†予言†
今回も特別長いです。
まとめるのに時間がかかりました。
すみません………orz
次回は異世界の定番!!
冒険者ギルドですよ!!
そこでハプニングなり新たな出逢いがあります。
あとルーナにヴァイオリンを演奏させます。
誤字脱字あったらごめんなさいorz
────ルーナ起きて(以下略
「うぅ~……。もう、朝か。
あれ?僕…、外に出て、それから……?」
僕はメアお兄ちゃんの変な目覚ましでいつものように目を覚ました。
でも、何故か違和感があった。
昨日の夜中に何かをやったような気がするのに…、それを思い出せないのだ。
「うぅ~…………………。何だっけ?」
僕が考えていると、黒狼が僕の前に座っていた。
「………………………。」(ガブッ
「ふぇあ!?黒狼!?地味に痛いよ!?」
「いい加減起きろ。他の奴はみんな外にいるぞ。
ルーナが寝てるからテントを片付けてない。」
黒狼はどこか不機嫌そうだ。
あれから喋ってないもんね……。
「うぅ~……。噛まなくても良いのに。
どうせなら、肉球でぷにぷにとかスリスリして起こしてほしいなぁ………♡」
僕は黒狼を抱き締めながら、願望を口にする。
「するか!!早く起きろ!!街へ行けなくなるぞ。」
そう言いながら前足でふにふにと僕を叩く。
これはこれで肉球ぷにぷにしてるよね~♡
「うぅ~………。黒狼はツンデレ♪」
僕はそう言いながら起きる。
「つんでれ………?」
黒狼首を傾げて考え込んでいる。可愛いね♡
「それじゃあ、行こう♪」
「降ろせ!!」
「ダメ♪」
僕は暴れる黒狼を抱き締めたまま外へ出た。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
「お姉様!!おはようですの!!」
エリーゼは嬉しそうな顔をして、ルーナに抱きついて笑顔を浮かべる。
「おはよう、エリィ!!」
ルーナも嬉しそうな顔でエリーゼに笑いかける。
「…………………。」
黒狼は抱き合っている2人に挟まれて、更に不機嫌になっていた。
「エリィとルーナちゃんはすっかり仲良しね♪」
「エリィがルーナちゃんをお姉様と呼ぶなら、僕にとっては妹なのかな?
あんな美少女が妹なら大歓迎だね♪」
「兄さん!!涎垂らさないで!!」
「いやぁ~、腹が減ってんだよ。」
「………………………。」
他の者達が楽しく喋っている中、ディランだけはエリーゼと笑い合うルーナと不機嫌な黒狼を見つめて静かに黙っていた。
「…………?さぁ!!みんな朝ごはん食べましょう!!」
ルイーゼは黙っているディランを見て、不思議に思ったがみんなに声をかけた。
「よしゃっ!!飯!!」
「兄さん!!五月蝿い!!」
「今日はパンとシチューか。」
「匙は全員分あるわね。」
「うっ………!!チーパが入ってますわ……。」
「エリィ、好き嫌いは駄目だよ?(チーパ?ラテン語で玉葱だ。)」
「……………………。」
みんなはそれぞれ朝食を摂り始めた。
「いただきます。」
「お姉様、昨日も思いましたが、その“いただきます”ってなんですの?」
エリーゼが不思議そうに首を傾げた。
「えっ………?えっとね、食べ物とか作ってくれた人に感謝するって意味なんだ。」
────この世界には、そういう習慣はないのか。
「感謝……?」
「うん。食べ物は植物とか動物とか“命”を僕達は貰っているでしょう?
料理は一生懸命作ってくれた人だっているし、野菜とかも一生懸命育てた人だっているからね。
そういう人達や“命”をくれた植物や動物達に感謝するってことなんだ。」
「感謝……。素敵な言葉なのですわ!!
私もこれからは、感謝の気持ちを込めて“いただきます”って言いますの!!いただきます。」
「あら、良いわね。それじゃあ、私も。
いただきます。」
「僕も。いただきます。」
「俺もやるぜ!!いただきます!!」
「兄さん!!ちゃんと食べてから喋ってよ!!
