†終焉と願い†
今回は鈴音が暴走します☆。
誤字とかあったらごめんなさい。
「…鈴音?」
僕の目の前に現れたのは鈴音だった。
来てくれたんだね!と嬉しくて笑いかけた時、鈴音はとても綺麗な笑顔で、でも、とても暗く沈んだ濁った目で───
「ばいばい。」
と、僕に言ったんだ。
「あっ…………」
気づいたら僕は、喉からたくさんの紅を撒き散らしながら倒れていた。
「─────っ!!!!」
喉が、熱い!!痛い!!声が出ない!!どうして!?
驚いて鈴音を見ると、鈴音は血塗れで手に紅で彩られた銀色に光るものを持って嗤っていた。
そして、それを投げ捨てて鈴音は何か液体の入った瓶の中身を僕の顔に目掛けて投げつけた。
「───────!!!!!!!」
その瞬間、僕の顔から聞こえてはいけない焼けたような音がした。
顔が、熱い!!あつい!!アツイ!!誰か助けて!!!
声にならない僕の絶叫が響く。
顔に触れた僕の手からは、濡れた音がして剥がれた皮膚がべっとりと張り付いていた。
「─────!!!!!!」
それを見た僕の思考は恐怖と絶望で塗りつぶされていく……。
嫌だ!!怖い!!こわい!!コワイ!!
「──っ!?ルー!!!」
鋼欣の驚いて慌てた声が聞こえる。
嫌…来ないで。僕を見ないで…!!
「鈴!?お前っ何してんだよ!?」
鋼欣が僕を抱き抱えながら鈴音に怒鳴っている。
「あはははははははっ!!何ってぇ?奪ったんだよ!!夢を!!声を!!綺麗な顔も!!私にはない全てをね!!!」
鈴音は嗤ってそう吐き捨てる。
「だって、ズルいじゃない…。私と同じ孤児で虐められて大切なものなんてないはずなのに!!どうしてルーナだけ幸せなの?どうしてルーナだけあなたのそばにいるの?ねぇ?どうして?ドウシテ?ドウシテ!?ドウシテ!?ドウシテナノヨ!!!!」
鈴音は壊れたようにどうしてと繰り返す。
いや、もう鈴音は壊れてしまった…。
鈴音は、泣きながら僕に対して沈んで狂って低い声で呪いの言葉をぶつけてくる…。
嫌だ。やめて。聞きたくない!!鈴音の声はこんな穢れた声じゃない!!
こんな壊れて醜い顔なんかしてない!!
鈴音は声も顔も全てがとても綺麗で優しくてお姉ちゃんみたいな僕の大切な大親友なんだ!!
……なのに、どうして?こうなったのだろう?
「鈴…お前、何を言って……」
恐怖に震えた声で鋼欣が問いかけている。
「どうして、あなたがそんな顔で私を見るの?
ルーナに向けるような優しい顔をしてくれないの?
私は孤児と差別されて虐められていたあの地獄から救ってくれたあなたがずっと好きだったのに…。ずっとずっとズットズットずーっと想っていたのに!?
どうして気付いてくれないの?いつもあなたはルーナだけを見ていて私を見てくれない…。
だからねぇ?ルーナがいなくなれば…ルーナが消えちゃえば…私だけを見てくれると思ったの。
でも、駄目なんだね…?やっぱりあなたはルーナが好きなんだね…?それでもいいの。あなたからルーナを奪うことが出来れば後はもうどうでもいいの!!
アハハハハハハハハッ!!!モウ、スベテガドウデモイイノ!!」
鈴音はそう言って嗤い続けている…。
鈴音は僕をずっと恨んでいた。
それが、どうしようもなく悲しくて怖い…。
どうして…鈴音の気持ちを分かってあげられなかったのだろう?
そしたら、こんなことにならなかったのかな…?
「ルーっ!!もう少ししたら救急車が来るから!!だからしっかりするんだ!!頼むから…死ぬなよ……!!!」
鋼欣が泣きながら、僕を見ている。
お願い…今の醜い僕を見ないでぇ……。
鈴音が鋼欣は僕の事を好きって言っていたけど…本当なのかな…?
僕はずっと鋼欣は鈴音のことが好きだと思っていたのに…。
こんなに醜くなった僕でも鋼欣は…好きでいてくれるのかな…?
あぁ…どうして今更気づくのだろう。
僕は──鋼欣が好きなんだ。
ずっとずっと好きだったんだ…。
でも、その想いを伝えられない…。
これから先も伝えることなんて出来ないんだ……。
どうして…こんなことになったのだろう?
顔が、体が、熱い痛い。
僕は、ただ歌い続けていたいだけだったのに…。
周りからは、悲鳴が、怒号が、狂って壊れた嗤い声が聞こえてくる…。
目は徐々に霞んできて綺麗なはずの夜空がどんどん濁っていく……。
僕の顔はもう、溶けて爛れて醜いのだろう。
声が出ない…それが一番辛い。
歌うことが生きる理由だったのに…。
鈴音の嗤い声がまるで終焉を導くように、奏でられている…。
どうして?どうして?ドウシテ?ドウシテ?
どうして…僕がこんな目に遭うの?
髪の色が普通の人と違うから?
片目の色が紅いから?
両親が死んじゃって孤児だから?
どうして…こうなったんだろう。
もう…何も聞こえない、見えない。
僕はもう、死んじゃうのだろう…。
嫌だ!いやだ!!イヤダ!!!
死にたくない!!!!
せっかく夢が叶いそうだったのに…!!!
好きな人に想いを伝えてないのに…!!!
あぁ…もう思考がぐちゃぐちゃになってくる…。
もし、本当に神がいるのなら……、どうか僕の願いを叶えて…。
僕の願いは…………………!!
ルーナ「見て見て~!!最近の特殊メイクって凄いん だね~♪皮膚がダラ~ってなってるよw」
鈴音「本当に凄いわね~。剥がしたい」(ウズウズ
鋼欣「ルーっ!?ひっ!!こっちには寄るなよ!?」
ルーナ「……うわーん。鈴音~鋼欣が酷いこと
言うよ……ぐすんっ…」(泣
鈴音「あんた、何てこと言うのよ!!
ルーナのこと好きなんでしょ!?」
鋼欣「いやっ、俺…ゾンビとかグロい系は…ちょっ と…な?」(後ずさり
ルーナ&鈴音「「………へたれ」」(冷たい目
鋼欣「ひどっ!?本当に苦手なんだからしょうがねぇ だろ!?」
ルーナ「ひっく…うぅ…僕のこと守るって言ったの に…嘘なんだ…ぐすんっ。」
鋼欣「いやっ、嘘じゃないよ!?ルーのことはっ!!す、 好きだよ!?」
鈴音「剣道とかやってるくせに…へたれでぇ?
ルーナを泣かすのねぇ?」(黒笑
鋼欣「ひっ!!いやっ!!ま、まてって!!落ち着けよ!?」
ルーナ&鈴音「「……逝ってらっしゃい」」