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若き魔界幹部の悩み  作者: 耕眞智裕
か弱き女王の悩み
51/69

2 浅広き世界書(ナロウ・ブック) Ⅰ

 偽りの空に偽りの大地。

 そして、作り物の猛々しい野獣を、俺は剣を抜くことなく、素手の一振りで粉砕する。

 鎧袖一触の衝撃に、驚愕の表情を向ける同伴者は、決してつるむはずの無かった女。


「ふぅー。

 あれ? また俺なんかしちゃいましたか?」


 小鳥の囀りのような澄んだ声。

 俺は黄金の髪を流し、白く繊細な己が拳を見つめた。

 そう。俺は俺で、“俺ではない”のだ。


 この不思議体験の始まりは俺が北の大国、汎ホクト国に到着し、魔界の仲間と顔を合わせた所にさかのぼる。


「ぐぬぬ……」


 世界的カードゲーム対戦。10戦目が終了し、ナナミ・ヴァサーゴ4勝。エカテリーナ・フラウロス、ジレット・バルバドス、グリード・アスタロトそれぞれ2勝。そして、マレード・バアル無勝という結果になると、ぼろ負けマレードは唸り声をあげた。


「あらあらぁ~ マレードったら、最初天才がどうのこうの言っていたわよねぇ? ねぇ? 今どんな気分? ねぇねぇ? 今どんな気分?」


 下から二番目タイである自分を棚に上げて、カーチェさんは俺をサディスティックに詰る。


「きっと調子が悪かっただけですよ。そうですよね? 宰相様?」


 そして単独トップのナナミさんは俺にフォローを入れるが、それは正に敗者がする一番見苦しい言い訳テンプレの一つであり、フォローどころか、援軍に後ろから突き上げられた気分だ。


「それではみなさん。いい感じに盛り上がったところで、本題に入りましょうか。ジレット君アレを」


「了解でござる。

 えっと、皆の衆。特にマレード氏。これを見て下され」


 何かを思い出したように、アスタロトさんは遊戯を切り上げて俺の逆転の可能性を絶つと、ジレットさんに一枚の紙を出す様に指示した。


「名状しがたい邪悪、万物より棄てられた忌子、人畜有害のなるヌンティウスから送られてきた反吐が出る挑戦状でござる」


 ジレットは怒りと侮蔑を込め、ヌンティウスから送られたという、例の挑戦状とも言うべき予告状をマレードに手渡した。


“時代に棄てられた魔界のダンゴムシさんたちー。ごきげんよう。

 私はヌンティウス・デイ。世界を面白おかしくするエンターテイナーです☆

 今から私たちホクトで面白い事をしようと思っていまーす(パンパン!パフーパフー!

 ああ、正確に言うと、ホクトの大事な大事な呪道具を頂きに参上つかまりますぅぅ。

 どうせ、人生つまらないでしょうし、魔界の方々を招待してあげます!!

 私ってばやさし~ 感謝してくださいねー

 つきましては紅葉の月。三番目の日に参上しまーす。

 皆さんと会えるのを楽しみにしていますね“


 仮想空間『闇のネットワーク』で見たものと一門一句変わらない。非常に不愉快な文章だ。


「紅葉の月。三番目の日か……」


 ご丁寧な事に、犯行日まで記されている。よほど自信があるのだろう。

 まぁ、それは置いておいて。やはり一番の疑問は何故この様な物が魔界に送られて来たのかという事だ。


「…………」


 俺とジレットさんはヌンティウスに因縁がある。ナナミさんも本人は知らないだろうが、奴からの被害を受けている。他の二人については分からないが、カーチェさんは彼女との因縁を仄めかしていた。

 そして俺達が魔界幹部であるという事は、奴は知らないはずにもかかわらず、何故俺達は彼女に呼ばれたのか。


「という事で、出発の日まで二日あります。それまでは英気を養って下さい」


「え? えらく軽いですね? 確かホクトの呪道具は北の危険地帯に封印されているはずですが…… 本当に大丈夫ですか?」


 ニッコニコで全く緊張感無くそう言ったアスタロトさんに俺は思わず心配そうに返した。ホクトの呪道具はジーマやトキオとは違い、天然の護りと、代々呪道具を守護する守り人によって守られている。一筋縄ではいかないのは火を見るより明らかだ。


「それに関しては大丈夫よ。一応保管場所の特定と行く方法については考えてあるから。まぁ、守り人と“誰かさんが道を間違える可能性”は懸念材料になるかもしれないけれどね」