私も言います。いただきます。」
「………………。」
「ディラン……?」
「あ?あぁ……。素晴らしい言葉だ。
いただきます。」
────な、なんか流行らせちゃった?
ルーナは少し驚いていた。
「お姉様は物知りですのね。」
エリーゼはキラキラした目でルーナを見る。
────うっ……!!地球では当たり前だから知ってただけなのに………。
「べ、別に僕のいた所では習慣で、当たり前だっただけだよ?ご、ごちそうさま!!」
「“ごちそうさま”も同じ意味ですの?」
「うん。そうだよ。」
ルーナとエリーゼはそれからも、仲良く色んなことを話していた。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
「ルーナさん、少し話があるのだが……。」
みんなが朝食を食べ終わり、後片付けが終わったところでディランがルーナに話しかけた。
「は、はい…。何でしょうか?」
ルーナはディランの真剣な表情を見て、少し戸惑いながらも頷いた。
他の者達も近くで何事かと静かにしていた。
「ふむ……。では、単刀直入に問う。
ルーナさんは……、この世界の者ではないな?」
「────────っ!?」
その言葉を聞いたルーナは体を震わせた。
────どうして!?どうして…、知ってるの!?
ルーナは驚きのあまり動けないでいた。
「その反応は……、間違いないのだな?」
ディランはルーナの表情を見て、確信した。
「お父様……?どういうことですの?」
「ディラン……?まさか、ルーナちゃんが!?」
「お父様!!お母様!!どういうことですか?」
「この世界の者じゃないって……、嬢ちゃんは何者なんだ?」
「さぁ………?何でしょう?」
ディランとルーナの話を聞いていた他の者達は、色々なことを言っている。
どうやらルイーゼも何か知っているようだ。
「……………………。」
黒狼は黙ってはいるが、驚いたような表情で、震えているルーナを心配するように見つめている。
「どうして………、どうして僕が異世界から来たと知ってるのですか?」
ルーナは怯えたような声で問いかける。
────僕が異世界から来たと知れば、僕はどうなるんだろう……?迫害とかされちゃうのかな…?
黒狼にも嫌われたら……、僕はまた独りぼっちになるの……?そんなのは……、いやだよ……。
「お姉様!?どうなさいましたの!?」
「ルーナちゃん!?」
「えっ…………………?」
気付けばルーナは涙を零していた。
その宝石のような紅と蒼の瞳からは、次々と涙が溢れ出していた。
「あっ………、ぼ、僕は…………!!」
ルーナは迫害されるのではないかと、嫌われるのではないかと恐怖のあまり後ずさっていた。
────また独りはいや……!!
嫌われて独りになるくらいなら……、僕は!!
「待て!!ルーナさんがこの世界の者ではないといって何かをしようとは思っておらん!!
不安にさせたのは謝ろう……。すまない……。」
ルーナの表情から何かを読み取ったディランは、ルーナに対して安心させるように話しかける。
「本当ですか……?迫害、とかされませんか……?僕は異世界から来て……、髪の色も目の色も普通じゃないのに……?」
ルーナは怯えて泣きながら問いかける。
黒狼はそんなルーナを安心させるように、ルーナの頬を伝う涙を舐めていた。
「迫害などしない!!そんなことは私が許すものか!!
だから、安心して良い。」
「そうよ?ルーナちゃんは私達の命の恩人。
そんなことしないわ?
それに、ルーナちゃんの髪と目はとても綺麗よ?
だから、安心して?泣かないで?」
ルイーゼは泣き続けるルーナを、安心させるように抱き締めて語りかける。
「ごめん、なさい…!!ぼ、僕怖くて!!
前の世界では、虐められてたから……!!
気持ち悪いって…、迫害されてたから!!
