†友達と誓い~斉藤鋼欣視点2nd~†
今回は少し虐めの表現があります。
気分を害したらすみませんorz
チビ鋼欣健気です。
じいちゃんとばあちゃんは、結構いい性格していると思います。
チビルーナは……どうなんでしょう?
誤字脱字あったらごめんなさいorz
今日からやっとルーに逢えるんだ!!
3日間風邪をひいて学校を休むしかなかった俺は、朝から早く学校に行きたくて仕方がなかった。
「勉強嫌いのあの子が…あんなに学校に行きたがるなんて…風邪でおかしくなったのかね~?」とばあちゃんの凄く失礼な声が聞こえる。
正直酷いと思う。確かに、勉強は嫌いだけどさ…。
「あれだったら、稽古ももう少し厳しくしてもいいかもしれんな…!」とじいちゃんの恐怖発言も聞こえてきた。
げっ!!今より厳しくなる!?俺、殺される!?
俺の住んでる家は、剣道の道場をやっている。
教えているのはじいちゃんだ。
じいちゃんはずっと若い頃、剣道で世界的に有名だったらしい。
そのせいか俺に剣道の稽古をつけて毎日毎日、殺されるんじゃないかというぐらいしごかれている。
正直辛いし痛い。
まぁ…やめたいとも思わないけどさ?
もう少し優しくしてほしい。
竹刀を握ったじいちゃんはかなり恐いし。
「可愛い恋人でも出来たのかね~?」とばあちゃんが言った。
「ごほっ!!……っ!?」
ばあちゃんの妙に鋭い言葉に、俺は思わず味噌汁を吹き出す。あっ……じいちゃんにぶちまけた。
「わ、わざとじゃないよ?」(テヘッ★
「別に可愛くないわっ!!このっ馬鹿者!!」(バシッ
「いってぇ!?ひ、酷いっ!!本当にわざとじゃ…っ!」
「いいからっ、早く片付けんか!!」
「ったく………」
渋々俺はぶちまけた味噌汁を片付ける。
「おや、図星だったのかねぇ~?」(ニヤニヤ
「こ、恋人とかいないしっ!!」
「それじゃあ、可愛い子でも見つけたかい?
確か転校生が来たって言ってたね~?」(ニヤニヤ
「うっ………!!」
どうして、ばあちゃんはこんなに鋭いんだ…??
「どんな子か気になるね~。
近いうち家に連れておいで。」
「いいのっ!?」
俺は嬉しくて聞き返した。
「そりぁ…、鋼ちゃんの好きな子なんだろ? 会いたいさぁね~」(ニヤニヤ
「す、好き……?/////」
「好きな女が出来たのなら、もっと稽古をつけてやらなきゃならんな!!」(ニヤニヤ
「うっ……分かってるよ!!俺、強くなる!!」
「「楽しみだな!!(ね~)」」
「じ、じゃあっ学校行ってくる!!」
俺は恥ずかしくて慌てて家から出る。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
いつもより早く家を出たせいか、あまり登校している生徒はいない。
一番かなと思って教室に入ると、逢いたくて仕方がなかった白い人影があった。
「ルーナっ!!おはよう!!」
俺は嬉しくてそうルーに話しかける。
「───っ!?あっ………、お、おは、よう……。」
ルーは何故か凄く怯えていた。
驚かせたかな?と思ってルーに近づく。
そして、俺が見たものは───
「っ!?何、だよ、これ……?」
俺が見たルーの机には…………、
“ばけもの”
“あくま”
“捨て子”
“学校来るな”
“死んじゃえ”
と、酷い落書きがそこら中にされていた。
机の中には、細かい紙切れが覗いていて床にも散らばっている。
多分教科書とかノートだろう。
「ルーナっ!!誰にやられたんだ!?」
俺はルーの肩を掴んで問いかけた。
ルーは、びくっと体を震わせて怯えた声で俺にこう言ったんだ。
「……もう、私に……、話しかけないで…。
関わらないで……。お願い、だから……、
私に、優しく、しないで……!!」
ルーは震えながら俯いて、泣きそうな声でそう言ったんだ。
「!!!」
俺は、何も言えなかった。
どうしたら、何て言えばいいのか分からなかった。
「……ごめん、なさい。」
ルーはそう言って、何処かへと走り出す。
俺は1人教室に残された。
俺はどうすればいい?何が出来る?
