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静かに聞いていた秀人だったが、心の内では三井に対してふつふつと怒りがわいてくる。

こんなナンパまがいのことをされているのに、和花は三井のことを悪いようには言わない。和花なりの相手に対する配慮なのだろうが、それが余計に秀人をイライラさせた。


「HOKUTOシステムとは契約を切りましょう」


「そんな、大げさです」


「確かに重要な取引先ですが、橘さんの心の方が重要です。橘さんを泣かせるような会社との取引はいりませんよ」


自分でもなぜここまで怒りがわくのかわからなかったし、こんなにもあっさりと契約を切るなどと口にしたのは始めてだった。とにかく秀人にとって、三井が和花を泣かせたという事実が許せなかった。


「これからは橘さんの送り迎えをします。これ以上ストーカーされたら大変ですから」


「いえ、大丈夫です。そこまでしていただかなくても……」


「いえ、ダメです。ここは譲れません」


和花がどんなに断っても秀人は頑として受け入れない。和花は困り果てて眉を下げた。


「ボディーガードだと思ってもらえばいいですよ」


「そんな、贅沢すぎます」


頼もしい秀人の言葉に、和花はまた静かに涙を流した。それは喜びの涙だった。



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