 カーチェさんは自信をもってそう言うと、ジトっとした目線をアスタロトさんに向けた。

 そして静かな時間が数秒流れたところで、幹部最年少のゴシックファッション少女が遠慮気味に手を挙げた。


「……あのぉ。思ったのですけど。

 別に私たちが直接行かずに、ホクト政府に呪道具が狙われている事を伝えて軍や警察を動かしてもらった方が良いのではないでしょうか?」


 彼女の言った事は恐らく誰もが考える事で、可能であればベストな選択肢だと思う。だが、これは二つの理由で採用されなかった。


「う~ん。それはちょっと難しいかもね。今のホクト首長ゲレンドシュラは頭が固くて融通の利かない男らしいし、それに私達がこの情報を持っている事について聞かれるようなら面倒臭い事になりそうじゃない? はっきり言っちゃうと、ホクト人は親切だけど、国政みたいなナイーブな所に触れると、結構排他的な面もあるのよ」


 一つ目の理由はカーチェさんが説明してくれた。俺達は曲りなりにも闇の眷属である。正直職務質問は避けたいのだ。特に俺は一国の宰相でお忍びの身である。


「ナナミ殿にはすまぬでござるが、この下郎は拙者たちを指名した。これは面子の問題でござるよ」


 カーチェさんの言葉に連なるように、ジレットさんはそう述べたが、実際の所彼がこの件に自分たちが赴くことにこだわる理由は別にある。即ち因縁だ。彼としても自らの手でヌンティウスを倒したいという気持ちがあるのである。それは俺も同様であり、ホクトに任せたくはない。これが理由の二つ目だ。


「分かりましたー」


 先輩二人の話に納得したようで、ナナミさんは元気な返事でその意思を伝えた。

 そして、旅の疲れを考慮し、男女に分かれてそれぞれの部屋で休息に入った。


 出発までの二日間、俺達は呑気にも観光や、ショッピングを楽しみ、大仕事の為の精神的準備を整えていた。

 そして俺はカーチェさんには聞くことが出来なかったが、ナナミさんとジレットさんには聞きたかった事を聞くことが出来た。


 初日の夜。俺が冗談じゃないレベルの広さの風呂場で、プールの如き深さを持つ湯船の端にある微かな出っ張りに腰を落ち着かせながら、浮かぶ湯けむりを眺めていた時。引き戸の音と共に、古代の彫像のような美しい身体の男が入ってきた。


「ああ、マレードさん。入ってらしたのですか」


 男は端正なマスクで笑顔を浮かべると、俺の名を心が震えるねっとりヴォイスで呼んだ。


「ジレットさん!!」


 突然の事に俺は驚いたが、二人で話したい事も多く、邪魔にならないよう風呂場から離れようとするダヴィデ像を、声を出して引き留めた。

 因みに言っておくが、俺に男色の趣味は無い。ロリコンの件を含めてこれだけははっきりと言っておこう。


「男二人水入らずですね」


 男色の趣味は無いが、ジレットさんが身体を洗いながら発した、その意味深にも取れる発言に思わず顔が赤くなる。


「宰相閣下も心配しておられると思いますので、先に言っておきますね。

 僕の友人。エスセブの事なのですけど。何とかヌンティウスの呪縛から解放されました。これも全ては閣下のお陰ですね。感謝の言葉もありません」


 “男水入らず”とは他に聞かれたくないプライベートな話が出来るという事であった。


「いえ。俺もジレットさんのお陰で呪道具を守る事が出来ましたし、感謝しているのはお互い様ですよ。

 それと、エスセブさんの方は大丈夫ですか? 場合によってはヌンティウスが……」


「僕もその点は警戒しました。あの女なら、用済みになったエスセブを消す可能性もあるとね。

 けれど、今の所は大丈夫です。大金をはたいて大量のSPをつけましたから」


 ジレットはそう言うと、マレードのすぐそばで、足先で湯の温度をみながら少しずつ身体を沈めた。

 その様子を見て、マレードの鼓動は不思議と早くなる。


「そ、それは良かったです」


 とは言ったものの、俺はエスセブ氏の事など大して心配していなかった。俺が気に掛けていたのは、一件終わった後のジレットさんの状況についてだったのであるが、この様子だと大丈夫そうだ。


「ふふふ。あはははは」


「え? 俺何か面白い事言いましたか?」


 ジレットは吹き出したように笑い、マレードは不思議そうにその哄笑を見つめた。


「いえ。ちょっと安心してしまって。

 ヌンティウスの一件なのですけど、僕は欲しいものを得たのに、マレードさんはその……」


 そう、俺はジレットさんと違って失敗した。釣り餌こそ盗られなかったが、獲物をすんでのところで取り逃してしまった。

 きっとジレットさんはその結果に「申し訳なさ」のようなものを感じていたのだろう。

 だが、心の広い俺はそのような事など微塵も気にしてなどいない。きっと、先程までの会話の雰囲気からジレットさんもそれを感じ取ったのだろう。


「僕たちがここに赴いている事に関してですけど、アスタロトさんはあのような手紙など無視するつもりだった。まぁ、魔界が関与する事でもないし、それが正しい判断だと僕も思います。

