表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。  作者: 木山楽斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/100

29.変身の謎⑦

「う、ううん……」


 私は、ゆっくりと目を覚ました。

 最初に感じたのは、重さである。腕にしっかりとした重みを感じるのだ。

 それがなんなのかは、すぐにわかった。リルフが、人間の姿になったのである。


「あ、人の姿は、昨日のままなんだ」

「すぅ……」


 まだ寝息を立てているリルフを見つめながら、私はあることに気づいた。

 昨日、リルフは体色を青色に変えた。結局、寝る時までその色だったのだが、今の人間の姿は、昨日とまったく変わらないのだ。


「まあ、夜に何があったかは、わからないし、なんとも言えないかな?」

「すぅ……」


 リルフの頭を撫でながら、私はあまり気にしないことに決めた。

 夜に何があったかなんて、私にはわからない。ぐっすりと眠ってしまっていたからだ。

 そんなことを気にしても仕方ない。その辺りのことは、ミルーシャに聞いてから考えればいいのだろう。


「んっ……」

「あっ……」

「あうっ……え? あれ?」


 そんなことをしていると、リルフが目を覚ました。もしかしたら、起こしてしまったのだろうか。だとしたら、少し申し訳ないことをしてしまった。

 目を覚ましたリルフは、自分の変化に驚いていた。眠っている間に、人間になることはある程度予測していたとは思うが、それでも驚いているだろう。


「……ボク、また人間の姿になったんだね」

「そうみたいだね」

「眠っている間に変化したり、水に浸かって変化したり、ボクの体は本当に不思議だね?」

「……ええ、そうね」


 リルフは、少し自虐的とも思えることを言った。しかし、その表情は笑顔なので、私は大丈夫なのだと思った。

 この子の中に、不安が亡くなった訳ではないだろう。きっと、それは根深く残っているはずだ。

 だが、それでもある程度踏ん切りはついているのだろう。今の表情を見ていると、そのように思える。

 だから、私もリルフの言葉に同意した。あまりこちらが注意するのも違うと思ったので、そうするべきだと思ったのだ。


「そういえば、お母さん、頭撫でているね?」

「あ、ごめんね。リルフの顔を見ていたら、自然とそうしたくなっちゃって……起こしちゃったよね?」

「いや、そんなことはないよ。多分、起きたのは単純に時間だと思う」

「あ、そうなの?」


 そこで、リルフは私が頭を撫でていることを指摘してきた。

 それで目覚めてしまったのかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。私に気を遣っている可能性はあるが、自然に目覚めただけのようだ。


「お母さんに撫でられるの……好き」

「え? あ、そうなの?」

「うん、気持ち良くて、安心する……」


 リルフは、うっとりとしていた。その言葉通り、私に撫でられているのが気持ちいいようだ。

 まだ半分寝ぼけていることもあるのだろう。すごく蕩けた表情だ。その表情が、たまらなく可愛いと思ってしまうのは、親バカというものなのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