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幸い健康管理室は同じ建屋に入っていたため、すぐに産業医と看護師が和花の元に駆けつける。
秀人は的確に状況を説明し、その後和花は健康管理室へ運ばれていった。
それを見送りほっとしたものの、和花の苦しそうな泣き顔は秀人の脳裏に焼き付いて離れなかった。
胸ポケットに入れている携帯電話が震えだし、秀人ははっと我に返る。
「はい、佐伯です」
「林部だけど、今日の打ち合わせ忘れてる?」
「いえ、遅れてすみません。今向かっているところです」
今日の打ち合わせ相手である林部が、秀人がなかなか来ないことに痺れを切らし電話をかけてきたのだ。
そういえば先程の彼女の社員証は“システム部門”と所属が書いてあったことを思い出す。林部にもこのことを報告しなければと、秀人はそのまま五階まで階段を駆け上がっていった。