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刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。  作者: 木山楽斗


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52.迷える心⑧

 リルフは、母親に近づいていく男達を見つめていた。

 これから何が起こるか、それを理解して、彼または彼女は自らの心の奥底から何かが湧き上がってくるのを感じていた。

 それは悲しみなのだろうか。自らの母親にこれから起こる悲劇に対して、リルフは悲しんでいるのかもしれない。

 あるいは怒りなのだろうか。自らの母親を苦しめる者達へ、リルフは怒りを感じているのかもしれない。


 どちらにしても、リルフの中にある感情は、たった一つの結論を導き出していた。

 母親を助けたい。リルフが理解したのは、ただそれだけだった。

 自分が無力であることを、リルフはひどく悔しく思った。それもまた悲しみか怒りかわからないような感情である。


 もっと体が大きければ、もっと力があれば、リルフは自らの姿に、自らの力に対して悲しみと怒りを覚えた。

 そう、例えば、あの本で見た竜のように、自分の体が大きければ、今この場にいる悪い人達を助けて、母親を助けることができるのに。

 そう思った瞬間、リルフの中にある光景が広がってきた。それが自分自身であると、竜はすぐに理解した。


 あれは未来の自分の姿。いや、それとも、過去の自分の姿なのだろうか。そんな疑問を覚えつつも、リルフはそれをどうでもいいと思った。

 今重要なのは、疑問ではない。母親を助けることなのだ。だから、リルフは口を開いた。自らの姿を変える言葉を、いつの間にか思い浮かんでいたその言葉をゆっくりと放っていく。


「エボリューション……」

「……何っ!?」


 次の瞬間、リルフの体は光り輝いた。そして、その体は変化していく。

 押さえつけていた男を吹き飛ばし、その小さな体は何倍も大きくなる。

 大きな体、トカゲのような顔。四足の足に翼や尻尾。その姿は、正にリルフがかつて本で見た竜の姿だった。

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