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コドクの学園  作者: 初雪奏葉
第六章ー二人の想い
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第六章ー13

「我名は赤之城源太あかのじょうげんた!」


 と、唐突に、男は名乗りを上げた。

「え、なに?」

 ポカンとする三人を置いてけぼりにし、赤之城と名乗った男は腰に手を当て、腹に力を入れて声を張る。


「殺し合いをする以上、正々堂々、真っ向勝負をお願いしたい! よろしいか!」


「……」

 殺し合いをするのに正々堂々も真っ向勝負もあるものか。

 黒江は激しく突っ込みを入れたかったが、突っ込んだら負けな気がしてぐっと堪える。

「……第八の連中は古風な名前のヤツばっかなのか?」

「名前だけじゃなくて、頭の中も武士の時代なんじゃない?」

 博也と綾乃も白い目を向ける。


「君たちの名を教えてはくれまいか!」


 誰が教えるか。

 阿呆か。

 阿呆なのか。

「ヒロ」

「あ?」

「私が注意を引き寄せるから、点火しておいて」

 綾乃は正面を向いたままそう言うと、数歩、進み出る。

「……なるほどな」

 博也は意図を察し、したり顔で頷く。

 綾乃は大きく息を吸い、赤之城に応える。


「我の名は灰霧綾乃! その申し出、受けて立つ!」


 赤之城は綾乃へ視線を向け、がははと豪快に笑う。

「ありがたい! やはり戦は正々堂々が面白いからな!」

「その通り! 不意打ち、騙し討ちはつまらないからな!」

「おうとも! 我は絶対にそんなことはしないぞ!」

「こちらもだ! 力の限り、存分に戦おうではないか!」

 がっはっはと二人して笑い合う姿はかなり不気味な光景だったが、これも作戦のうちだ。

 正々堂々と言っているその脇で、博也は能力を展開させる。

 博也の『点火』は、彩粒子が相手に触れなければ効果を発揮しない。相手から近付いて来るならすぐにでも発動できるが、遠距離攻撃を行える相手の場合、発動させるだけでもひと手間かかる。

 博也は身動き一つしないまま、赤色の彩粒子を廊下に拡散させていく。

 アホみたいなやり取りをしている間に、こちらが優位に立てれば御の字だった。

「では、綾乃殿、構えよ!」

 わざわざ構えを取らせてくれる敵など初めてだ。

 きっと、根は良い人なのだろう。

 綾乃はわざとゆっくりと体を動かし、さも一流の武道を嗜んでいるかのような、見事な構えを取る。

 あと、僅か数センチで赤之城の足先に触れようか、というタイミングで。


「などと言いながらも策を巡らすその神経! 驚嘆に値する!」


 ドン、と赤之城はその場で足を踏み鳴らす。

「憤っ!」

 震脚、というヤツだった。

 ドンドンと赤之城は地面に足を叩きつける。

「策を巡らせているところ悪いが、我の能力は無敵&無敵!」

 踏み鳴らす度、足先まで迫っていた博也の彩粒子が舞い上がる。

 そして仕上げとばかりに舞い上がったそれを、


「喝っ!」


 正拳突きで、吹き飛ばした。

 二人分の赤い彩粒子が宙を舞う。

 正面にいた綾乃は顔を手で覆い、衝撃に堪える。

 無茶苦茶だが、強い。

「がはは、どうだ、凄いだろう!」

 赤之城は自慢気に肩を揺らし、余裕を見せつけて来る。

 できるはずの追撃をして来ない。

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