11、青年期②
「ニャー」
ネコはラオの中で鳴いている……
「なぁ……なんでネコなんだ?」
「あっこのネコってね、この管理室の室長なんだよね……私はアルバイトなのよ…」
えっ…室長を懐の中に入れてたの?
「いや、癒し要員だからいいのよ……ねぇ、室長」
「にゃー」
………まぁ、良くあるネコの駅長みたいなものか……
「この駅長には、特殊な能力があってね、魔力が見れるのよ……」
「そうなのニャー」
えっしゃっシャベッター……
「えっ今こいつ……喋った…」
「ん?そんなことないよね…」
「にゃー」
「いやいやいやいやいやいやいやいや、絶対に喋ってただろ……」
「まったくそんなこと気にしないの……ねぇ、室長」
「にゃーー」
…………まぁ、いいか。
「で?魔力が見れるんだっけ?」
「そう、だから、ここでバカスカ撃ってコツをつかんでね……室長も魔力で怪我はしないけど気を付けてね?
あっリュート、時間は気にしないで…
じゃ、室長あとはお願いね……」
ラオは俺にネコの室長(仮)とっととこの部屋から出てしまった………
「………あの……室長さん……やっぱさっき喋りましたよね?」
「にゃー?」
「いや、絶対に喋ったよな?」
「にゃー」
「いやいや絶対に喋った…」
「にゃー!喋ったにゃー!これで満足かにゃー!?」
「にゃーにゃーうるせぇ!」
そういうとネコ(仮)の室長が暴れ始めた……
だが、あのナイフ戦で鍛えた反射神経で避けれる。
爪が迫る!
ミス!
爪が迫る!
ミス!
足が迫る!
もふもふでノーダメージ!
ネコの室長(笑)は疲れた……
「にゃぁー…にゃぁー…疲れたにゃ……てか、笑ってなんにゃよ……ちゃんと室長にゃよ……」
ふっ…余裕だな……
「くそぉ、なんでなんにゃー……なんで当たらないんにゃー……」
まぁ、いいか
「さて、室長そろそろ練習したいんですがいいですか?」
室長がニヤリとする……
「にゃっにゃっにゃっ練習したいなら、私にDO・GE・ZAするにゃ……」
「ふーん、そんな態度をとるのか」
俺はこのネコに手を向けた……
「にゃ!?なにするにゃ!?」
俺は実はお母さんから魔法の使い方自体は習っていたのだ……
魔力を扱うのは魔石という魔力が含まれるものを使えばいけるんだ……。
これは前にもいった出産時の時の実験にも使ったものだ……
ちなみにこの実験の結果はわずかに増えた程度らしいです………
まぁ、そこまで魔力自体、家で使わないからね……なくなんないんだね……
なんか、話逸れることが多いなぁ…まぁ、気にしないでそろそろビクビクしてたネコに向かって撃ってみますか……
感覚的にはぎゅっとやってバンって放つ感じらしい……
という訳でやってみますか…
ええとぎゅっとやって
ぎゅぅぅいぃぃぃんん
………やばそう。
「えっちょっ待つにゃ!今なら謝るだけで許すにゃ!」
まっいいか……なんかイラッてきたし……
バンっとね
そうすると俺の手から巨大な青色した球体がかなりの速度でネコの元へ飛んでいった……
バッキュゥーーン………ボガーン……
俺はその威力に唖然とした…………
「ああああああ危ないじゃにゃいか………わわわわかったにゃ、謝んなくてもいいから、こっちに向けないでくれにゃ………」
なにか室長が言ってるが聞こえなかった……
もっかい…やってみよう!
ぎゅぅぅいぃぃぃんん
バッキュゥーーン………ボガーン……
あっネコがなんか着弾点にいたような………まぁ、出てくるか……
俺が魔石を使って撃ったときはそれこそぎゅっとやったて音なんてなんなかったし、撃ってもこんな速度にはなんなかった………
それこそ、大きさはそのときに撃った時に5倍程度の大きさあったお母さんの100倍はあった……
これは、ボールという魔法でおおよそなにも考えずに撃てばだいたい100発は撃てる程度らしいです……
てことはだが……俺はお母さんの大体100倍はあるってことか…………
んで、お母さんは普通の人より1.5倍だったから……俺は普通の人の150倍もあるってこと!?
