24.変身の謎②
「リ、リルフ……」
「ピ……ピィ?」
リルフは、小さな姿に戻っていた。服の中から頭を出しながら、リルフ自身も目覚めて驚いている。
「ピィ、ピィピィ?」
「うん、姿が戻っているね……」
「ピィ……ピィ?」
「どうしてなんだろう? もしかして、睡眠が鍵なのかな?」
リルフが姿を変えたのは、どちらも眠った後のことだ。ということは、この子は眠ると姿を変えるということになるのではないだろうか。
しかし、どうして眠ると姿を変えるのかということはわからない。何の意味があって、姿を変えるというのだろうか。
「ピィ……」
「あ、そうだ……リルフ、少し待ってね。今、メルラムのメモを見てみるから」
「ピィ!」
そこで、私はメルラムがくれたメモのことを思い出した。もしかしたら、そのメモに何か手がかりがあるかもしれない。
私は、部屋の机に置いてあったメモを見る。その中には、竜が人に変身するという記述を発見した。
ただ、メモにあるのはそれだけである。どうして変身するのかといった重要な部分については、わからないようだ。
「まあ、それ程竜と親しい人がいたなら、伝説上の生物にはなっていないか……」
「ピィ……」
メモに書いてあることは、メルラムが本で読んだことである。その本に、竜の変身方法が詳しく書いてあるなら、竜の存在は証明されているはずだ。だから、メモに書いていないのは当然のことなのかもしれない。
「うん? 竜は魔法の扱いに長けている?」
「ピィ?」
「人類が扱うことができないような魔法でも、竜には使える……」
そこで、私は気になる記述を見つけた。竜は、魔法の扱いに長けているそうなのだ。
とりあえず、リルフが竜であることは前提とする。竜であるならば、当然リルフは魔法を使えるということになるだろう。
もしかしたら、変身というのも魔法によるものなのかもしれない。魔法に関しては、そこまで詳しくはないのだが、その可能性は低くないだろう。
「でも……」
「ピィ……?」
「いや、リルフなら……」
ただ、魔法というものは、そんなに簡単に扱えるようなものではない。少なくとも、生まれたばかりの子供ができるようなことではないのだ。
しかし、リルフは生まれた時から色々な知識を持っている。変身する魔法も、もしかしたらそういうことなのかもしれない。
「うーん、でも、リルフがそう望んでいたという訳でもないよね?」
「ピィ……」
「無意識で、魔法を使っているのかな?」
「ピィ?」
「まあ、考えてもわからないか……」
「ピィ……」
色々と考えたが、結論は出そうにない。という訳で、私はリルフとともにベッドに寝転がった。
わかないことを考えるよりも、この子と遊ぶ方がいいだろう。その方が、時間を有意義に使えるというものだ。
こうして、私はしばらくリルフと遊ぶのだった。




