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第八十話 男村からの強制恋愛

後半、従魔視点の話になります。

タグの『ハーレム?』を少し回収しています。

夜の営みについてもオブラートに包んで書いてますが、苦手な方はご注意ください。

削除が怖くて何重にも包んでいますので、多分大丈夫だと思います!

 ラビくんからの冷たい視線をかわしつつ中継地点に帰還する。


 中継地点では、広く開いた落とし穴があった場所には、大部屋を主体に管理者用の特別個室をつけた二階建てを建造していく。

 それ以外にも井戸やスライムポットン式トイレを使用した公衆トイレに、馬車の収納倉庫と厩舎なども。


 防衛設備は、荊で封鎖した周囲の木々の補強をし、四方に大木に偽装した物見櫓を設置する。

 東西にある唯一の出入り口の両側に頑丈な支柱を立て、頑丈な門を設置した。西側は洞窟周辺からあふれ出てくる魔物対策に、東側は村を経由してくる人間対策に。


 ゆえに、中継地点は人間に対応できる人間と、戦闘技術を持っている人間が主に住むことになる。家事奴隷などの支援役もいるが、全て男しかいない奴隷男村である。


 勤務地は迷宮だったり農園だったりするため、森の小道を通って出勤する。移動には出勤用に馬車を使ってもいいから、そこまで過重労働ではないはずだ。


 でも朝は、森の小道内を徘徊しているだろう魔物退治をしながらの出勤になるだろう。


 今日はもう遅いから、VIPルームのお掃除をして闇魔術の習得を優先しよう。早く終わればタマさんの指示したセルフ拷問と、従魔の希望スキル付与を行う予定である。

 隷属魔術を習得しないかぎりは牢屋が片づかないし、一向に旅立てないからだ。


 ちなみに死体は全て、従魔たちの眷属用に取っておいて欲しいと言われた。何かしたいことでもあるのだろうと思い快諾する。


 あとこの頃にはカーさんも合流し、自分のカードに捕虜たちの全財産を移す作業を行っている。

 アイラさんたちが見物に来たカーさんの目の前に机と椅子を置き、カードが詰まった木箱と空き箱を置いたからだ。

 休憩することなく一心不乱に作業をさせられている姿を不憫に思うも、やってもらわねば出発できないのだから仕方がない。


 そんなカーさんを横目に見ながら、従魔たちに頼んで一人ずつ地魔術で創った個室に連れて行く。個室は天井がなく、空から覗ける仕様になっている。

 さらに二階建てになっており、二階部分はスキルを吸収する部屋を兼ねているから見えないが、一階部分は檻に入っている捕虜にも見えるように水晶製になっている。


 つまりは、公開処刑である。


 反抗すると問答無用で輪廻行きですよ、ということを示すためでもある。なんせ未成年の子どもだから、まだまだ舐められているのだ。


 その心を折るためには、頭がイカレている狂人と思われた方がいろいろやりやすい。


 狂人を示し、死体を綺麗に残す必要があるなら、やっぱりスライムの刑かな。最弱と言われる魔物にやられて死ぬという、屈辱的な死である。名誉の死などを与えてあげるつもりはない。


「奴隷商の幹部さん、何か言い残すことはありますか?」


「家族を……家族を……!」


「その気持ちを少しでも他人に分けてあげられてたら、こうはならなかったかもしれませんね」


 恒例のハングドマンの刑である。


 ただし、今回は特別バージョンの全身ドボンの、逃げ道がない仕様になっている。

 全裸で逆さ吊りされている状態から、スライムがギリギリまで入った水槽に頭から落ちていく。


 《鑑定》で死亡を確認した後、ロープを引いて死体を上げる。神器に入ったままのスキルを吸収し、神器を使って闇属性を獲得したら、死体の劣化を防ぐために《ストアハウス》に収納する。


 これをクソババア、警備員、代官、団長と繰り返した。スキルは事故で殺してしまった者が、《窃取》というユニークスキルを保有しており、まさかの当たりスキル。


 クソババアは光属性で、ラビくんゴリ押しの警備員の《性技》に、代官の《複製》スキル。どちらもユニークで、ボスは当たりをドロップする傾向にあるらしい。まぁ団長はノーマルの《騎乗》だったけど。


