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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
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ハーレム野郎と初の依頼

お願いします

私は宿屋「聖神の抱擁」で起きると、昨日密かに買っておいた寝衣を着替えた。

昨日あの後私は、大浴場での入浴を楽しみ、食事処で少し宿泊する人達に避けられながら夕飯を食べ、部屋に戻るとすぐに眠りについた。

慣れない場所に来て疲れが溜まっていたのか、ベットに入った途端すぐに眠りに落ちてしまった。

昨日来ていた服を着ながら、新しい服を買おう、と思いつつ鋼鉄でできたふた振りのナイフを腰に下げ、食事処に向かった。

食事処に降りると、偉そうな人たちの護衛達がギョッとして護衛対象を()()()守る様に位置をとった。

なんか怪しいとこでもあったかな?と思いつつ席につくと、宿屋の人に朝ご飯を頼んだ。

運ばれて来た朝ご飯には、柔らかそうなパンと何かのスープ、それに燻製にした肉と牛乳が入っていた。

私が黙々と朝ご飯を食べ進めていると、先ほどの護衛の人たちの緊張が和らいで行くのがわかった。

食べ終わると、この宿は昨日の厄介ごと以外はいい宿だったので、しばらくここを拠点にすることにした。


「今日もこの宿に泊まりたいので、お金を稼いでこようと思います」


宿屋のお姉さんにそういうと、少し焦った感じで


「きょ、今日もお泊まりになるんですか?」


と聞いてきたため、頷いて肯定を示した。


「わ、分かりました」


そう言って少し早足で店の奥に行ってしまった。

なんか問題でもあったのかな?と思いつつお金を稼ぐために宿を出て冒険者組合へ向かった。

道を歩いていると、服屋もあったがお金を稼いだ後行こうと素通りした。しばらくすると冒険者組合が見えてきた。

中に入ると朝の早い時間だからか、たくさんの冒険者達が依頼ボードで依頼を見繕ったり受付嬢をくどいたり、朝食を取ったりしていた。

私も依頼を受けようと依頼ボードに向かった。

冒険者の依頼は、自分のランクと同じレベルの依頼まで受けることができて、私はGランクの依頼が貼っている場所を探した。

基本依頼は早い者勝ちの取り合いで、先に紙をとった方がその依頼を受けることができる。

私はパッと全ての依頼に目を通すと、そこから2枚の依頼の紙を取った。

その依頼は、「薬草採取」と「スライム討伐」である。

2枚の依頼の紙をとった後、二つのGランクのパーティが、「ボア討伐」の依頼をどちらが受けるかで揉めていたので、私は「暗殺歩行」を使いさらっとその依頼の紙をとった。

2パーティーがいきなり依頼紙が消えて混乱している間に離れて、新しくボードに追加された新しい「ウルフ討伐」という依頼紙を取ろうとしたが、横から伸びてきた手に取られてしまった。

残念と思いながら3枚の依頼紙を受付に持って行き手続きをしようと向かうと、途中で声をかけられた。


「ねえ君、僕は、Eランク冒険者チーム「魔法の手」のリーダー、サルスだ」


最近こういうの多いなと思いつつ「なんの用ですか?」と聞くと、


「さっき君はこの依頼を受けようとしていただろう?」


と言いながら「ウルフ討伐」と書かれた紙を見せてきた。

こいつがさっきのとったんだなと考えながら頷き肯定すると私の肩に馴れ馴れしく手を置いてこう言ってきた。


「君はGランク冒険者だろう?新人が1人で依頼を受けるのはとても危ない。僕らのチームと一緒に行かないか?」


何故かはわからないがこいつの声と置かれている手からとてもイライラする何かが入ってきてとても不快だった。

いつのまにかこいつの周りにはパーティーメンバーであろう沢山の()()が連れ添っていて、皆()()にかかった様な顔をしていた。

こいつは私にハーレム自慢をしたいのか?と考えながら、そろそろ手が鬱陶しくなってきたので振り払って「お断りします」と言って受付に向かった。

そいつはしばらく呆けた後、怒りながら足を踏み鳴らしハーレムの女と共に外へ向かっていった。


「この依頼を受けます」


そう言って私は先ほどの三つの依頼を受けた。

それぞれボアは3匹、スライムは5匹、薬草は5束持っていけばいいらしい。

依頼は討伐した証を持って行けば依頼料と素材の買い取りをしてくれるそうだ。

私は門をくぐり町の外に向かうと、薬草もボアもスライムも生息している草原に向かって歩き出した。

草原につきしばらく歩くと、何匹かのスライムが群れになって集まっていた。

私は「暗殺歩行」をしながらゆっくりと近づき、「簡易武器創造」であらかじめ作っておいた「鉄の針」をスライムと同じ数取り出すと、透けて見えている核に向かって一本ずつ慎重に投擲した。

買った短剣を使わなかったのは、スライムの粘液には腐植性があるという情報からで、一本ずつ投擲したのは私は、投擲があまり得意でないからだ。

1匹ずつ慎重に仕留めると、最後の2匹で気図かれてしまった。

慌てて距離を取ると、残り二本の「鉄の針」をしっかり狙ってもう一度投げた。

幸いスライムは、移動が遅く時々行うジャンプにだけ気をつければよかったため、楽に倒すことができた。

依頼より1匹多い6匹分の核を持って私は次の標的のボアを探し始めた。


次回は今回の続きです

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