 ただ、僕は同時に取り逃したヌンティウスに一泡吹かせるチャンスだとも思いました。そこで、僕は手紙の煽りに乗る事を提案したのです。それと彼女―――女王様も僕の提案に賛意を示しました。その時ナナミさんと貴方が欠席でしたので、僕たちの圧力で……」


「え? なんでカーチェさんが? 確かに、彼女はヌンティウスの事を知っているようだったけど……」


「ふふふ。さて、何故でしょうね。それは本人に聞いてみてください。

 では、僕はこれで」


 思わせぶりに俺にそう言うと、ジレットさんは引き締まった身体を湯から離し、頭上に乗せていたタオルで身体を拭きながら風呂場を後にした。


 



 ジレットさんから「本人に聞くよう」焦らされてから出発まで、その機会は訪れなかった。あまり大人数で話題にするものでもないし、二人きりになるタイミングを探したが、存外そのような機会は見つかるものでは無いのだ。


「あの、カーチェさんと何かあったのですか?」


 そして俺のその不審な行動に近くで見ていたナナミさんは心配そうに聞いてくる。勿論、カーチェさんとやましい何かがあったわけではないが、ここは誤魔化す為に俺は別の話をする。


「そう言えばナナミさん? 学校の方は大丈夫なの?」


 家族と学校。二つの関係で縛られた彼女がこの様な暇を作るのは容易くはない。


「えっと…… 嘘と本当を織り交ぜて、何とか……

 えっと、そのですね。私から母とデーニッツさんに小旅行を楽しんでもらおうと、アスタロトさんに頂いた旅行券を渡したんです。母は私も連れて行く事を提案していましたけど、学校があるからと辞退して…… それで学校には家族で旅行に行っているということにして休みました」


 つまり、旅行に行く家族には学校に行くと言って、学校には家族と共に旅行に行くと伝えたわけだ。見かけによらず大胆な事をする。


「あ、あと。宰相さまが行ってくれたように。動画の定期更新は続けていますよ!!」


 え? 俺そんなあほな事言ったっけ?


「昨日の夜も頑張って動画をとったんですよ。観てくれましたか?」


「い、いや……」


 話が脱線し、悍ましい動画が話題になると、ナナミさんの話に熱がこもり始める。


「それじゃあ。今見ましょう!! ノートMC持ってきますね!!」


「え? ちょっと待って。

 …………今日の夜じっくり拝聴させてもらうから、大丈夫だよ」


 今あの宇宙から飛来した様な電波を浴びさせられたら、きっとヌンティウスどころじゃなくなる。


「そうですか。ちゃんとまんじりともせず拝聴してくださいね!!」


「ついでに聞いておくけど、動画の内容―――紹介するものは何になるの?」


 当たり前だが、今晩はおろか、一生ニャムの動画を観るつもりはない。それは自傷行為に過ぎないからで、俺はそれをあえてするほどのマゾヒストでもないからだ。

 だが、明日余計な事を聞かれて、動画を観ていない事が露呈するかもしれない。そうなれば、強制視聴コースもあり得る。だから俺は最低限の予防線を張るために、これっぽちも興味は無いが、動画の内容を彼女に聞いた。


「やっぱり気になりますか。

 では特別にお教えしますね。

 今回のテーマは………… ジャーン!! これです!!」


「これは!! “まりもんきー”!!」


 ナナミがコートのポケットから取り出したのは、親指程の大きさの全身緑色した猿の人形。

 俺は第二皇女フィーナ様の所為で、この怪しげな物の事を知っていた。

 名は“まりもべあー” 汎ホクト国にのみ自生する植物『まりも』と凶暴な魔獣モンスター氷熊アイシクルベアー』が合成したホクトの有名キャラクターだ。その評価しがたい見た目と、存在を示す様に隆起した特定部位の何とも言えないインパクトから、女性を中心に大陸中で人気となっている。


「宰相さまもご存知でしたか!! やっぱりホクトに来たらこれですよね。私もホテルに来る前にちょっとお店によって買ったんです!!

