表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不遇職『鍛冶師』だけど最強です ~気づけば何でも作れるようになっていた男ののんびりスローライフ~  作者: 木嶋隆太


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/115

第22話 お試し


「この掲示板に依頼が張り出されるんだ」


 そう言って、メアさんが案内してくれたのは掲示板の前だ。

 掲示板というか壁に対して、たくさんの紙が貼りつけられていた。

 大まかにランクごとに分かれてはいたが、その境界線は分かりにくい。

 

「この依頼って、確かランクと同じ依頼しか受けられないんでしたっけ?」

「いや、上下一つまでなら、受けることが可能だ」

「つまり、メアさんはDとFランクも受けられるってことですか?」

「ああ」


 新人冒険者の仕事を減らさないために、上位ランクの人間が下位ランクの依頼を受けられないようになっているそうだ。


「今回受ける依頼はどうしますか? 確か、ランクの上下に関わる依頼って討伐依頼だけでしたよね?」

「……そう、だな。私はEランクの依頼を達成する必要がある。だから、私に合わせてしまってもいいか?」

「構わないですよ」

「……そうか。まあ、さきほどあれだけ動けたのだから、才能は私なんかよりもずっとあるだろう。むしろ、私が足を引っ張らないかどうか……というところか」

「……そんなことはないですよ。俺なんて装備品に助けられている部分が多くあります。そういう意味では、メアさんも前までとは違うはずですから、大丈夫ですよ」

「……そ、そうだったらいいんだがな」


 メアさんはぽりぽりと頬をかいてから、首を振る。


「すまない。先輩であり、お姉さんでもある私がキミに情けないことを言ってしまった」

「気にしないでください。俺は宿屋じゃ先輩なんですから。立場はそう変わらないはずです」

「ふふ、そうだな」


 メアさんが口元を緩め、一つの依頼を手に取った。

 彼女の隣から覗きこんでみる。

 レッドウルフという魔物の討伐だそうだ。


 難易度は彼女が求めるEランク。


「それにしますか?」

「……そう、だな。レッドウルフは昔倒したことがある魔物だ……なんとかなるはずだ」


 昔、か。

 装備品を変えた今ならまったく問題ないのではないだろうか?

 依頼書を持って、メアさんとともに受付に向かう。


「あの受付に依頼書をもっていけば受領ということになるんですか?」

「ああ」


 受付を見ていた俺は、そこであることに気付いた。

 皆、依頼を受ける際にお金を渡していた。


「依頼を受ける際にお金を支払うんですね」


 こくりと、メアさんが頷く。


「依頼には期限がある。冒険者が依頼を受けるということは依頼を独占することになる」

「……確かにそうですね」

「ギルドからすれば、万が一討伐に失敗した場合には別の冒険者に依頼する必要がでる。緊急であればあるだけ、報酬額を上げることになるから……まあ、その場合の手間賃ということになるな。達成できた場合は、報酬とともに返金されるから安心するといい」

「……なるほど。そうなると、高ランクの依頼になると、依頼購入料金も増えそうですね」

「ああ、そうだ。だから冒険者は、依頼を受けられるだけの金は常に確保しろと言われている。……まあ、討伐依頼を受領しなくとも恒常の依頼もあるにはあるが」

「……なるほど、勉強になりますね」


 恒常の依頼は主に納品系の依頼だそうだ。

 メアさんの説明を受けていると、自分たちの番になった。

 俺とメアさんは取り出しておいたギルドカードを提示する。

 

 受付のテーブルにちょこんと座っていた妖精が、ギルドカードに触れると現在受領中の依頼が書きこまれた。


 このギルドカードの技術は、妖精たちが持ち込んだものだ。

 今の人類には過ぎた技術であり、その解析も進んでいないが便利だからと使っているわけだ。


 妖精は喋らないが、俺たちの依頼を応援してくれているのか、可愛らしく手を振っていた。

 それに手を振り返しながら俺たちはギルドを出た。


「レリウス。情報によれば北門から出た先にレッドウルフたちがいるようだ。そちらから向かおうか」

「はい。わかりました」


 お互い北門へ歩いていく。

 

「レリウスは、どんな戦い方をするんだ?」

「……そうですね。どちらかといえば、中距離が得意ですね」

「中距離、か。まさか神器に攻撃系のスキルがついているのか?」

「……まあ、そんなところですかね」


 ボーンショットは誰でも使えるスキルだが、とりあえずは言わなくてもいいか。


「私は近接で戦うことしかできない。……今回は援護に回ってもらってもいいか?」

「はい、それで構いませんよ。俺もいくつか聞きたいんですけど、メアさんの神器はなんですか?」

「ああ、私のはこれだ」


 メアさんが右手を横に向けると、その手に剣が現れた。

 火をまとったその剣は僅かに湾曲していた。


「神器フランベルジュだ」


 彼女が振りぬいたその剣は……俺のもつアイアンゴブリンソードとは比較にならないほどの美しさだった。

 じっと見ていると、彼女の神器のスキルが見えた。


 フランベルジュ

 火炎攻撃Sランク フレイムスラッシュSランク 見切りSランク


 その三つがついていた。

 火属性に攻撃特化している神器といったところか。


 俺のハンマーとは比べ物にならないかっこよさがある。

 ……いいなぁ。

 

「レリウスの神器は戦闘には使えないのか?」

「使ったことはありませんね……だから、戦う際にはこの剣やナイフを使っています」

「……それで、中距離での戦闘が得意、なのか?」

「はい」

「実際に見てみないことには分からなそうだな」

「実践はレッドウルフで試してみるしかないですね。……ただ、俺はEランクの魔物との戦いはこれが初めてですから、足を引っ張ったらすみません」

「……一応、レッドウルフの前にゴブリンと戦っておかないか? 私もまだ、自分の力が確認できていないからな」

「わかりました」


 お互いの連携などもあるし、そのほうがいいだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