第3話「選ばれた者と、それの礎になる蟲」
進学を決意した俺に待ち受けていたのは、途方も無い倦怠感だった。
憂鬱。そんな言葉が常に頭の片隅に点在し、意識を蝕んでいく。まるで、炭酸で溶けていく歯のように内側から着実に蝕んでいくような気がした。
ただ、前日ともなるとある程度は吹っ切れると思っていたのだが、全くそんなことはなかった。むしろ倍増しているのでは無いかというほどに体がどこか怠い。
気のせい、と言われればその通りなのだが、なんだか熱っぽいような気もする。
たぶん明日になれば40度を越えてサボれるだろう。そんなどこかから湧いた自信に身を任せ、俺は眠りについた。
時刻は7時30分。
体温36.2度。 紛う事なき、健康体である。
残念なことに。
俺の期待に応えることのないこの身体! 壊してしまおうか! など、とは考えるが実行する勇気がないのは実験済み。 そんな意気地なしは、今日2年と10ヶ月13日ぶりに学校に行くのであった。
差し掛かる日差しは対岸の放った砲撃矢のように俺を貫いた。
やってらんねぇ... ...
そう、思いながら俺は歩みを進める。
俺が通う事になった、底辺私立の話をしよう。
まあ、底辺といっても俺がいるから底辺と揶揄しているだけであり、実際には中堅といったところか。
総生徒数1200名一学年400人を誇る、某地方都市に存在する。緑蛇高校。通称蛇高。
学業、部活動では屈指の名門校であり、ここからの就職先の斡旋も系列社にかなりのパイプを持っており、ここに入れば安泰と言うような、入学希望者が後を絶たないという名門校である。
と、いうのは建前。
実際は一部の生徒だけがそうなるのであり、その他の生徒はそいつらの養分でしかない。そう。俺もだ。
実際生徒数は1200+aとなっているし、aの扱いはそれは酷いもので、三年を待たずに卒業(退学)していくものが後を絶たない。
つまり、1200人のエリートを作る為に養分となる俺ら(a)がいるのだ。まるで社会の縮図だね。
その他、エリートと俺らの格差は酷い。学校施設の利用権や、学費、教師の質などかなりの面で差が出る。
そして、お決まりは考察ごとに張り出される順位表である。
順位は1300番まで張り出される。
1200番が人間としてのラインといわれ、エリートたちでも1200番を切ると問答無用で俺らの仲間入りらしい。
ざまあ、といってやりたいが、俺が言える立場ではない。
1300番以下なんて張り出す価値すらないと示唆しているようなものだ。
認知すらされないなんて、酷いと思わない?
思わない。そうですか。さいですか... ...。
校門に到着すると、紙が張り出されていた。
「俺のクラスはGクラスか...」
Aクラス30名 Bクラス50名 Cクラス100名 DEFは残った者を均等にランダムに配置しているらしい。
Gクラスはそれ以外。 つまり、a 人数すらわからない有象無象。
後で聞いたのでわかったのだが、
GarbageのGと呼ばれているらしい。
あぁ、誇らしい限りだね。
続く