 それで、この子いくつか種類があるじゃないですか!? 私はこのノーマルのやつと、魔鮭を咥えている奴が好きなんですけど!! あとあとご当地仕様の―――」


 俺が余計な事を言ったために、ナナミさんの話に熱が回り、次から次へと言葉の雨あられが俺に降り注いできた。こうなったら止めるのは難しい。ああ、恐ろしき“まりもべあー”の魔力よ―――

 そして気が付けば、俺がターゲットにしていたカーチェさんの姿は無く、この日はナナミさんのダイレクトリスナーで終始した。








「みなさん!! 呪道具の元に行きたいかー!!」


 出発の日。最北端の駅に着くと、最も単独で目的地に着けなさそうなアスタロトさんが出発の音頭を取って叫んだが、誰もそれに答えなかった。


「…………さぶ」


 それもそのはず、周囲は街中とは比較にならない程の豪雪に加え、声をかき消す風音、そして凍てつく寒さが俺たちの体と心を委縮させていたのだ。


「カーチェさん大丈夫なんですか?」


 俺たちの中でも一番ヤバそうなのは、こんな環境にも関わらずいつものボンテージ姿で肌を晒した自称女王様だろう。はっきり言って降雪地帯どころかピクニックに行くのも憚られる格好だ。


「だ、大丈夫に決まっているじゃない!! これくらいよゆーよよゆー。むしろ物足りないくらいだわ」


 口でそう言っても身体は正直で、一々余計な動作をしながら体温を保とうとしている。

 その様子に耐え兼ね、俺は自分のコートを脱ぎ、カーチェさんに着せようとしたが、彼女は手を振ってそれを拒否し、一言「邪魔しないで」と告げた。


「ここにいても仕方ないし、そろそろ行きますかね」


 皆が震えている中、やたらと元気なアスタロトさんはそう言うと、指先を降雪で見えない雪原の先へ向けた。


「意気は良し。ですが、どうやって目的地に行くのですか? この雪原には危険な魔獣モンスターもいますし、それにこの吹雪だとすぐに五里霧中になりますよ?」


 幾人もの魔術師を食った試される大地。そこに何の準備も無く赴くのは魔界エリートの五人であっても自殺行為に他ならない。

 だが、ホテルでアスタロトさんが語ったように、彼には秘策があった。


「ふっふっふ。みたまえ、これが私の秘密兵器……

 …………あれ?」


「???」


 のであるが、その秘密兵器は大きいらしく、アスタロトさんのタレントによって生み出された時空の歪みから取り出すのに苦労している。


「ちょ、ちょっと済まないが、この辺を持っていてくれないだろうか?」


 格好がつかないが、物が取り出せなくては意味も無く、アスタロトはマレードたちに渋々手伝いを乞うた。


「うっ!! 重っ!!」


 アスタロトさんを手伝うために、彼が引き出そうとしている何かを引いた瞬間。思わず声が漏れた。その物体は金属でできているようで、非常に重く、そしてボート程度の大きさがありそうだ。


「よっこらしょ。どっこいしょ」


 男衆三人で雪に足を取られながらも、必死の掛け声を上げて、秘密兵器とやらを引っ張り出す。そして、その成果は“ドサッ”という音と共にその姿を現す事でついに出た。


「これは……」


 そいつは全長約3.5メートル。バイクのような形状ながらも前輪は無く、一対のスキー板のような物と後方のキャタピラで車体を支えていた。


「そう。これこそ最新鋭スノーモービル。コアンダY3です。これでホクト縦断ウルトラ滑走と行きましょう」


 確かにこれがあれば、アスタロトさんの言う様に徒歩より遥かに楽に雪原を進む事ができるだろう。だが、問題がいくつかある。


「これ一台だと最大三人までしか乗れませんね」


 そう、ジレットさんのこの言葉が示す様に、スノーモービルの黒光りするシートには二人、頑張って三人しか搭乗できない。残った二人はここで待機するか、徒歩で目的地に向かう必要が出てくる。

 

「ああ、その件なら大丈夫。二台あるからね。

 っというわけで、すまないけど……」


 どうやら一つ目の問題は最初から解決されていたようだ。まぁ、それを使うにはもう一度汗を流さなくてはいけないが……


「ふぅ…… 行く前から疲労困憊だよ」


 火照った体を冷やす為、男三人は二台のスノーモービルと共に雪の上に転がる。


「それで、道中の魔獣モンスターと目的地の把握はどうするんです? 雪原に跳び込めば四方は見分けのつかない雪景色ですよ?」


 俺は息を荒くして、残った問題をアスタロトさんに向けて吐きだした。労働が必要ならさっさと聞いた方が良いのだ。


「はぁ…… はぁ……

 その点も大丈夫。はぁ…… それでは、フラウロスさん。よろしくお願いしますっ」


 俺の疑問にアスタロトさんは笑顔で答えると、雪に身体を任せたまま指を鳴らし、登山家や探検家の怒りを買いそうな格好で寒空の下、身体をさするカーチェさんの名前を叫んだ。


