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お腹いっぱい食べてもまだ肉が余った。綺麗にラップでくるみ、冷蔵庫に入れる。

二人で片付けつつ、並んで洗い物を始めた。


(新婚さんみたい~)


和花の心のテンションは爆上げだ。家事をする秀人を見ることすら貴重だと思うのに、ここは自分の家で隣に秀人がいて……。和花の幸せメーターが振りきれそうになっている。


「お肉余っちゃいましたね。佐伯さん持って帰りますか?」


「和花が食べなよ。和花がビンゴで当てたんだし。それに俺は料理苦手だから」


「じゃあまたご飯食べませんか?牛丼とかどうですか?」


「作ってくれるの?明日?」


「え?あ、そうですね、早く食べないと腐っちゃうし。ええっと、連日でご迷惑でなければ」


「迷惑なわけない。また明日も和花に会えるなんて嬉しいよ」


そんな風に言われて嬉しくないわけがない。嬉しくてたまらないのに、和花はどう反応して良いかわからないでいた。ただうっすらと頬をピンクに染める。


秀人はそんな和花の姿をいじらしく思った。


秀人は今まで良い恋愛をしてこなかった。恋人がいたこともあるが、今ほど幸せな空気感になることはなかったように思う。相手から言われてまあいいかと付き合うパターンばかりだったため、“好きだ”“可愛い”“綺麗だ”といったような褒め言葉を口にしたことがない。


和花のまとう柔らかい空気感は、自然と秀人から愛の言葉を口に出させるのだ。それほどまでに、秀人は和花のことを大切に思っている。


(これが人を好きになるということなのか……?)


初めての感情に、秀人自身も気持ちが揺さぶられていた。



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