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「でもそんな頭のいい人、逆に緊張してしまいますよ」


「チッチッチッ、甘いわ和花ちゃん」


萎縮する和花に、なぎさは人差し指を突きつけるとドヤ顔になった。


「ん?」


「佐伯くんはエリートもさることながらイケメンなのだよ」


「そうなんですか?なぎささん詳しいですね」


「佐伯くんは実は同期なの。同期の中でも飛び抜けて優秀で、一番出世してるのよ」


「へえー」


「私たちの間でも一目置かれてるし、むしろ同期なのが誇らしいくらいよね。林部さんが自慢するのもわかるわ」


「ふーん」


「もー、和花ちゃんさあ、もう少し男性に興味持ちなよ」


「いや……」


「わかってるわかってる、和花ちゃんには通りすがりの王子様がいるもんね」


なぎさには少し話してある。

気分が悪く過呼吸になってしまったあの日に助けてくれた男性社員のことを。あの日以来出会うことのない名も知らない男性の存在は、いつしか和花の心の支えになっていた。そしてそれをなぎさは“王子様”だと囃し立てるのだ。


「でもさ、そんな誰かもわからない人だけじゃなくて回りにも目を向けなって。世の中良い男もいるんだからさ」


「それはわかってますって。これでも克服した方なんですよ」


「和花ちゃんもいい人に出会ってほしい。私みたいに!」


なぎさは左手の薬指にはまる指輪をキラキラと輝かせた。

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