノリなのがすごく怖かった。笑いの奥に鬼が見えた。


「いや依頼をやってきま「説明をお願いします♪」


半ば強制的に私は事情を話した。話した後もアニカさんはずっと目が笑っていなかった。

私は忘れないだろう。()()()()()が起こったら怖いことと、アニカさんが小さな声でボソッと「検問の奴は許さん」と言ったことを…

そのあと依頼の「スライム討伐」と「ボア討伐」の証明の証である核と頭を見せ、それぞれ報酬である2万ミムずつ合計4万ミムを受け取った。

そのあと素材の買取をしてもらい、青ボアの正式名称が「ブロウボア」だったことを教えてもらい、討伐できたことに驚かれつつ、結局査定額は、ボア1匹が2万ミムで引きずった皮の分を差し引き合計9万ミム、スライムの核が1つ二千ミムで合計1万ミム、青ボアこと「ブロウボア」が5万ミムの全部で合計15万ミムとなった。

私の所持金は19万9100ミムとなった。

私はそのあと、薬草がどういうものなのかを知らないのを思い出し、アニカさんに特徴を聞いた。

往復の間に時間を使い結構遅くなってしまったことと、依頼の期限が明後日までだったことをアニカさんに言われ、私は今日は一旦これで終わることにした。

冒険者組合をでてしばらく歩くと、朝に確認した服屋に通りがかった。

今日の様に汚れることもこれから増えると思うので、寝衣と同じ普段着を数着と、戦闘もできそうな服を買った。

値段は全部で1万ミムだった。結構安いと思った。

下着も買おうとしたが、この世界ではブラジャーはどうやら無いようでパンツはあったが、ゴワゴワして気になりそうだったのでやめた。

この世界ではこんなのをみんな来て戦ったりしているのだと思うと尊敬の念が湧いてきた。

金に困ったらブラジャー作るだけでもこの世界ならなんとかなりそうだなと考えつつ、私も「クリーン」の魔法を覚えたいと思った今日この頃だった。


次回は別視点を挟むかもしれません

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