代わりの人は居ませんか?
続いちゃったよ…
車に強引に入れられ、雪花の家に強制連行される俺…おまわりさん!!ここに誘拐犯が居ます!!
「だれが誘拐犯よ!!」
そう言って、俺の隣に居た雪花が、またしても、アイアンクローをしてくる…
雪花思うんだ…余りにも同じネタをすると飽きられるぞ‥‥
「誰がネタをやっているって…?」
「痛い痛い!!タップタップ!!」
絶対カルシウム足りてないってこのお嬢さん…
「ほっほ、相変わらず仲が良いのですな、関心関心…」
そんなやり取りをしていると、運転席からそんな言葉が投げかけて来た。
今、運転席に居るのは、執事の長堂 界さんだ。
俺は普段からこの人を師匠と呼んでいる。何故かって?この人が俺の武術の師匠だからだ。
そう、この人、何故だか、執事の癖に途轍もなく強い…
何でも、執事曰く…
『使える主を守れなくして、執事を名乗れませんから…』
という事らしいのだが…絶対執事の域を超えているってくらい強い!はっきり言って、この人より強い人を俺はまだ見たことが無い程強い!
還暦はまだらしいのだが、それにしてもいい年だろうに…本当に、全盛期の時はどの位強かったのやら…
しかも、執事としても優秀だし…完全に完璧超人な人だが、人の関係性を見るのは苦手らしい…
どこをどう見たらこの状況が仲が良い様に見えるんだ!!
「なっ何が仲が良いのよ!!どうみても!仲が悪いじゃない!!」
そうだ!!そうだもっと言ってやれ!!
「あなたは黙っていなさい!!」
そんな心の中で思っていただけなのに!!
「全部声に出ているのよ!!」
「えっまじ!?」
道理で、心の中で思っていたことが筒抜けだったわけだ!!良かった!俺サトラレなのかと思った!!
「ああ、もう!!貴方は…」
「本当に、仲が宜しゅうございますな…」
「だからどこが…」
「お嬢様がここまで怒鳴る相手、私これまでこのお方以外一度も見たことがございませんが…?」
「それは…こいつが、余りにも不甲斐ないから…」
「ほっほっほ、それを言われましたら、親衛隊に推薦した私の失態ですかな?」
「長堂は悪くないわ!悪いのは!推薦をされながらも、不甲斐ない姿をみせているこいつが悪いのだから!!」
お嬢さん…本当にアイアンクローを止めてくれませんか…?頭がひょうたんの様になってしまいます…
「いえいえ、推薦をしたのは私ですから、悪いのは私めでございます」
そう言って、にっこりとほほ笑む…これが執事スマイルと言う奴か…誰得なんだ?
「そんな…事…」
何故だか、お嬢様には効果があった様で、アイアンクローの力が緩んだ…よし!今だ…
「よし脱出!」
「あっ…」
俺は雪花のアイアンクローから逃れ…雪花の居る席とは反対の側まで移動する…そう言えば、この車無駄に広いよな…
とはいえ、所詮は車…雪花がその気なら、詰められてしまうのだが…
当の雪花本人は、何故だか、下を向いて落ち込んでいた…?何でだ?
「ほっほ、もう少し素直になってもよろしいのでは?」
「な、何を…」
「下手をすると、誰かに取られてしまうかもしれませんぞ?」
「それはない!こいつの学校での態度を見たら、絶対モテたりしないわ!」
何だか、凄いけなされているけど…何でだ?俺学校に行ったら寝ているしかしていないんだが…うーん謎だ…
「…絶対モテるなんてないわ!!」
何で、二回も言ったんだ?
「ほっほ、本当にお嬢様は、彼の事が好きなんですな」
師匠…人間関係が解らないと言うのも限度があると思います…どう見たら、その結論になるのか、一時間ほど問い詰めたいのですが…
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
雪花も雪花で、怒りの所為か、もの凄く顔を真っ赤にして、両腕をぶんぶん振り回しているし…良かった、車の端っこに逃げてて本当に良かった…絶対近くに居たら、攻撃?があったっていただろうし…
「私の事はどうでも良いの!!それより!!流甲斐!!家についてら、お父様へ報告に行くけど!大丈夫なの!!そんな調子で!!」
流甲斐…ああ…俺の名前か…
「何で!!自分の名前を忘れているの!!」
「アイアンクローはやめて!!」
俺は必死になって、車の端っこにからさらに逃げようとするが…そこは車の中…どうしてもドアはある…
俺には、ドアからアクションスターみたいに逃げれるような身体能力はありません…
「はあ…もういい…とにかくお父様への報告はきちんとしてよね…余りに不甲斐と私の護衛外されるわよ…」
「えっ!外されるの!?やった!!だったら、適当に‥‥」
「ああっ!?」
「…何でもないです…はい…」
本当に誰だよ…こいつを華麗だって言ったやつ…
「ほっほ、心配ありますまい。今までだってきちんと報告しております。第一、護衛が不完全だと判断されているのなら、もっと前から外しております」
何で外してくれないの!!俺!学校に行って、寝ているだけだよ!!
「それに、絵馬様からの評価も高評価ですから滅多な事で外されることは無いでしょう」
何で高評価なの!!俺!!雪花のお父さんに何かしたか!!?
本当に何故?!俺は雪花の護衛に対する全権を任されているの!?
「…たしかに…今更…悪い印象一つや二つで変わる事は無いか…」
雪花も!!何その妙な信頼関係!?
今更ながら、理蜜家の護衛に着く人達はかなり選別されているそれこそ、その職に就いている人はかなりの権限さえ持っている。
それだけ…重要な役職なのだが…何で!俺がその雪花の護衛の最高責任者になっているの!!可笑しいだろう!!
「‥‥雪花、やっぱり、俺はずれた方が…」
「…もう一度アイアンクロー食らいたい?」
「…黙ってまーす…」
本当に、何でこうなった?!
続くのか?