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白銀の歌姫による異世界EXAUDI  作者: Chernyy kot
‡Overture‡
7/44

†友達と誓い~斉藤鋼欣視点2nd~†

今回は少し虐めの表現があります。

気分を害したらすみませんorz

チビ鋼欣健気です。

じいちゃんとばあちゃんは、結構いい性格していると思います。

チビルーナは……どうなんでしょう?

誤字脱字あったらごめんなさいorz

 今日からやっとルーに逢えるんだ!!

3日間風邪をひいて学校を休むしかなかった俺は、朝から早く学校に行きたくて仕方がなかった。

「勉強嫌いのあの子が…あんなに学校に行きたがるなんて…風邪でおかしくなったのかね~?」とばあちゃんの凄く失礼な声が聞こえる。

正直酷いと思う。確かに、勉強は嫌いだけどさ…。

「あれだったら、稽古ももう少し厳しくしてもいいかもしれんな…!」とじいちゃんの恐怖発言も聞こえてきた。

げっ!!今より厳しくなる!?俺、殺される!?

俺の住んでる家は、剣道の道場をやっている。

教えているのはじいちゃんだ。

じいちゃんはずっと若い頃、剣道で世界的に有名だったらしい。

そのせいか俺に剣道の稽古をつけて毎日毎日、殺されるんじゃないかというぐらいしごかれている。

正直辛いし痛い。

まぁ…やめたいとも思わないけどさ?

もう少し優しくしてほしい。

竹刀を握ったじいちゃんはかなり恐いし。

「可愛い恋人でも出来たのかね~?」とばあちゃんが言った。

「ごほっ!!……っ!?」

ばあちゃんの妙に鋭い言葉に、俺は思わず味噌汁を吹き出す。あっ……じいちゃんにぶちまけた。

「わ、わざとじゃないよ?」(テヘッ★

「別に可愛くないわっ!!このっ馬鹿者!!」(バシッ

「いってぇ!?ひ、酷いっ!!本当にわざとじゃ…っ!」

「いいからっ、早く片付けんか!!」

「ったく………」

渋々俺はぶちまけた味噌汁を片付ける。

「おや、図星だったのかねぇ~?」(ニヤニヤ

「こ、恋人とかいないしっ!!」

「それじゃあ、可愛い子でも見つけたかい?

確か転校生が来たって言ってたね~?」(ニヤニヤ

「うっ………!!」

どうして、ばあちゃんはこんなに鋭いんだ…??

「どんな子か気になるね~。

近いうち家に連れておいで。」

「いいのっ!?」

俺は嬉しくて聞き返した。

「そりぁ…、(こう)ちゃんの好きな子なんだろ?   会いたいさぁね~」(ニヤニヤ

「す、好き……?/////」

「好きな女が出来たのなら、もっと稽古をつけてやらなきゃならんな!!」(ニヤニヤ

「うっ……分かってるよ!!俺、強くなる!!」

「「楽しみだな!!(ね~)」」

「じ、じゃあっ学校行ってくる!!」

俺は恥ずかしくて慌てて家から出る。


♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬


 いつもより早く家を出たせいか、あまり登校している生徒はいない。

一番かなと思って教室に入ると、逢いたくて仕方がなかった白い人影があった。

「ルーナっ!!おはよう!!」

俺は嬉しくてそうルーに話しかける。

「───っ!?あっ………、お、おは、よう……。」

ルーは何故か凄く怯えていた。

驚かせたかな?と思ってルーに近づく。

そして、俺が見たものは───

「っ!?何、だよ、これ……?」

俺が見たルーの机には…………、

“ばけもの”

“あくま”

“捨て子”

“学校来るな”

“死んじゃえ”

と、酷い落書きがそこら中にされていた。

机の中には、細かい紙切れが覗いていて床にも散らばっている。

多分教科書とかノートだろう。

「ルーナっ!!誰にやられたんだ!?」

俺はルーの肩を掴んで問いかけた。

ルーは、びくっと体を震わせて怯えた声で俺にこう言ったんだ。

「……もう、私に……、話しかけないで…。

関わらないで……。お願い、だから……、

私に、優しく、しないで……!!」

ルーは震えながら俯いて、泣きそうな声でそう言ったんだ。

「!!!」

俺は、何も言えなかった。

どうしたら、何て言えばいいのか分からなかった。

「……ごめん、なさい。」

ルーはそう言って、何処かへと走り出す。

俺は1人教室に残された。

俺はどうすればいい?何が出来る?