「え? もう? 折角……

 まぁ、しょうがないわね……」


 ご指名を受けたカーチェさんはスノーモービルの前へと歩み寄ると、身体を伸ばして指先を天へと向けた。


空間魔法・絶対領域フィールド・アブソリュートフィールド


 そして彼女が魔法の詠唱をサラっと唱えると、彼女の周りを舞っていた降雪が彼女を避けるように弾け飛び、金のロール髪や面積の小さい衣服に付着していた雪も露と消えた。

 魔法の発動を終え、カーチェが手を下ろすとマレードたちの周りは先ほどまでの寒さが嘘のように温かくなり、止んだかのように降る雪が消滅した。


空間魔法・絶対領域フィールド・アブソリュートフィールド……」


 俺はその魔法を間近で見て驚愕している。習得が困難とされている空間魔法の中でも最上位とされている魔法であり、空間魔法の例に漏れず、複数人での詠唱が定石にもかかわらず、目の前の痴女は涼しい顔をして一人でそれをやってのけたのだ。驚かない方がおかしいだろう。


「それじゃあ。行きましょうかね。地図は私の頭の中に入っているから大丈夫。任せて下さい」


「とアスタロト氏がのたまってござるが、遭難者になるのは勘弁でござるので拙者が案内役を詰める所存。拙者もアスタロト氏が作成した鳥観図を頭にインプットしている故、ノンプロブレムでござるよ」


 マレードは驚愕で固まっている間、アスタロトとジレットは元よりカーチェの力を知っており、何事も無かったようにスノーモービルを弄り始めた。また、彼女の力を知らないナナミもその魔法を知らない故、ただカーチェの隣で「すごいですっ」と言うだけであった。


「全く、知らない事ばかりだ。所詮まだまだ魔界ルーキーという訳か」


 俺は乾いた笑いを浮かべながら立ち上がる。


「ほらマレード氏も早くこっちに。

 拙者とナナミ氏、アスタロト氏が一号車で先導するでござる。マレード氏と女王様は二号車でついてくる感じで」


 俺が立ち上がった頃には、ジレットさんによって班分けが終わっており、俺は後方車でカーチェさんと同乗する事になるそうだ。


「ほら、行くわよマレード」


 ジレットさんの言葉を聞いたカーチェさんは俺の肩を叩くと、搭乗者のいない二号車の方へ向かう。その瞬間、ジレットさんがこちらを見て親指を立てて見せた。なるほど、カーチェさんと二人になるチャンスを作ってくれたわけだ。

 俺は頷いて返すと、カーチェさんの後を追ってスノーモービルに近づいた。


「アンタが運転ね。私は魔法の維持に集中させてもらうから」


「ふぇ?」


 そんなこと言われても、俺はスノーモービルなんて運転した事ないぞ? なんなら見たのも今日が初めてだ。そんなことできる訳……


「ん?」


(あ! これ! 城での研修でやったところだ)


 見慣れたモニターや速度計。それは宰相になる前に実施された講習生俺一人の宰相研修ゼミを思い出させた。宰相と言う今までにない役職を創設するにあたり、国内外から様々な専門家が招かれ、みっちりと多角的な知識を詰め込まれた。その中に作業機械の研修があり、多少の違いはあれど、その時に見たものとこれがそっくりだったのである。


「やっててよかった宰相ゼミ」


 俺は顔も思い出せない講師に感謝し、黒いシートに跨った。

 そしてその瞬間。背中に柔らかいものが当たるのを感じ、思わず赤面した。今俺の後ろには色々と難ありだけど、一応美女がいて、しかも身体を密着させているのだ。ここに妹たちがいたら発狂ものだろう。


「それじゃあ出発するでござるよ~」


 完全に主導権をとられたアスタロトは沈黙し、現主導者であるジレットが出発の合図をマレードたちに送った。

 そして、魔力エンジンが唸り声をあげると、二台のスノーモービルは獣のように速度を上げながら進み始めた。


「凄い。視界も良好。吹雪も嘘のようだ」


 自然の猛威もマレードたちを避ける。それは、彼らが自然を支配しているわけではなく、カーチェの詠唱した空間魔法・絶対領域フィールド・アブソリュートフィールドによるものであった。

 空間魔法・絶対領域フィールド・アブソリュートフィールドは周囲の変化を詠唱者の好きなように固定する上位魔法であり、魔法効力圏内には詠唱者が要らないモノと判断した事物の侵入を許さない。空間魔法の常として、外的干渉には弱いが意志を持たぬ雪や魔獣モンスターを相手にする上では関係ない。


