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ふいに秀人がゴソゴソと動き、やがて和花とパチッと目が合う。


「ん、和花おはよう」


「お、おはようございます。佐伯さん、私……」


「昨日のこと覚えてる?」


自分の考えていることが秀人に伝わってしまったのではないかと思い、和花の心臓はドキリと跳ね恥ずかしさに頬もピンクに染まっていく。


「な、何となく。ちょっと曖昧なような」


「酔っぱらいに手を出すのは何だか卑怯な気がしたけどあまりにも和花が可愛いから」


そう言うと、秀人は和花の腰に回っている腕でぐいっと和花を自分の方に引き寄せる。そしてそのまま和花の頬に優しく口づけた。


「佐伯さん……」


「昨日はいっぱい秀人って呼んでくれたのに、もう忘れちゃった?おしおきだな」


「ひゃあっ」


腰に回っていた手がさわさわと和花の体のラインをなぞる。繊細な触れ方に体の奥が疼きそうになって和花は逃げようと身をよじらせた。


「あっ、待って」


「名前呼んでくれるまで待たない」


「んっ、あっ、秀人さん」


やっとの思いで秀人の手の動きを止めた和花の瞳は水分たっぷりにうるうると潤んで、逆に艶かしい。


「和花、僕のこと煽りすぎ。やっぱり待てないんだけど、和花は嫌?」


「だ、だって、シャワーとか。汗いっぱいかいてるし」


「大丈夫だよ、僕は視力悪いから何も見えない」


「そうじゃなくてっ」


「ん、あとで一緒にシャワーしよう。酔ってた和花も可愛かったけど、酔いが覚めた和花も色っぽくて好きだな」


甘い言葉は心の栄養のように、すうっと和花の気持ちを楽にさせる。秀人の和花を見つめる瞳が優しすぎてそのまま引き込まれそうになった。


「……秀人さんはいつもかっこいいです。大好きです」


「和花のこと、愛してるよ」


近づく顔にそっと目を閉じる。

優しく柔らかな感触はもっともっとと相手を求めて離さない。どっぷりと愛に溺れた二人はしばらく甘い時間を過ごした。


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