どうすれば、ルーを助けられる?

俺はまだ、ルーの笑顔を見たことがない。

真っ白で紅と蒼の瞳を持つ、宝石のようなルーの笑顔はきっと凄く綺麗で可愛いだろう。

俺は、ルーの笑顔がみたい!!

ルーに笑ってほしい!!

だから、俺はルーのそばにいて、今までよりもちゃんと稽古を真面目に頑張って強くなって、ルーを助けるんだ!!

俺はそう強く決心した。

「まずは、机を綺麗にしなきゃな!!」

そうして、俺は1人でルーの机を綺麗に掃除した。


♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬


 時間が経って教室には、他のクラスメイトが登校している。

朝のホームルームが始まる直前に、ルーは俯きながら教室に入ってきた。

ルーが来た瞬間、周りからはクスクスと嘲笑う声が聞こえる。

俺は怒鳴ってやりそうになるのを必死で堪えた。

ルーは重い足取りで、席に近づく。

綺麗になった机を見ると、ルーは驚いて綺麗な目を見開いていた。

俺は周りに気付かれないようにルーに笑いかける。ルーは何かを言いたそうにしたけど、静かに黙って席に着いた。

それからは、なるべく俺はルーのそばにいるようにする。

ずっと俺がルーに話しかけているから、他のクラスメイトの奴等はルーに近付かなかった。

まぁ…ルーは殆ど無言で、俺をなるべく避けようとしたけど。

 下校時間になってルーと帰ろうとすると、いつの間にかルーはいなかった。

俺は慌ててルーを追いかける。

クラスの友達にはルーに関わらない方がいいと言われているけど、そんなのは嫌だ!!

そんなことするくらいなら、そいつと友達やめてやるんだ!!

しばらくルーを探していると、何人かに囲まれ怯えて地面にしゃがみ込んでいるルーがいた。

ルーはとても震えて俯いていた。

ルーの体には所々に、傷がついていたりして土で汚れている。

俺は、とてつもなく怒りが込み上げてきて、目の前にいた奴を突き飛ばした。

「やめろっ!!」

俺はルーを後ろに庇いながら怒鳴る。

「っ!?斉藤!?何するんだよっ!!」

俺が突き飛ばした奴は、確か教育委員会の会長の子供だとか何とかで威張っている阿呆だ。

それに、俺の家の道場にも通っていてじいちゃんにも嫌われている。

本人は気付いていないけど。

「ルーナを虐めんなっ!!この臆病野郎!!」

「なっ!?俺が臆病!?ふざけんなっ!!俺を突き飛ばして怪我させたこと、父さんに言いつけてやる!」

「それが臆病だって言ってるんだよ!!

父親がいないと何も出来ないし、こうやって何人かと一緒じゃないと怖いんだろう!!」

「────っ!!」

そう言うと、この阿呆は何も言い返さない。

「早く失せろっ!!それともお前の父親にこのこと言いつけられたいか?」

「ちっ………!!」

それを聞いた阿呆達は、舌打ちして消えた。

「ルーナっ!!大丈夫か!?」

俺はルーの肩に手を置いて問いかける。

ルーは酷く怯えて信じられない顔で俺を見ていた。

それからルーは、泣きそうな声でこう言う。

「どう、して……?関わらないでって……言ったはずなのに……?私に…、優しくしないでって……、お願い、したのに……?お願い、だからっ!!

