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そんな和花の緊張を感じ取ったのか、秀人の口調はいつも以上に柔らかい。


「大前提として、請負はこちらから支給することはしないで欲しいものがあれば各社で準備するものです。何か買ってくれと頼まれましたか?」


「……いえ、あればくださいって言われて。ダメでしょうか?」


「そういうのはいいと思います。何もあげるななんて厳しいことは言いません。ただ、こちらが先回りして買ってあげることはないですよ。橘さんの優しい気持ちは伝わっていますから」


目元をゆるりと下げながら、秀人は「ね」と軽く微笑む。


その瞬間、和花は得も言われぬ感情に支配され、泣きたくなった。


メールの文章だけで秀人を冷たいだなんて思ってしまった自分を恥じる。秀人は和花が思っていたよりもきちんと和花の気持ちを考えてくれていたのだ。


(やっぱり佐伯さんは優しい)


感動すると同時になぎさにも弁解しておかなくちゃなどと考え、和花の気持ちは一気に弾んだ。そして、こんなことで一喜一憂する自分にも少し苦笑いするのだった。

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