 奴隷商組合の幹部が召集した傘下の奴隷商も、当然水槽行きだ。組合本部に連絡されても困るし、まともな奴隷商ではないからである。


 このとき予期せず《按摩》を得たのは嬉しかった。ラビくんをモッチモチして、習熟していこうと思う。


 VIPルームと奴隷商のお片付けが終了したら、中継地点の奴隷男村予定地から奴隷本村がある洞窟に移動する。


「明日また来ますから、檻の中で大人しくしておいてください。少し怖いかもしれませんが、通路を封鎖しておくので、多分大丈夫だと思います!」


「そんな……!」


「メシは!?」


「私だけでも! 体には自信があるの!」


 などなど、言い募っている。全て無視するけどね。


 だけど、体を使って助命嘆願を願っていた女性陣は、従魔たちの威圧で卒倒していた。もちろん、周囲を巻き込んで。


 レニーさんの怒りを経験してる身としては、見て見ぬ振りをするしかないと判断して、洞窟に向かって歩き出す。カーさんもカード地獄から一時的に解放されると喜び、軽い足取りで洞窟に向かっている。


「みんな、これから移すよ!」


 神器で能力を移すと言って注意を引く。


「はーーい!」


 俺の言葉に素早く反応したイムさんは、元気いっぱいに返事をして駆けてきて、ガシッと俺の左腕に抱きついた。可愛い子である。疲れが軽減される気がする。


「ズルいぞ!」


「抜け駆け禁止だ!」


「そうですよ。だから右腕はもらいます!」


 直後、ふにょんという感触が体を突き抜ける。だが、顔色を変えてしまえば第三次災害大戦が勃発してしまう。


 どうすれば……。


「主様、いかがですか?」


 何がだよ……。


『ラビくん、助けて!』


『素直に答えればいいんだよ?』


『大戦が起きるでしょ?』


『大丈夫だよ! ……多分』


『不安!』


「主様……?」


 悲しそうな顔をしないでくれ……。


「嬉しいよ」


『それだけーー?』


『しょうがないじゃん!』


『いつも一緒にお風呂に入っているんだから、抱きつくくらい普通だって!』


『……それもそうだね。でもレニーさんたちの目つきが怖いよ?』


『気のせい!』


 ……覚えてろよ。モッチモチの刑に処してやる。


 両手に花状態で洞窟に戻ると、アイラさんたちがカーさんの目の前にカードセットを置いた。


「またーー!?」


 という文句を言いながらも黙々と作業を始め、俺たちは神器大会とセルフ拷問を行った。


「――ッ!」


 本当に痛いときは声すら出ないというのは本当なんだね……。今までとは次元が違うよ……。


 全てはモフモフの王様のために。


「モフモフ……モフモフ……」


 終わった頃には疲れ果てて何もやる気は起きなかったが、晩御飯を作ったりお風呂に入ったりと、あと少ししかできない洞窟での生活を楽しんだ。


 寝る前にわけの分からない薬をタマさんとラビくんに飲まされ、早々に眠りに就いた。薬はスキルを体に定着させたり、魔力量で体が壊れないようにさせたりする効果があるらしいが、本当かどうかは不明である。


 たまに地獄の刑務官になるコンビだからというのもあるし、何故か鑑定させてくれなかったからだ。


 まぁ薬のせいか、気絶訓練をやるくらいの体力が戻り、無事に日課をすることができた。



 ◇◇◇



「ラビ殿、約束は覚えているだろうか?」


「もちろんだよ! だから、レニーさん睨まないで!」


「だが、危うくバレそうになったぞ?」


「だって……『純粋』とか言うんだもん……」


「純粋だが?」


「え? どこが? 気絶しているアークに、毎晩添い寝と称した夜這いをする人たちを、純粋とは言わないんだよ?」


「純粋な愛を持っているから問題ない。それよりも、何故毎回顔をガードしているんだ? 唇を堪能できないではないか」


「……ガードしてるわけじゃないよ? ぼくの定位置だもん! 首から下は譲ってるじゃない! それに順番決めで喧嘩するでしょ? さすがにアークが起きちゃうと思うな! というか、黙ってこっそりじゃなくて、ちゃんと気持ちを伝えればいいと思うんだ! きっと喜んでくれると思うけどな! ……多分」


「魔物とはイヤだと言われたら関係が壊れてしまうだろ? だが、人間の姿を得てからは歯止めがきかなくなったのだ。悪いとは思ってるが、内緒にしてくれる約束だろ? お互いの秘密を守るという約束は厳守してもらわなければな」


「お詫びに希望のスキルを取らせたし、派生を促す神薬も飲ませたでしょ?」


 何でこんなことに……。


 あの添い寝が始まってから女性陣の機嫌がいいから、何事かと思って夜中に薄目を開けてみれば、衝撃的な光景が目に飛び込んできた。


 何とは言わないよ?


