能力と干渉
おひさです
サツキは確かに自分の行動が狙った効果を発揮しているのを感じていた。
操作しづらいこの空間の魔力を再び何者かの支配下から解き放ち自由にしていくその感覚…サツキは確かに魔力の流れ方が元に戻っていくのを感じていた。
「くっ、う、うおっ…」
学園長はサツキの魔力に押されこの場の魔力の主導権が奪われる…いや魔力が解放されていくことと、魔力とは一線をかすような何かがサツキから放たれているように思えた。
「君は…私の能力を知っていたのか?」
その言葉にサツキは魔力…**を抑えると言った。
「いや?知らないよ?でもここに入ってから変に魔力を操りにくくなったからね。何かしているなら学園長か他の教師か…誰かだと思ってた」
「つまり私の能力は知らないで力技で退けたというわけだ…」
発覚した事実に対して学園長は考える。
(別に知っていたわけではなかった。しかし直感的に方法を理解している、だがその後「掌握」しないところを見るとやはりやり方は知らないのか…しかしそれにしてもおかしいな。彼女の魔力制御より私のほうが上のはずだ、事実あの程度の魔力なら今まで腐るほど見てきた。とてもじゃないが破れるとは思えん、とすると…)
学園長はサツキを見ながら魔力に混ざり感じた何かを見つけ出そうとした。
(…ない、一切ない、いや確かにあったはず…)
やはりというべきか、みつけることは叶わなかった。
「学園長、もうこの技?使いませんよね?」
「ああ、そうだ。元々教員には使わない。お客さまには使うがな」
サツキはその返事を聞き満足そうに頷いた。
それを見ていた学園長はサツキに対して一つ疑問を抱いた。
「結局なぜあんなことをしたんだね?」
「あ〜それは…」
サツキは語った。
曰く…魔力を制御されているのなら何らかしらの副産物、又は主な能力のうちに、軽い思考の誘導又は制御が入っているのではないか?と考えた。
だから消した、と。
そして学園長は…その内容を肯定した。
「確かに間違っていない、私ほど熟練し相手の体内魔力にまで制御に手が及ぶようになれば多少の思考誘導をできるようになる。理論としてはさまざまなルールが噛み合ってそうなるのだが、長いので省略する」
そう言って一度言葉を区切った学園長は続けた。
「ちなみに教師の担当分けの時にも2年生という学年に対しての…」
「いや、そんなことはどうでもいい。問題はそれが今私に効くのかどうかという話だ」
サツキは話をぶった斬ると問い詰めた。
「効かないしやるつもりもない。正式に教師となったものの、いやこの学園の身内になったものにはしないと決めている」
「……」
「実際今いる教師には使った事はない」
「…それは魔力の制御を止めるってこと?それとも私の中の魔力干渉を止めるって事?どっち?」
「魔力干渉を止める。だから体外魔力は扱いづらいままだが、これは必要な事だ」
サツキはしばらく考えたのちに、ため息をつくと学園長に言った。
「じゃあいいや。よろしく学園長、これから1ヶ月」
「ああ、よろしく頼んだよ」
2人は握手をした。
すまない
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次回も本編です。