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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
105/115

熱血と因果応報

長めだよ

<依頼日までこの日を含めあと7日>


「それじゃあまたねサツキ」

「うん、まあ依頼終わったら一旦この街に戻ってくるから一ヶ月後には会えるよ」

「(…僕が学園に会いに行くというのも…)」

「カイナ?なんか言った?」

「いいや?何でもないよ、それじゃあまた会おうね!」


カイナと食事を共にした2日後、カイナとガイとメリリャは護衛としてこの街を離れていった。

そしてサツキも…


(あと今日を含めて残り7日か…図書館に行ったりできれば神も探したりまあまあやることはあるな)


サツキはその足のまま図書館へ向かった。



<依頼日までこの日を含めあと3日>


この4日間調べ物をしたり、依頼を受けたり、外に出て魔力の扱い方や舌先現象(バグ)、この世界に来てわずかしかたっていないのにも関わらず壊れてしまったステータスの確認などをしていたサツキは冒険者組合にきた際に呼び止められる声を聞いた。


「サツキさん、ギルマスが話がしたいと…」

「ん?分かった。案内してくれる?」


アニカから別の受付嬢?職員にパスされたサツキはそのままギルマスの部屋へとたどり着いた。


「入っていいよ」


着くやいなやどうやってか扉の外を把握するギルマスの言葉に従って中へ入るサツキ。

そこには先日と同じように顔に微笑をたたえたギルマスが座っていた。


「何のよう?」

「…君は随分とせっかちだね。そんなに私とは話したくないかい?」

「……」


そのめんどくさい問いかけに答えず沈黙のままに圧力を強くしたサツキはどかっと椅子に座り込んだ。


「随分と苛立っているみたいだ、分かったよ。言うとしよう」


折れたギルマスの言葉にそれでいいと言わんばかりに見つめるサツキ。

ギルマスは続ける。


「王都にある冒険者組合総本部の方にいらっしゃるグランドギルマスにしっかり依頼の受注を報告して君の情報も()()()()伝えておいた。了解…とのことだ」

「じゃあこれで本当に正式に受注したってこと?」

「うん、そうなるね。ああ、それと…君の要望の件だけど…」

「ん、何だっけそれ」


この依頼を受けるにあたって自分で設定した条件をすっかり頭から忘れ去ってしまっているサツキ、ギルマスは苦笑いしながら思い出させるように言った。


「ほら一ヶ月、だろう?しっかりバルドルにも頼んでおいた。一ヶ月でカタをつけてくれってね、もちろん君の名前は出してないよ?出してもよかったかい?まあ彼も何でそうなったんだとは聞いてきたけど、それがリミットとだけは伝えておいたから」

「うん、まあどうでもいいよ。カタがつこうがつかなかろうが私の依頼は一ヶ月のみの護衛と教師だから、その後は知らない」

「まあ、そうだね。依頼に忠実なのはいいことだ」


少し皮肉が混ざった一言を受けてもその通りですけど?と言う態度を崩さず堂々とするサツキ。

ギルマスにとってここまで素直で図太く唯我独尊的な生物は初めてだった。


「そういえば教師として教えられそうかい?」


サツキを知るための一言、しかし彼女を押しはかるのは難しい。


「とりあえず1クラスもらう。話はそこからだね」

「え?何だって?」

「育てるのに他の教官も他の冒険者も傭兵も邪魔なだけ、実技の時間は全部私がもらう」


清々しいまでのクラス私物化宣言、これを受けギルマスは思った。


(私兵でも作るつもりなのかい?)


案外サツキは教育熱心で熱血系なようである。


……


あの後も、本当に他愛のない話をして一階に降りてきたサツキは少し怯えるアニカにペコリと挨拶をした後出口の方へ歩いていった。


「アイツ、ギルマスにまた呼ばれてやがったぜ」

「ふむ、僕の見立てによるとおそらくあの子は冒険者のふりをした娼婦なんじゃないかと思ってるんだ」


そんな時サツキの向かう方向にいる、女を侍らせた男と弓矢使いと思われる男が周りに聞こえるような声でそう喋り始めた。

…サツキは気にせず前へ、言い方を変えると彼らの方向へ進む。


「何でそう思うんだぁ?」


弓矢使いの男は知っているものが知らないふりをするかのようにわざとらしく聞いた。


「その冒険者もどきは数日前この依頼ボードの前で僕が声をかけてやったんだ。だけどその人ははあなたなんて知りませんと言うふうな態度をとったんだぞ?ここの冒険者ならば全員が僕のことを知っているのに。それにそれにだ。僕の誘いを断ったんだぞ?この僕の!!しかも!彼女はその時確かにランクはGだったのにだ!ギルマスの部屋から帰ってきてみれば…何と驚きのCランク!いや~…一体これは…どぉ言うコォとなぁんダァローねぇ?」


最後の一言を歩いてきたサツキに浴びせるように顔を近づけ至近距離で嫌味ったらしく、ネチネチとした感じでいうその男。

サツキは足を止めた。


「サルスさん、それって一体どこの女なんだぁ?」

「おいおい、友よ、僕は決して女なんて言ってないぞぉ?」

「あれま、そうだっけな!じゃあ一体どこの冒険者で一体どこの娼婦なんだろ〜」

「おいおい、友よ、冒険者に娼婦の技術でギルマスに取り入るアバズレなんているわけがないだろう?そう、思うよね。サ・ツ・キ・さんっ!(娼婦さん!)


…サツキは別に怒っていなかった。優秀な生物に嫉妬はつきものだ。サツキは常にその目線、僻み、嫌がらせを受け続けてきた。

只今まで一度たりとも怒ったことはなかった。それどころか気にしたことすらもなく、そのことに対して報復したこともなかった。

それは地球でのサツキの基準がというより思考の前提として「会話の通じない人は人でない」というものがあったからである。

人でないもの、知的生命体以外にキレたところで無駄でしかなく何の意味もない。

そしてそれは今も存在するがそれよりも何よりも今サツキの基準で最も上にきているものは…


「悪意には悪意を、全て受けた物、その通りに」


静かに、サツキは顔を上げると戯言を抜かし虚言を押し付ける()()()()()()に対し笑った。

その笑みを見てサルスは言う。


「悪意を、返すよ?」

「は?何を言って…そうか!それも娼婦の技か!バレたら今度は僕達にっ…!」


サルスの背後から()()()()()()()()()()()が彼に向かって襲い掛かった。

彼が一番嫌なこと


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次回も本編です

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