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翌日顔を合わせた二人は至ってクールに挨拶を交わした。一緒に帰ったことや贈り物をしたことなどまるでなかったかのように。


お互い仕事に真面目でそれなりに忙しいので、社内では必要なこと以外は話さない。和花は斜め前に座る秀人をチラリと見てはほうっと人知れず息を吐いた。


男性不信はだいぶ克服している。

だけどそれを差し引いても、やっぱり秀人は特別だと思うのだ。


真剣な表情がかっこいい。

落ち着いたしゃべり方は周りを安心させる。

ほんのり目元を緩めて微笑む姿も優しくてキュンとする。


(もっと佐伯さんのこと知りたい)


そう思うも、恋愛経験の乏しい和花はこの先どうすればいいのかわからない。日々淡々と仕事をこなすまでだ。


ふいに外線電話がなって和花は我に返った。小さく咳払いをして頭を仕事モードに切り替える。外線電話の取り次ぎも和花の仕事だ。


受話器を当てると丁寧な声が聞こえた。


「お世話になっております。HOKUTOシステムです」


「はい、いつもお世話になっております」


和花も丁寧に受け答えする。すると受話器の向こうで小さく「あれ?」と声が聞こえた。


「その声は橘さん?」


「あ、はい」


「やっぱり!君の声は可愛いからすぐわかるよ」


「……ありがとうございます」


和花は唇を噛みしめながらも失礼のないように答えた。HOKUTOシステムの三井は性懲りもなく馴れ馴れしく和花に話しかける。和花は嫌な気持ちになりながらも、電話越しでよかったと内心ほっと胸を撫で下ろした。


だが──。



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