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本当に三人で帰るのだろうかと若干緊張しながら待ち合わせのエントランスまで行くと、すでに秀人が待っていた。


「お待たせしました」


「いえ、今来たところですよ」


その言葉を聞いて、やはり一緒に帰るんだと改めて実感する。


「なぎささん、遅いですね」


「彼女は自由人だからね……」


などと二人でクスクス笑っていると、バタバタと走ってなぎさがやってきた。


「ごっめーん、お待たせ。待たせといて悪いんだけど、一緒に帰れなくなっちゃった。だから佐伯くん、責任もって和花ちゃん送ってって」


『えっ?!』


また二人驚いてハモる。

なぎさは両手を合わせると申し訳なさそうにペロッと舌を出した。


「仲良しの同期の頼みでしょ。旦那が迎えに来てくれるっていうからさ、二人で帰ってー。じゃあねー!」


言うだけ言って嵐のように去って行くなぎさを、二人はその場でポカンとただ立ち尽くして眺めているだけだった。

やがて我に返った秀人がぽつりと呟く。


「……あいつ、謀ったな」


「え?」


「いや、なんでもない。帰りましょうか」


何事もなかったかのように歩き出す秀人を追いかけるように、和花も慌てて歩き出す。


最寄り駅までの歩道は等間隔に街灯が並び、それほど暗いわけではない。人通りは少なく、確かに一人で歩くには少し不安がつきまとう。


だが今日は秀人と一緒だ。

秀人の横に並んで歩いているというだけで、こんなにも安心感が得られるものなのかと和花は心密かに感動した。



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