†決意と友情~斉藤鋼欣視点3rd†
もう少し斉藤鋼欣視点続きます。
まだ、異世界にいけませんね…。
すみません……orz
誤字脱字あったらごめんなさいorz
あと、ブックマーク付いてることに気付きました!
読んでる人も100人以上いることに吃驚です。
ありがとうございます!!
出来ればこれからもよろしくお願いします。
「ただいま~。」
「お、お邪魔…します。」
俺は足を挫いたらしいルーをおぶって家に帰った。
「お帰り。おや?その子が転校生かい?
真っ白で綺麗な子だね~。鋼ちゃんが好k…」
「ば、ばあちゃんっ!!ルーナ怪我してるんだ!
手当てしてあげてっ!!」
ばあちゃんが余計なことを言おうとしたから、俺は思わず慌てて大きな声でそう叫ぶ。
「それは大変だ。早く居間に連れておいで。
すぐに手当てをしてから、温かいものを持ってくるからね?」
ばあちゃんはそう言い残して、早足で薬箱を取りに行った。
俺は自分の靴を脱いだ後に、ルーの靴を足を痛めないように脱がす。
「あ、ありが、とう…。」
「気にすんなって。」
ルーはまだ少し慣れないみたいで、話す時は途切れ途切れに言葉を繋いでいた。
いつかは普通に話してくれるのを期待しながら、
俺はまたルーをおぶって居間に向かう。
すると、ルーは不安なのかさっきよりきつくギュッと俺に抱き付いて、顔を俺の肩に埋めている。
────か、髪があたってくすぐったいし…凄くいい匂いがしている!!
俺は恥ずかしくて、つい早足で居間に向かった。
居間に辿り着くとそっとルーをソファーに座らせてあげる。
「ありが、とう…。」
「おうっ。足は大丈夫か?」
「少し…、痛い、けど…、大丈夫…多分。」
「………。」
────大丈夫じゃないみたいだなぁ……。
俺達が話していると、ばあちゃんが薬箱を持って現れた。
「鋼ちゃん、お湯を沸かしてきておくれ。
それから早く着替えてから、タオルと炭を持っておいで。」
「分かった。」
俺は急いでやかんを火にかけて着替える。
その後物置から炭を取って、タオルを一緒に持ってから居間へと向かった。
居間では、ばあちゃんがルーの足に包帯を巻いて手当てをしている。
「痛むかい?大丈夫?」
「は、はい…。だ、大丈夫…です。
あ、ありがとうございます……。」
ルーは口では大丈夫って言ってはいるけど、痛そうな顔をしていた。
────絶対我慢してるな…。
別にしなくていいのに。
俺はルーの隣に座って、タオルでルーの雪で濡れた髪を拭いてやる。
「んっ…………。」
ルーは大人しくしていた。
ルーの髪は凄く柔らかくてサラサラしている。
白銀の髪は光を反射して、とても綺麗にキラキラと輝いていた。
────綺麗だな……。
俺は思わず手を止めて、目を奪われている。
「……………?」
手が止まったのを不思議に思ったルーが、どうしたのかと俺を見上げた。
俺は何でもないという風に慌ててルーの髪を拭き続ける。
「随分と仲が良いんだね~?」(ニヤニヤ
ばあちゃんがニヤニヤと笑いながら、俺達を観察するように見ていた。
「と、友達だからだよっ////」
「んっ……、とも、だち。」
「そうかい。それはいいね~。
囲炉裏に火を起こすからこっちにおいで。」
「分かった。」
「……いろり?」
「部屋の真ん中にあるやつだよ。
すっごく温かいんだぜ!」
俺はルーに手を貸しながら囲炉裏に近寄る。
ルーは、囲炉裏を初めて見るようで興味津々と綺麗な目をキラキラさせて見ていた。
ばあちゃんが囲炉裏に炭を入れて火を起こす。
「……あったかい。」
ルーはゆらゆら揺れる炎を見つめながら、小さく呟いた。
「なっ!温かいだろ?」
「うんっ。」
そうやって俺達が仲良く話していると、じいちゃんが片手にやかんを持って現れる。
「お~い、お湯沸いてたぞ~。
……んっ?鋼欣の同級生か?こんにちは。」
「こ、こんにちは……。」
「随分と真っ白で綺麗なんだなぁ…。
それに綺麗な目をしている。
そうか、お前が鋼欣が惚れt……」
「じ、じいちゃん!!!
お、俺じいちゃんに話があるんだっ!!
道場に行こうっ!!」
じいちゃんも、ばあちゃんみたいに余計なことを言いそうだったから、俺は慌ててじいちゃんを道場へ連れ出そうとした。
「素直になればいいのになぁ…?」(ニヤニヤ
「うっ……!る、ルーナ!
俺じいちゃんと話してくるから、また後でなっ!!」
「あっ………、うん…。」
ルーは少し寂しそうにしていたけど、俺はじいちゃんと道場へ向かう。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
「で、話ってのは?恋の相談か?」(ニヤニヤ
「ち、違うっ!!
じいちゃんっ、俺もっと強くなりたいんだ!!!」
じいちゃんと道場に来た俺は、さっそくじいちゃんにルーを守るため強くなりたいと言った。
「それは、どうしてだ?」
じいちゃんは真面目な顔で尋ねる。
「俺、ルーナを虐めて怪我させた奴等を稽古でやっつけたいんだ!!」
「稽古でってことは、そいつ等はここに通っているのか?」
「うんっ!いつも威張っててムカつく阿呆とその取り巻きの連中!!」
名前は思い出せなかったから、ただの悪口だけじいちゃんに伝える。
別に覚える気もないけどなっ!!