「全くこんなにすんなり行くとは……

 あっ、そうだ。えっと、カーチェさん?」


 圧倒的な疾走感に興奮しているが、勿論ジレットさんが作ってくれたチャンスの事も忘れてはいない。


「ん? 何?」


 俺が彼女に聞きたい事。それは―――


「ヌンティウスの事をご存知ですよね?」


 謎多き女の正体と目的に迫るため、俺はあの女の情報が欲しかった。


「……そうね。アンタもアイツと因縁がありそうだし、答えてあげるわ。

 知っているかと言えばイエスよ。だけど、私はあいつの事を知らない。どこの誰なのか。何を目的にしているのか。その辺は全く分からないわ」


 カーチェさんの返答を聞いて、俺は彼女に表情が見えぬよう前を向いて落胆した。ヌンティウスという女は誰に対しても自分の心内を出さないようだ。いや、プロテスターが言ったように、そもそも明確な目的など無く、場をかき乱す事を楽しんでいるだけなのかもしれない。


「でも、一つだけ言えることがあるわ。

 アイツは百害あって一利なし。このままだと大きな問題を起こす事になる。だからあいつに呪道具みたいな力を与えちゃいけないの」


 耳元でささやかれた言葉に、俺はただ頷いた。そしてこの大陸に生きる者として、ヌンティウスとプロテスターの行動を阻止しなくてはならないと思った。


「着いたでござるよ~~」


 カーチェさんと話している内に、俺達はホクトの呪道具が眠る神殿に辿り着いた。まるで人を拒むような常冬の厳しい環境に囲まれ、ポツンと佇む人工物は何故か美しく思えた。


「本当に着くなんて。ホクトの人間でも正確な場所は分からないと言われているのに……」


 雪に閉ざされた城の神殿へと足を踏み出すと、俺は内部の構造を眺めながら案内役のジレットさんにそう言った。


「アスタロト氏の表の仕事の副産物ですな。あの御仁がホクトでやっている事業の関係で、この辺の地理は妙に詳しいのでござる」


 アスタロトの成果をまるで自分の誉れのように語り、ジレットは鼻高々になる。


「なにせ、魅力なる国ランキング一位の国ですからね。そりゃもう、どこにリゾート施設を作るのがベストか調べるのは当たり前ですよ。

 っとそうだ。皆さん。ここからは魔界での名で呼びましょう。それと仮面も忘れずに」


 思い出したように口にしたアスタロトさんの忠告に、皆慌てて黒い仮面を着用する。

 自分たちは魔界の使者であり、ここで会うのは表世界の者。素性を知られれば面倒になる事疑いない。


「ここには大した仕掛けなどは無いでござる。問題はこの地を護る守り人でござるが……」


 カーチェさんの魔法によって生み出された光を頼りに守り人の存在を警戒しながら、俺達は遺跡の深部へと進んだが、とうとう“守り人”に遭遇する事なく呪道具が安置してある最奥の間に到着した。


「おかしいわね。誰もいないじゃない」


 拍子抜けな状況にカーチェさんが溜息を吐いて、ホクトの呪道具である“石の土台に置かれた一冊の本”に近づいた。

 開かれた何の変哲もない一冊の本。これこそ、汎ホクト国の宝―――呪道具浅広き世界書ナロウ・ブック。力が発動すると、本の中に人を吸い込み、その者達が憧れ、理想とする姿で生まれ変わるという。


「あの、それ大丈夫なのでしょうか? 突然発動したりしませんよね?」


 少し離れた位置から、本を眺める四人に対しナナミさんが心配そうに呼びかける。


「ああ、大丈夫。この本には発動条件があってね。最低七人以上の人間が本に近づかないと効果は出ないよ」


 アスタロトさんが怯えたように声を震わせるナナミさんにそう言い聞かせて安心させた。彼が言った事は彼女を安心させるための嘘ではなく、一般的に知られる浅広き世界書ナロウ・ブックの性質だ。


「後はヌンティウスが来るのを待つだけ。一応隠れておきましょうかね」


 ナナミさんが安心したところで、作戦開始。俺達はカーチェさんの提案に従って、隠れそうな場所を探して、本からしばし離れた。そしてその時―――


「お前たちか!! ホクトの宝を盗む不届き者は!!」


 魔界幹部の誰でもない。突然女の声が狭い部屋に響いた。


(まさかここに来て守り人か!?)


 俺達は突然の事に、互いに身体を近づけて警戒態勢に入ると、敵が何処にいるのか。何者なのかを知るために辺りを見回す。


「ふっ。まるで群れる羊さんたちね。情けない。お前達みたいなのがここまで来られたのは運かしら? 