どうすれば、ルーを助けられる?
俺はまだ、ルーの笑顔を見たことがない。
真っ白で紅と蒼の瞳を持つ、宝石のようなルーの笑顔はきっと凄く綺麗で可愛いだろう。
俺は、ルーの笑顔がみたい!!
ルーに笑ってほしい!!
だから、俺はルーのそばにいて、今までよりもちゃんと稽古を真面目に頑張って強くなって、ルーを助けるんだ!!
俺はそう強く決心した。
「まずは、机を綺麗にしなきゃな!!」
そうして、俺は1人でルーの机を綺麗に掃除した。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
時間が経って教室には、他のクラスメイトが登校している。
朝のホームルームが始まる直前に、ルーは俯きながら教室に入ってきた。
ルーが来た瞬間、周りからはクスクスと嘲笑う声が聞こえる。
俺は怒鳴ってやりそうになるのを必死で堪えた。
ルーは重い足取りで、席に近づく。
綺麗になった机を見ると、ルーは驚いて綺麗な目を見開いていた。
俺は周りに気付かれないようにルーに笑いかける。ルーは何かを言いたそうにしたけど、静かに黙って席に着いた。
それからは、なるべく俺はルーのそばにいるようにする。
ずっと俺がルーに話しかけているから、他のクラスメイトの奴等はルーに近付かなかった。
まぁ…ルーは殆ど無言で、俺をなるべく避けようとしたけど。
下校時間になってルーと帰ろうとすると、いつの間にかルーはいなかった。
俺は慌ててルーを追いかける。
クラスの友達にはルーに関わらない方がいいと言われているけど、そんなのは嫌だ!!
そんなことするくらいなら、そいつと友達やめてやるんだ!!
しばらくルーを探していると、何人かに囲まれ怯えて地面にしゃがみ込んでいるルーがいた。
ルーはとても震えて俯いていた。
ルーの体には所々に、傷がついていたりして土で汚れている。
俺は、とてつもなく怒りが込み上げてきて、目の前にいた奴を突き飛ばした。
「やめろっ!!」
俺はルーを後ろに庇いながら怒鳴る。
「っ!?斉藤!?何するんだよっ!!」
俺が突き飛ばした奴は、確か教育委員会の会長の子供だとか何とかで威張っている阿呆だ。
それに、俺の家の道場にも通っていてじいちゃんにも嫌われている。
本人は気付いていないけど。
「ルーナを虐めんなっ!!この臆病野郎!!」
「なっ!?俺が臆病!?ふざけんなっ!!俺を突き飛ばして怪我させたこと、父さんに言いつけてやる!」
「それが臆病だって言ってるんだよ!!
父親がいないと何も出来ないし、こうやって何人かと一緒じゃないと怖いんだろう!!」
「────っ!!」
そう言うと、この阿呆は何も言い返さない。
「早く失せろっ!!それともお前の父親にこのこと言いつけられたいか?」
「ちっ………!!」
それを聞いた阿呆達は、舌打ちして消えた。
「ルーナっ!!大丈夫か!?」
俺はルーの肩に手を置いて問いかける。
ルーは酷く怯えて信じられない顔で俺を見ていた。
それからルーは、泣きそうな声でこう言う。
「どう、して……?関わらないでって……言ったはずなのに……?私に…、優しくしないでって……、お願い、したのに……?お願い、だからっ!!
