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髪長姫の転寝  作者: 四谷 秋
 第一の死
33/42

後悔

 燕と宗正が死んで一年がたった。


 俺は國守家の当主として燕の頭蓋を用いて神降ろしの儀式を行った。



 しかし、成功するはずもないのだ。



 突然の地震い、それに伴い火山は噴火、川は氾濫し、多くの人が死んだ。

 これもすべて、俺が招いたことだ。


 島の人間は髪長姫である燕が現世に執着したからだという。

 だがそれは違う。


 現世への執着を捨てきれず死んだ燕が悪いのではない。

 俺がすべて悪いのだ。

 俺はすべての選択から逃れ、時の流れに身を任せ、

 運命という言い訳を用いてすべてから逃げてきた。


 だから燕に現世への執着を持たせたまま殺してしまった。


 俺が臆病で、卑怯者だったから。

 だから俺がこの悲劇を起こしてしまった。



 誓ったはずなのに。

 燕が生まれてから、俺は兄として燕を守り、

 燕の未来を幸福に彩られたものにするように、燕の日々を支えてゆこうと。


 それなのに、俺は燕を選択できなかった。

 島と燕を天秤にかけて、選択から逃れてきた。



 その結果がこの大災害だ。


 俺はすべてから逃げて、そして島に禍を引き起こしてしまった。

 俺が卑怯者だから。臆病だから。



 俺は、償わなくてはならない。





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