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「うん、旨い。肉もそうだけど、この割り下の味付けが絶妙だね」


「ありがとうございます」


昨日お料理サイトですき焼きの人気レシピを検索して吟味した甲斐がある。秀人に褒めてもらえるならいくらでも頑張れる気がした。


「それにしてもこんな美味しいお肉、絶対高いですよね」


「他にもカニとかメロンとかあったけど、富田さん大盤振る舞いだね」


「そのお金で結婚式できそうなのに」


「彼女は自分のことより人に世話やくタイプだから、ありがたく受け取ろう」


「確かに、めちゃくちゃお世話になってます」


和花が真剣な顔で言うので、秀人は思わず吹き出してしまった。


「ははっ。お世話してるの間違いじゃないの?いつも富田さんに頼られてるのは和花でしょ?」


「そんなことないですよ。あー、まあよく備品は貰いに来ますけど。でもやっぱりなぎささんは頼れるお姉さんです。入社のときからずっとよくしてもらってるんです」


「そっか。そんな時から和花と富田さんは知り合いだったんだ。なんか妬けるよね」


「やける……?」


和花はすき焼きの鍋を見る。グツグツと音を立て割り下が煮え立っている。少し火を緩めると落ち着き、割り下がだいぶ減っていた。


「お肉が焼けちゃうから少し割り下足しましょうか?」


平然と言ってのける和花に、秀人は口元を手で押さえて横を向いた。プルプルと肩が震えている。


「佐伯さん?」


「いや、ごめん。ははっ、面白くて。和花って天然なの?」


「えっ?天然?どこがですか?」


「ははっ!もうダメ、和花が可愛すぎる」


秀人はお腹を抱えて笑いだし、和花は理解できずにきょとんとしている。けれど目の前の秀人がこんなに楽しそうに笑ってくれるならまあいいかと、和花も笑顔になった。


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