私を放っておいてっ!!」
ルーはそう言って俺から離れようとした。
だから、俺はルーの手を掴んで、
「嫌だっ!!俺はルーナと友達になるんだ!!
だから、俺が一緒にいてルーナを守ってやる!!!」
そう言うと、ルーは泣くのを我慢して綺麗な目に涙を溜めながら、震えた声で問いかける。
「とも、だち……?私と…?」
「おうっ!!俺はルーナと友達になりたいんだ!!」
「私は……、孤児、なのに…?
他の人達と…、違うのに?どう、して……?」
ルーは信じられないという顔で、でも、どこか縋るような顔で問いかけてきた。
「そんなの関係ないからっ!!
俺はルーナと友達になりたい、それだけだ!!!」
本当は、好きだからだけど…まさか正直に言えるわけないし…な?
「ほん、とうに…?
私と……友達になって、くれるの?
……一緒に、いて、くれるの?」
ルーは、もう耐えきれなくなって泣きながら問いかけている。
「おうっ!!今から俺とルーナは友達だ!!」
そう言って、俺はルーの頭を撫でた。
「────っ!!う、うんっ!!斎藤、君と…とも、だち……う、うわあぁぁぁんっ」
そう言ってルーは、耐えきれなくなったのか泣きながら俺に抱き付いてくる。
「!!!」
俺は驚いて一瞬固まってしまったけど、ゆっくりとルーの頭を撫で続けた。
「うっ……、ご、ごめん、なさいっ!…ひっく!!」
「…?何で謝るんだ?」
「ひっく……、だ、だって……、学校でっ、机、綺麗にしてくれた、のにっ、話しかけて、くれて、助けてくれた、のにっ、お礼も言わなくてっ、斎藤君をっ、避けたり、した、からっ!
うっ……、ご、ごめんなさいっ!」
「べ、別に気にしてないからな?
もう、大丈夫だから泣くなよ。
俺達は“友達”だろ?」
「───っ!!う、うんっ!!」
それからしばらくルーは、俺に抱き付いたまま泣いていた。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
「それじゃあ、帰ろうっ!!」
「う、うん……。」
ルーが泣き止んで帰ろうと、俺はルーの手を握って立たせる。
灰色の空からは雪が降っていて、周りを白く染めあげていた。
傷が痛むのか、ルーは少し辛そうだ。
よしっ!!あの阿呆を稽古の時に〆てやる!!
俺はルーを痛めつけたあの阿呆に、必ず痛い目を見せると密かに決心する。
「大丈夫か?」
「うん…だ、大丈夫。」
「よしっ!!俺の家に連れて行ってばあちゃんに手当てしてもらおうぜっ!!」
「いいの……?迷惑、じゃない…?」
「迷惑なわけないだろ。友達なんだから!!」
俺がそう言うと、ルーは……
「うんっ!!友達!!」
───と初めて綺麗に笑った。
雪が降り積もって、白銀の世界の中で綺麗に笑う真っ白なルーは、本当に綺麗で可愛い。
────やっぱり、ルーは笑ったら宝石みたいに綺麗で可愛いんだな……。
こうして、俺達は友達になったんだ。
鋼欣「ルーナ、歩けるか?」
ルーナ「う、うん。……あっ!!」(ドサッ
鋼欣「──っ!!大丈夫じゃないじゃんっ!」
ルーナ「ご、ごめん、なさいっ!!」(涙目
鋼欣「な、泣くなよ!?ほらっおぶってやるから。」
ルーナ「……いいの?」
鋼欣「おうっ!!俺の家までちゃんと連れいく。」
ルーナ「うんっ。……重く、ない?」
鋼欣「だ、大丈夫!!お、重くないからっ/////」
(か、顔が近いっ!!いい匂いもする/////)
ルーナ「あ、ありが、とう…/////」
鋼欣「じ、じゃあ行くか!!/////」
ルーナ「うんっ!!」
鋼欣はチビ鋼欣の頃からイケメンさんなのでした★