私を放っておいてっ!!」 

ルーはそう言って俺から離れようとした。

だから、俺はルーの手を掴んで、

「嫌だっ!!俺はルーナと友達になるんだ!!

だから、俺が一緒にいてルーナを守ってやる!!!」

そう言うと、ルーは泣くのを我慢して綺麗な目に涙を溜めながら、震えた声で問いかける。

「とも、だち……?私と…?」

「おうっ!!俺はルーナと友達になりたいんだ!!」

「私は……、孤児、なのに…?

他の人達と…、違うのに?どう、して……?」

ルーは信じられないという顔で、でも、どこか縋るような顔で問いかけてきた。

「そんなの関係ないからっ!!

俺はルーナと友達になりたい、それだけだ!!!」

本当は、好きだからだけど…まさか正直に言えるわけないし…な?

「ほん、とうに…?

私と……友達になって、くれるの?

……一緒に、いて、くれるの?」

ルーは、もう耐えきれなくなって泣きながら問いかけている。

「おうっ!!今から俺とルーナは友達だ!!」

そう言って、俺はルーの頭を撫でた。

「────っ!!う、うんっ!!斎藤、君と…とも、だち……う、うわあぁぁぁんっ」

そう言ってルーは、耐えきれなくなったのか泣きながら俺に抱き付いてくる。

「!!!」

俺は驚いて一瞬固まってしまったけど、ゆっくりとルーの頭を撫で続けた。

「うっ……、ご、ごめん、なさいっ!…ひっく!!」

「…?何で謝るんだ?」

「ひっく……、だ、だって……、学校でっ、机、綺麗にしてくれた、のにっ、話しかけて、くれて、助けてくれた、のにっ、お礼も言わなくてっ、斎藤君をっ、避けたり、した、からっ!

うっ……、ご、ごめんなさいっ!」

「べ、別に気にしてないからな?

もう、大丈夫だから泣くなよ。

俺達は“友達”だろ?」

「───っ!!う、うんっ!!」

それからしばらくルーは、俺に抱き付いたまま泣いていた。


♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬ 

 「それじゃあ、帰ろうっ!!」

「う、うん……。」

ルーが泣き止んで帰ろうと、俺はルーの手を握って立たせる。

灰色の空からは雪が降っていて、周りを白く染めあげていた。

傷が痛むのか、ルーは少し辛そうだ。

よしっ!!あの阿呆を稽古の時に〆てやる!!

俺はルーを痛めつけたあの阿呆に、必ず痛い目を見せると密かに決心する。

「大丈夫か?」

「うん…だ、大丈夫。」

「よしっ!!俺の家に連れて行ってばあちゃんに手当てしてもらおうぜっ!!」

「いいの……?迷惑、じゃない…?」

「迷惑なわけないだろ。友達なんだから!!」

俺がそう言うと、ルーは……

「うんっ!!友達!!」

───と初めて綺麗に笑った。

雪が降り積もって、白銀の世界の中で綺麗に笑う真っ白なルーは、本当に綺麗で可愛い。

────やっぱり、ルーは笑ったら宝石みたいに綺麗で可愛いんだな……。

こうして、俺達は友達になったんだ。

鋼欣「ルーナ、歩けるか?」

ルーナ「う、うん。……あっ!!」(ドサッ

鋼欣「──っ!!大丈夫じゃないじゃんっ!」

ルーナ「ご、ごめん、なさいっ!!」(涙目

鋼欣「な、泣くなよ!?ほらっおぶってやるから。」

ルーナ「……いいの?」

鋼欣「おうっ!!俺の家までちゃんと連れいく。」

ルーナ「うんっ。……重く、ない?」

鋼欣「だ、大丈夫!!お、重くないからっ/////」

   (か、顔が近いっ!!いい匂いもする/////)

ルーナ「あ、ありが、とう…/////」

鋼欣「じ、じゃあ行くか!!/////」

ルーナ「うんっ!!」


鋼欣はチビ鋼欣の頃からイケメンさんなのでした★



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