「あぁ…、あの阿呆共か。」
じいちゃんには誰か分かるようだ。
「前から阿呆だとは思ってたが……、数人で女を虐めて怪我させるとは…。
はぁ…、やはり一度本気でしごくか。」
あぁ…あの阿呆達死んだな。
あいつ等が悪いではあるけど……。
じいちゃんが本気でしごくとか言ってるし、地獄を味わえばいいんだっ!!
「じいちゃん!!殺るのは別にいいけど、最初は俺にやらせて!!それで絶対に勝って、ルーナに土下座で謝らせてやるんだっ!!」
「おい、こら。しごくとは言ったが誰も殺るとは言ってないぞ?
あの阿呆共に謝らせるとは言うが、勝つ自信はあるのか?」
「絶対に勝つ!!!」
「なら、これから一週間稽古をつける。
今までよりもっと厳しいぞ?
覚悟しとくんだな。」
「はいっ!!よろしくお願いしますっ!!!」
それから俺は、しばらくじいちゃんと稽古を続けていた。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
稽古を終えて俺は、じいちゃんと居間へと戻る。
正直へとへとで死にそうだ。
腕もジンジンと痺れて痛い。
「ふぅ~、いい汗掻いたな♪」と言っているじいちゃんが少し恨めしい。
じいちゃんはやっぱり化け物だ。
そんなことを考えているうちに、灯りが洩れている居間へと辿り着いた。
襖を開けると、そこにはばあちゃんともう帰ったと思っていたルーがいる。
ルーは風呂に入ったらしく、俺の服を着ていた。
ルーには少し大きいみたいで、袖を垂らしている。
その姿は、ものすごく可愛かった。
「ルーナ?帰ったんじゃないの?」
「今日は、……泊まって、いきなさいって、言われたの……。孤児院の、先生も…大丈夫って、言ってたの……。斉藤、君は……、嫌……?」
「い、嫌なんかじゃないよ!とっても嬉しいぜ!」
「ほん、とう……?それ、なら…よかった。」
そう言ってルーは、ふわりと笑う。
「そ、そっか!/////」
その笑顔は、さっきまでの疲れを吹き飛ばすぐらいの効果が俺にはあった。
「鋼欣!さっさと風呂に入るぞ!早く来い!」
「分かった!じゃあ、行ってくる。」
「うん…。」
俺はルーにそう言うと、急いで風呂に向かう。
風呂から上がると夕食の支度が既に出来ていた。
今日の夕食は八宝菜と中華スープに餃子みたいだ。
ルーがいるからか、少し豪華になっている。
俺はすぐにルーの隣に座った。
「「「いただきます。」」」
「い、いただきます…。」
ルーは、少し遠慮がちに食べていた。
「ルーナ、もっと食べていいんだぜ?」
「そうだよ。遠慮なんてしなくていいさね~」
「そうだ。たくさん食べないと大きくなれんぞ。
せっかく別嬪さんになりそうだしな!」
「うっ、は、はい…、ありがとう、ございます。」
他にも色々話しながら、いつもより楽しい夕食を俺は満喫する。
「ルーナちゃん、鋼ちゃんとはちゃんと仲良く出来てるのかい?」
ばあちゃんがルーに問いかけていた。
そんなの出来てるに決まってるじゃんっ。
俺とルーは、友達だしな!
「はい、……斉藤君、とは、…とも、だち、です。だから……、大好きっ……、です。」
「ごほっ!?……っ!?」
俺はルーの“大好き”という言葉に、嬉しさと驚きで中華スープを吹き出した。
あっ………、じいちゃんにぶちまけた。
「ま、またやっちゃった」(テヘッ★
「だから、可愛くないわっ!!阿呆が!!」(バシッ
「い、痛い……。」(涙目
「…………???」
ルーは、不思議そうに驚いた顔で俺を見ている。
「だ、大丈夫…?」
とルーは、俺の頭を撫でた。
「───っ!!大丈夫!////」
「ほん、とう……?顔、拭いて…、あげるの…。」
そう言うと、ルーは俺に近づいて口周りを拭いてくれる。
「お、おうっ!!ありがとう!!/////」
────か、顔が近い!!!
「んっ………。」
「お前は早く周りも片付けんかっ!!この馬鹿者!!」
「わ、分かってるよ!!」
「ったく、せっかく風呂に入ったのに、面倒を起こしやがって!!」
色々なハプニングがあったけど、この日の夕食はとても楽しかったと今でも俺は覚えていた。
ばあちゃん「さて、もう寝る時間だよ。ルーナちゃ んは誰と寝るかね~?」
鋼欣「お、俺ルーナと一緒に寝る!!」
じいちゃん「餓鬼にはまだ早いんじゃ……」
ルーナ「わ、私も……、斉藤、君と…一緒がいい、 です…。」
ばあちゃん「それじゃあ、布団を敷いておいで。
おやすみ。」
ルーナ「お、おやすみ…、なさい。」
じいちゃん「おやすみ…。(いいのか……)」
鋼欣「おやすみ。ルーナ、行こうっ!!」
ルーナ「うんっ。」
こうしてチビ鋼欣とチビルーナは、仲良く手を繋いだまま一緒に夢の中へ行ったのです★