 まぁ、いいわ。運でも何でもここに来た褒美に私自ら処断してあげる。光栄に思いなさい」


 敵は入口。謎の女の影が入口から伸びるのが見えると、全員がそちらに対して臨戦態勢を取る。本来戦う相手ではなく、もしかしたら話し合いで何とかなるのかもしれないが、皆突然の事に気が動転しており、その様な余裕も無かった。

 そして口上の元、女は姿を現す―――


「私はイルマ・デ・アエロメヒコ!! 誇りある勇者の一行が一人イルマである!!」


 武器を持たぬ小さきドワフの少女。そして最強部隊である勇者一行の一人が、腰に手を当て俺たちの前に姿を現した。


「守り人だと思ったら、もっとヤバい奴が来てしまった……」


 見た目は小学生のような少女だが、その実力は折り紙付き。俺達が相手に出来るかどうかも分からない。


「ちょっと待って欲しいのだが……」


 絶体絶命の窮地に陥った一方、それによって冷静さを取り戻した俺は、自分たちの目的と、ここで争う事に意味がない事を告げようと手を挙げた。


「俺達はここにある呪道具をヌンテイウスなる女から守りに来ただけだ」


「ふん。信じられないわ。だってあなたたち魔界の者でしょ? その仮面で分かるわよ!!」


「俺達はわるい魔界人じゃないよ」


「ふん!! 問答無用!! 歯を食い縛りなさい!!」


 イルマは俺の言葉を馬耳東風にし、拳を握りしめてゆっくりと近づいてくる。

 話は通じないのは当然だ。そもそも魔界の人間がわざわざ一国の宝を守りに来るというシチュエーションが異常なのだから。

 俺たちの―――俺の魔界幹部人生はここで終わるのか。


 ―――そう思った時。部屋が突然の光に包まれた。

 光源は鎮座ましまする呪いの本。それが風も無いのにパラパラとページが捲られ、光を放っているのだ。


「嘘! ここには六人しかいないのに!!」


 イルマもこの状況に驚きを隠せず、焦りの表情を浮かべながら両手で光を遮った。俺達も仮面を貫いて侵入してくる光に耐えられなくなり、瞼を強く閉めて、眼球に侵入されるのを食い止めた。そして―――







“ササー”


 目を開けると、一面の草原。密閉空間にいたにもかかわらず、そよ風が身体を撫でて気持ちがいい。


(あれは……剣?)


 原っぱ一面の風景に、自己主張の激しい地面に突き立てられた剣。それはまるで騎士選定の聖剣の様。

 俺は体に纏った白銀の鎧を鳴らして剣に近づくと、好奇心が望むままに錆び一つない剣の柄に手をかけた。


“You Are HERO”


 その瞬間。「貴方は英雄」という無機質な文字が視界に浮かんだ。そして視界が光に包まれ、またも情景が変わる。


“ガヤガヤ”


 今度はどこかの街。雑踏の賑わいが街の平和を歌っている。

 そして、俺の手には触れただけで、抜いていないにもかかわらず握られた剣。

 そうか、この不思議な体験。これが浅広き世界書ナロウ・ブックの力か。


「勇者様ですね?」


 納得を得たところで、俺の背後から突然声がする。俺は勇者ではないが、何故かその声が俺を呼ぶものだという事を理解した。

 

「っじゃなくてぇ!! 一体どうなっているのよ!!」


 振り向くと、俺に声をかけた長身の女は突然ヒステリックに叫び始めた。だが、周囲の者たちは尋常ではない彼女の行動に何の興味も示さず、何もなかったかのように過ぎ去っていく。


「で? アンタ誰よ? 

はぁーん。なるほど。露出狂女ね!!

もう、どうしてこんな事になってしまったのかしら…… あの時確かに六人しかいなかったのに……」


この女は何を言っているのか。

俺が露出狂女の訳ないだろう。カーチェさんじゃあるまいし。

まぁ、とりあえず冷静に考えると、この女は恐らく勇者一行の一人イルマだ。その身長故、最初は分からなかったが、よく見たら彼女をそのまま大きくしただけだ。でっかい小学生だな。


「もうっ、どうしてくれるのよ。これじゃあパーティーの皆にもシュラにも顔向けできないじゃない!!」


(知らないよ)


 ただ、俺は帝国紳士だから、相手が誰であろうと女性が困っているのは見過ごせないし、このままじゃ俺もこの本の世界から出られない。少しくらい話を聞くとしよう。


「まぁまぁ、泣かないで…… あれ?」


 声を発した瞬間。驚いたのは俺自身だった。俺の口から出た音は聞き慣れた俺の声ではない。それは可愛く、高貴で、そしてどこか恐ろしさを孕んだまさに、あのお方の声……


「…………っ!!」


 答えを出すのは簡単だ。俺の体を見ればいい。そしてそれは俺が知る体ではなかった。細く白い腕、流れるような金の髪。そして胸にある二つの違和感の塊。その姿はまさに成熟した女性。しかも第二皇女フィーナ姫様そのものだった。


