表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/100

068

「ほんとボケボケです」


しゅんと項垂れる和花に秀人は微笑む。


「うん?そんなに落ち込むこと?」


「だって準備万端だと思ったのに」


「そっか、和花は真面目だね」


「ひゃうっ」


突然名前で呼ばれ、和花は変な悲鳴を上げた。みるみるうちに顔がピンクに染まっていく。


「どうしたの?」


「いや、名前で呼ばれたので。その、驚いたというか……」


「名前で呼ぶのダメ?」


「ダメじゃないです」


「せっかく恋人になったんだし、僕のことも名前で呼んでほしいけど」


甘く顔を覗き込まれ、和花は心臓が跳ねる。“ひでと”とたった三文字口にするだけなのに、思わぬ勇気がいった。心の中では“秀人さん”と何度も繰り返すことができるのに、どうにも声に出せない。和花は真っ赤になりながら、


「れ、練習しておきます」


と恥ずかしがった。

秀人はウブな恋人に声もなく微笑む。


二人で近くのコンビニまで歩いているだけなのに、隣に恋人がいることのあたたかさを感じさせてくれ幸せな気持ちになった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