だから……、僕は……!!」
ルーナの告白にその場の誰もが言葉を失った。
目の前の泣き続ける少女は、この世のものとは思えない程に儚く美しいのだ。
そんな少女が気持ち悪いと迫害されていたとは、とても信じられないことだった。
「そう……。辛かったわね。
でも、大丈夫……。
ルーナちゃんはとても可愛いの。
私達は優しいルーナちゃんが大好きよ?」
「そうですわ!!お姉様はとてもお美しいのですわ!!」
「僕もルーナちゃんは美少女だと思うけど……。」
「嬢ちゃんは別嬪さんだぜ!!」
「兄さんはおやじ臭いわね…。
私もルーナ様はとてもお綺麗だと思います。」
「ふむ……。ルーナさんは美人になる。」
みんなは、笑顔でルーナを安心させるように話す。
「あぅ………。ぼ、僕は美少女では、ないです。
でも……、その、ありがとうございます。
黒狼も……、ずっと僕といてくれる?」
ルーナは笑顔でお礼を言い、不安そうに黒狼へと問いかけた。
────当たり前だ。ばか。
黒狼はそう思いながら、ルーナにスリスリと頬ずりをする。
「えへへへ~♪黒狼もありがとう……。」
ルーナは気持ちよさそうに目を細めて、黒狼を抱き締める。
「私も黒狼ちゃんにスリスリされたいわ~。」
「僕も黒狼に触れてみたいな……。」
「噛まないのでしたら、私も触りたいですわ。」
「俺は噛まれそうだから遠慮しよう……。」
「兄さんは犬とか苦手だったわね……w」
「私も……ではなくて、ルーナさんが異世界から来たということは、そこの獣も予言通りただの獣ではないだろう?」
ディランは周りの空気に取り込まれそうになりながらも、話を続けた。
「えっと………………。」
ルーナは困ったように黒狼を見つめる。
「ふん……。分かっているのなら、犬のフリをする必要はもうないな。」
すると、黒狼はどうでもいいという風に喋りだす。
「やはりか……。闇の神獣……。」
「黒狼ちゃん喋れたのね!!」
「おぉ!!恰好良い!!」
「凄いですわ!!」
「うお!?犬が喋った!?」
「はわぁ……!!凄いですね!!」
────やっぱり驚くよね~
闇の神獣?って何だろう?
「えっと………、ディランさん、その……。」
ルーナは何をどう聞けば分からず戸惑う。
「聞きたいことは分かっている。
その前に私達のことを話そうか………。
私の名は、ディラン・ソル・ガピタル。
この太陽の都“ソル王国”の王だ。」
「私は一応王妃ね♪」
「僕は王子だね……。面倒だけど。」
「私は王女なのですわ!!」
「俺達はその護衛!!」
「兄さん!!家臣っていうんだよ!!」
─────王様……?王妃……?
えっ………、王様と騎士みたいって、本当だった?
「黒狼…………、僕、どうすればいいの?」
「…………………知らん。」
ルーナはあまりの衝撃の事実に静止する。
────はっ…………!!僕、不敬罪とかになっちゃうのかな!?
「………何か勘違いしているようだか、別に何もしないぞ?」
「本当ですか……?僕カイルさんとかに攻撃とかしちゃいましたけど……。」
「あれは兄さんが悪いですから♪」
「お前はもう少し自分の兄貴を大事にしろよ!?」
「死ななければ大丈夫だから♪」
「俺って一体…………?」
「2人は少し黙っておれ……。
さて、私がルーナさんのことを何故知っているのかというと予言があるのだ。」
ディランはまた真剣な表情で語り出した。
「予言………?」
「あぁ……。初代の王、ソルが遺したものだ。
────遥か遠い未来で魔王が蘇り、魔族がまた世界を破滅に陥れようとするだろう。
だが、絶望してはならない。
必ずや希望が訪れるだろう。
遥か遠い未来に異世界より月の女神と太陽の勇者が訪れるであろう。
月の女神は白銀の歌姫となる。
白銀の歌姫は、黒き闇の神獣と2人の精霊の姫と共にある。
太陽の勇者は漆黒の剣王となる。
漆黒の剣王は、白き光の神獣と2人の精霊王と共にある。
白銀の歌姫と漆黒の剣王は、必ずや世界に希望をもたらすだろう。
…………これが初代の王が遺した予言だ。」
「白銀の歌姫って、僕のこと?