「どうしたのよ血相変えて…… 困っているのはこっちよ。なんで私が|ATENDANT(従者)でアンタがHERO(勇者)なのよ。本来私が勇者でしょ。

 まぁ、もういいわ。早く行動を開始しましょ。アンタが動かないとここから出られないわよ」


「俺が動かないと? つまりどういう事?」


 俺は浅広き世界書ナロウ・ブックに関しては門外漢だ。正直、人を吸い込み、その中では理想の自分になれるという事しか知らない。なら、今はこの体の事は置いておいて、俺より知っていそうなドワフの女に聞くのがベターだろう。


「はぁー。まぁ、名門部族しか知らないししょうがないか。

 簡単に言うと、私たちは『本の物語』の中で役割を与えられているの。私が従者。アンタが勇者みたいな感じにね。多分他の連中も役割を与えられていると思うわ。

 それでここから出るには、与えられた役割を演じてハッピーエンドを迎えるしかないの。だから、勇者であるアンタはさっさと魔王なり悪の帝王なりを倒しなさい!!」


 従者はえらく高圧的にこの世界のルールを語った。

そして俺の中にある何かが、不思議と次に何をすべきかを告げてくる。それが彼女が言う役割なのだろうか。


「街の北から出て、最初のボスを倒しに行きます」


 俺はそのお告げに従い、行くべき場所を呟く。


「そう。それでいいのよ。ほらさっさと行くわよ。

 おっと、そう言えばアンタの名前は? 正直アンタを勇者様だなんて呼びたくないから早く教えなさい」


 不機嫌そうだったイルマが初めて笑顔を見せると、ニヤニヤしながら今度は俺の名前を聞いてくる。


「バアルだ」


「そう。それじゃあよろしくねバアルちゃん。

 ん? ほら早く行くわよ。時間がないんだから」


 行先も分かった。やるべき事も分かった。だが一つ気になる事がある。


「ちょっと聞きたいのだが、この世界で命を落とすとどうなるんだ?」


 こういった仮想空間でのサバイバルにおける死のペナルティ。よくあるのはこの空間で死ぬと、現実で何かを失うという奴だ。無知に飛び込んで現実世界で命を失ったらたまったものじゃない。


「ああ、死んだらどうなるって事ね。

 あそこを見て頂戴」


 ヘビーな話題のつもりだったが、イルマは何ともない様子で街中にある一軒の施設を指差した。そこにはでかでかと『迷子センター』と書かれている。


「この世界で役割を与えられている人間が死んだり、何らかの理由で領域外に出たりしたらあそこに送られるの。所謂リスポーン地点ね。

 でも、所持金とレベルが初期化するから出来れば死なずに行きたいわね」

 

 なるほど、迷子センター等と書かれているが、あそこには亡者の骨を薪にした炎が燃え上がっているらしい。


「それじゃあ。さっさと行くわよ!!」


 気になる事も無くなり、俺には彼女の指示に従わない理由はない。とりあえず、ここから出る為にお告げ通り頑張ってみるだけだ。





 そして北から街を出て、最初のモンスターを撃退したところで、冒頭に戻る。


 イルマの驚愕の表情から分かるように、俺は強すぎた。いや、フィーナ姫が強すぎたのだ。レベル1ながらも『ちから』のステータスはカンストしており、現れる野獣は撫でただけで昇天する。まさに死の天使だ。


「アンタおかしいわよ。いくら理想の姿って言っても、現実に即した限度があるのよ!!」


 世の中には現実離れした奴がいる。勇者一行の一人と雖も、フィーナ姫の凄さは信じられないか。

 だが、なるほど。イルマという少女も勇者一行の名に恥じず、中々のステータスで『すばやさ』に関しては姫を遥かに凌駕していた。まぁ、これも理想の自分を反映したものなのかもしれないが、あの時戦わずに済んでホッとする気分だ。


 一見即殺。俺達は向かう物をゴミのように粉砕し、ついに最初のボスが待つ『黒魔術の館』に到着した。

 まさに「何かがいる」洋館の佇まいで、さっきまではいなかったカラスの鳴き声がこだまする。そして雷が鳴り響き、光が暗闇を破ると、洋館の扉前に先ほどまでなかった小さい人影二つが姿を現した。

 二つの影は、人とは思えない奇妙な動きで礼をすると、背後にある大扉が不気味な音を立てて開き始めた。


「キキキ…… 私リカちゃん。主様の忠実なる剣」


「ククク…… 私バービー。主様の忠実なる盾」


「「ようこそ人形たちのパラダイス『黒魔術の館』へ!!」」


 影がその姿を露わにし、自分たちの名を名乗ったところで俺はこの館のボスの正体に察しがつき、顔を歪めた。



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