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第15話 攻撃スキル



 さっそくいつもの狩場へと向かう。

 俺が倒す魔物はゴブリンくらいだ。


 俺は別に強い魔物を倒したいわけじゃない。

 鍛冶に必要な素材が手に入ればそれでいいので、ゴブリンは好都合な相手だった。


 ゴブリンは基本的に群れで動いている。

 この前のように一体での行動は珍しいほうだ。


 今日発見したのも三体だ。

 ……ボーンショットの効果が分からない以上、すぐに試すのは危険だな。

 まずは敵の数を減らそうか。


 とりあえず、投げナイフに毒攻撃Sランクを付与させたので、まずはその性能を確かめよう。

 俺は近くにあった岩の陰に潜み、ゴブリンへとナイフを投げた。


 最近ではこの投擲が随分と上達したと思っている。投げた二つのナイフは狙い通り、ゴブリン二体に突き刺さった。

 自動帰還を発動して、二つのナイフを元あった場所へと戻す。


 ゴブリンたちはまだ俺の位置を特定できていないようだ。

 その間に、毒によって二体のゴブリンが倒れた。


 ……毒攻撃、かなり便利だな。

 今俺が持っているスキルとの相性は抜群だな。


 こうなると、弓の訓練を積んだ方がいいかもしれないと思えた。

 今度弓でも作ってみようか? いやでも、そう簡単に使えるようになるとも思えないしな……弓以上に使いやすい遠距離攻撃の武器が手に入ればいいんだが。


 最後の一体になったところで、俺が姿を見せる。

 ゴブリンは俺に気付いたようで、苛立った様子でこちらを見てきた。

 とりあえず、ナイフを投げる。ゴブリンに刺さり、ゴブリンの顔色が悪くなった。


 これで、思う存分ボーンショットを試せるな。

 ゴブリンが飛びかかってきたが、ひとまずスキルを発動する。


「ボーンショット」


 呟くようにいうと、剣から骨がまっすぐに飛んでいった。

 それがゴブリンに当たると、その体を吹き飛ばす。

 ……想像以上の威力だ。


 よろめいたゴブリンが体を起こしたが、次には泡を吐いて倒れた。

 毒によって死んだようだ。


 ボーンショット、使いやすいスキルだ。

 中距離の相手に打ち込めるので、毒攻撃で気づかれたあとに仕掛けるのが一番いい。

 他にも試してみたいことがあったので、次の魔物を探しにいく。


 また三体のゴブリンを見つけた。

 次に試したいのは、スキルの遠距離発動についてだ。


 俺はまずナイフを適当な位置に投擲する。

 ナイフはゴブリンたちの足元に落ちた。

 

 音に気付いたようで、ゴブリンが周囲を警戒するように見ていた。

 俺はそのナイフを見ながら、ボーンショットを発動するように念じてみた。


 骨が現れ、ゴブリンの体を殴り飛ばした。

 ……おお。遠距離でもスキルは発動できるのか。

 体を起こしたゴブリンの顔色が悪い。


 ……スキルにも、毒攻撃が乗ったようだ。

 これは色々な組み合わせが楽しめそうだな。

 あとは放っておけばゴブリンは倒せる。


 俺はナイフだけを回収し、周囲を警戒しながら毒でゴブリンが死ぬのを待った。


 ゴブリンが死んだところで、その素材を回収しておいた。

 とりあえず、今ある装備品をすべてゴブリンアイアンソードに変化させ、毒攻撃、ボーンショットを付与しておいた。


 これでゴブリン狩りがかなり楽になるな。

 とはいえ、遠距離で戦ってばかりでは体がなまってしまう。

 時々は、近接でも戦っていく。


 レベルが上がったからだろうか。ゴブリンの動きすべてが読める。

 それでも油断をしてはいけない。

 魔物との戦いでは油断したほうが殺されることになる。


 ゴブリンの動き一つ一つに注意しながら、攻撃を捌いていく。

 ゴブリンは俺に攻撃を当てようと素早く動く。

 だが、そうすれば、より早く毒も回ることになる。


 泡を吹いて倒れるまで、そうかからなかった。

 ……毒が強力すぎるな。


 うっかり自分を傷つけないように気をつけないと。 

 毒をどうにかできるようなアイテムを手に入れておく必要があるだろう。


 とりあえず、帰りに薬屋で解毒ポーションは購入しておこうか。

 その後もしばらくゴブリンを討伐していき、魔石が50個ほど溜まったところで街へと戻ることにした。



 〇



 街に戻った俺は、予定通り薬屋へと向かう。

 解毒ポーションや回復ポーションなどを見て回っていく。

 ポーションに関してもランクで分けられている。


 ……ただ、値段はすべて同じだ。

 ポーションを作製できる人間がその違いに気付いていないからだろう。

 なるべく高品質なものをいくつか購入してから店を出た。


 ……そういえば、俺のハンマーってすべて素材として回収できるがポーションに関してはどうなんだろうか?

 もしかしたらポーションも作製可能になるのではないだろうか? 魔力だけで作れるようになってくれたら嬉しい。


 部屋に戻った後で俺はポーションを眺めていた。

 何事も挑戦だ。


 ダメだったら一つ無駄になるが、そのくらいは安い出費だ。

 やってみないことには分からない。


 俺がポーションにハンマーを振り下ろしてみると、パリンと瓶が割れた後素材を回収することができた。

 ……薬草に戻っているんだな。

 おまけに、瓶も普通に素材としてある。


 これらを組み合わせることで……ポーションの作製ができるようだ。

 ポーション作製まで出来るようになるとはな。


 おまけに、魔力だけでポーションの作製も可能なようだ。

 ……もう本当に自給自足ができそうだなこれは。


 このハンマーで壊したものならだいたい作製可能になるというのは間違いないようだ。

 ……それならば、食料とかはどうなのだろうか?

 衣服はどうだ?

 

 これまで目を向けてこなかったありとあらゆるものに俺は可能性を感じていた。

 できそうなものはかたっぱしから一度壊してみたほうがいいかもしれない。



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