表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/100

002

和花の働く執務室はビルの五階に位置する。


出勤退勤時は必ず階段を使う和花だが、来客に階段を使わせるわけにもいかずエレベーターを使うことになる。


だがもう何度目かのエスコート。今日も何事もなく乗ることができた。この調子なら普段の移動もエレベーターに乗れるかもしれない。和花は胸の前で拳を握り、そう自分自身を奮い立たせた。


「橘さん、帰りもエスコート頼むよ」


連絡を受け、和花は会議室へ急ぐ。

待っていた三井にペコリと頭を下げると、また三井と共にエレベーターへ乗り込んだ。一階まで送り届け挨拶をするまでがエスコートの仕事なのだ。


カツカツと廊下を進みエレベーターの前まで来る。普段と変わりなくエレベーターが到着し、そして三井と共に乗り込み扉が閉まる。


と同時に、


「ねえ」


と声をかけられ和花は驚いて肩を揺らした。


小さく振り向くと三井は和花のすぐ近くまで寄っていて、和花はその近さに思わず後退りをした。けれど和花の背中はすぐに壁についてしまう。


「君すごく可愛いね。よかったら連絡先交換しない?またチーム長にもお世話になるだろうし、良い関係を築きたいなぁ」


チーム長に挨拶していたときの丁寧さはすっかり消えていて、和花と二人きりだからだろうか、営業スマイルが消えてニヤニヤと馴れ馴れしく近寄る。


逃げ場を失っている和花が恐怖で震えそうになったとき、ちょうどエレベーターが一階に着いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