凄まじいな………。
「にゃぁ……」
あっ煙の中から目を回したネコが出てきた……
あっこのネコ、室長か……完全に忘れてた……………
「ひどいにゃ~……」
「ごめんごめん……」
えっと大きさをコントロールするには大きさを念じながらさっきのぎゅっとやってバンってやればいいんだっけかな……
試してみようかな………
それから、かなりの時間を掛けて色々なことを試してコツをつかんだ……
魔力自体はずっと安定していた……
そうやって丁度終わった時にラオが戻ってきた……
なお、あのネコは俺を不意討ちで引っ掻いて逃げていった……
「ねぇ、なんか室長が逃げていったんだけどどうしたの?」
「うん?いや、喋って偉そうだったから……」
そういうとラオが怒った……
「まだ言ってるの!?そんなわけないじゃない?」
「んじゃ、見せてあげるからちょっとあいつを呼んで隠れてて…」
そういうとラオは呼びしぶしぶと近くにあった扉の影に入った……
「にゃーにゃーにゃー怒られたかにゃー」
さて、あのネコがやってきたようだ……
ガチャ
「あれ?ラオはどうしたにゃー?」
「ん?お前の後ろの扉にいるぞ!?」
「にゃ!?図ったにゃ!?」
そしてそろそろとラオがここに戻ってきた……
なんか怒っていらっしゃる!?
「喋ってないじゃないですか!?」
なん……だと………
「にゃっにゃっにゃっ、貴様にはきこえるにゃ…にゃが、ラオには聞こえないにゃ……」
「なに!?俺にしか聞こえないだと……くそっ……すまなかった……このネコの声は俺にしか聞こえないらしい……」
「にゃっにゃっにゃっ、さぁ、ラオに怒られるにゃ!」
ラオはなんだか悩んでいるようだった。
「うーん、確かに私には聞こえないけど…あなたと会話しているように見えるね……ごめんなさい…」
「にゃん……だと……ミスったにゃ……」
むんずとラオは室長(怪しい)を掴んだ……
「まぁ、そこはたっぷりあとでこの室長と話すだけなんですがで?リュート…どうでしたか?」
「うーん、魔力自体は安定していたと思います………少し威力調整に手間取りましたが…まぁ、できるようになりました……」
「すごいわね……実はここ魔力が安定しないのよ……」
なん…だと…俺って実は…
「ええ、すごいわよ」
「よっしゃーーーーー!」
「ではそろそろお別れです……じゃぁ、異世界をどうか壊さないでくださいね?」
そんなことしないよ…ラオが大変になっちゃうからね……
そういって俺の意識はぷつんと途切れた……
気づくと元のあの魔力だまりだった……
丁度、ファリアお母さんとアイラが来たようだ………足音が2つ聞こえる…
立ち上がっておかなきゃ……
「リュート、大丈夫だった?私のときは気持ち悪さはあったんだけど……」
「うん……ただ、すこし、辛かった……」
「まぁ、そうね……多分あなたが一番この世界で初期魔力があるわ……
この魔力だまりがほとんどなくなっているんだもの…」
まじか…すげぇな………
なんでか悩んでいるお母さんにそわそわしていたアイラが話しかけた…
「私もなれるかな?」
そういわれたお母さんは手をアイラの上にのせて、
「なれるわよ……きっとね……あなたのお母さんはすごいもの、その血が通ってるあなたなら大丈夫だわ……」
まじでアイラのお母さんはすごかった……
まず、強い……
確か王国で1位2位を争うぐらいらしい…
でその夫がその争っている相手らしい……
戦争があり、俺たちにアイラを預けたらしい……
でまだ、頭に手をのせ、うふふ、あははとやっている微笑ましい風景を壊したのは俺の一言だった……
「あっ俺、なんか龍穴の管理室ってとこに意識だけいってた……」
ぴきりとお母さんが固まった……