 でも、いいのかな? って思ったわけよ。そしたら、いつかのタマさんみたいなことを言い出したわけ。


 お互いの秘密を守る協定を結ぼうと……。


 ぼくはこんなんでも一応【霊王】だよ? 内緒にしているから名前を出したくないけども。だけど、少しは忖度してくれてもいいと思うんだ!


 まさか二度目の脅迫とは……。


 しかも、タマさんやオークちゃんとの女子会でも話が出ていて、オークちゃんは本当に愛しているならいいと言ったそうだ。


 逆に強い者はモテるから、競争に勝つためにはそれくらい積極的でないといけないと。だから、今から唾をつけておくそうだ。


 ……それって野生の話じゃん。


 獣人の成長速度が仇になっているね。それに加えて、神族は全ての種族と子を成して人間を増やすように創られているから、レニーさんたちに有利に働いている。


 タマさんは条件付きで許可を出したそうだ。冒険に支障を来さないという条件で、『予防の薬』を飲んでいるらしい。


 ……止めろよ! 何してるんだよ!


 タマさんの主張も分かるけど、まずは本人に気持ちを伝えることが大事じゃないの? ぼくだけ? ぼくがおかしいのかな?


 タマさんは、どこぞの有象無象が寄ってきた場合、ほとんどが紐付きで面倒だからだそうだ。ドロン酒など秘密が多いから、頻繁に恋愛ができそうにない。


 しかしアークにも幸せになってもらいたい。


 というか、強制的にでも恋愛させないと、ずっとスキルの習熟をしてそうで怖い。

 幸い、種族を考慮しなくてもいい神族だ。レニーさんたちも美人だし、絶対に裏切ることもない。四人で仲良く共有するなら問題ないと、あの鬼畜天使は考えたわけだ。


 今もエルフ娘たちが観覧しながら、もみくちゃになっている。エルフ娘たちはアークに性行為を解禁されているけど、タマさんの危惧する紐付きだ。


 エルフは本国から精霊樹が植えられそうな場所に部族単位で派兵されて、そこに住み着いて精霊樹の所有権を主張するのだ。

 この森ではカーさんが、もうまもなく植える予定だったそうだが、エルフの愚かな行為で撤退をするはめに……。


 精霊樹の確保が失敗したエルフは本国に帰り、別の地域に送られるそうだ。だから今もエルフの国の所属である彼女たちは、タマさんに信用されていない。生殺し状態である。


 これを解決する方法は、首輪ではない本物の隷属魔術の使用だ。エルフたちは勉強しながら待っている。すでにレニーさんたち同様根回しは終わっており、隷属魔術を受けたあとは加わる了承を得ていた。


 そしてぼくはアークの顔面の上に座って待機している。戦争が起きないために唇をガードしているからだ。


「……喧嘩しなければいいのか?」


「アークに言う気はないんだね?」


「うむ。バレたときは素直に謝ろう」


「でもでも! アークに髪の毛撫でてもらいながらとか、きれいだねって言いながらしてもらいたいって思わないの?」


「思うに決まっている!」


「ご……ごめん!」


 怖いよ……。


 アークごめん! 洞窟への帰り道、大丈夫とか適当なこと言って! もう言わない!


「……順番が決まったら教えて。覚悟を決めているなら、もう何も言わないよ……」


「うむ。集合! ジャンケーン……ポン!」


 アイラさんが一番か……。めちゃくちゃ喜んでるから水を差したら死ぬな……。


 我が家の女性陣は怖すぎるよ。


「どうぞ、楽しんで。終わったら、ぼくを顔面に載せといて。バレちゃうからね」


「うむ。任せよ!」


「おやすみ……」


 アーク、たくましく生きてくれ!



 ◇◇◇



お読みいただき、ありがとうございます!

ブックマーク登録と評価に感想まで……。毎日嬉しく楽しい日々を送らせていただいています!

本当にありがとうございます!


あと数話で今章は終わりですが、次章も引き続き楽しんでいただけるよう準備しています!

引き続き読んでいただければ幸いです!

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