闇の神獣って、黒狼のことだよね……?」
────月の女神は僕の名前だ。
ラテン語でルーナは月の女神って意味だし。
太陽の勇者で漆黒の剣王は、これから現れる勇者のことだ。
光の神獣って黒狼みたいな子がいるのかな?
精霊王と精霊の姫って凄そう……。
僕は必ず精霊に逢えるんだ♪
あれ?僕もしかして、死ななくてもこっちの世界に喚ばれていたのかな?
ルーナは予言について様々なことを考えていた。
「ルーナさんがこの世界に喚ばれたということは、魔王が蘇り魔族が動くのだな………。」
「「「「………………………。」」」」
ディランのその言葉に他の者達は押し黙った。
「まさか、私達の代で来るとはね……。」
「僕ずっと御伽噺だと思ってた。」
「だ、大丈夫なんですの?」
「魔族なんて見たこともないぜ。」
「そもそも魔族は滅びたと信じられてますからね。
予言のことも民は誰も知らないはずです。」
みんなは魔族について、不安そうに話し合う。
「ルーナさんは、魔王や魔族について何か知ってるのかね?」
不安な顔をしたディランは、ルーナに希望を見るように問いかける。
「いえ……。僕は前の世界で死んじゃっていきなりこの世界に来ましたから……。
メア……、この世界の神様にこれから現れる勇者の手伝いをしてこの世界を救ってほしいとは言われましたけど……。」
「死んだ………?」
黒狼はルーナの言葉に驚いて、ルーナを見上げる。
「うん……。僕は前の世界で殺されちゃったんだ。それで神様にこの世界へ転生させてもらったの。」
ルーナは悲しげに微笑んで事実を告げた。
ルーナのその告白に、みんなは驚いて哀れむような目をルーナに向ける。
「辛くはないのか………?」
黒狼は前の世界で殺され異世界へ転生し、この世界の運命を背負った儚げな少女を、不安そうに気遣うように見上げる。
「それは……、殺されたのは辛いよ?
とても痛くて冷たくて怖かったから……。
でもね?僕は今この世界で生きてるんだ。
それに、黒狼にも出逢えて、エリィ達みんなに出逢えたことはとても嬉しいんだ。
だから、僕はいつか現れる勇者とこの世界を救えるように頑張るよ。
そう約束したからね……。
黒狼は……、それでも僕と一緒にいてくれる?」
ルーナはそう言って、黒狼を不安そうに見つめる。
「当たり前だ。
俺はルーナと共にいると誓った。
だから、俺はいつもルーナのそばにいる。」
黒狼はそう言って微笑む。
「うんっ!!ありがとう!!黒狼、大好き!!♡」
ルーナは嬉しそうに黒狼を抱き締めて、頬ずりをしている。
「調子に乗るな!!」
黒狼は不機嫌そうに両前足で頬ずりを防いでいた。
「肉球ぷにぷに♡」
「…………爪出すぞ?」
「危ないから、街に着いたら切ってあげなきゃ!!」
「この……………!!」
ルーナと黒狼は仲良く?じゃれていた。
そんな2人を他の者達は、微笑ましそうに見つめている。
「ところで……、ルーナさんはこれからどうするつもりなのか聞いても?」
ディランはルーナのこれからのことについて、質問する。
「えっと………。取り敢えず街に着いたら、この世界のことについて調べたいです。
僕はこの世界の常識も何も知らないので。
あとは魔法書とかも見て……あっ!!!」
ルーナは話の途中で何かを思い出したかのように、大声をあげた。
「ど、どうしたのだ?」
ディランは驚いて問いかける。
「あ、あの………。アデラント・ソル・ガピタルって方を知っていますか?」
「「「「…………………………!?」」」」
その言葉にディラン達親子は驚く。
「あ、あの…………?」
ルーナはその反応に戸惑う。
「アデラントは……、私の曾祖父だ。
会ったことはないが、昔どこかへ行って行方不明になって帰ってこなかったのだ。
何故知っているのだ?」
ディランは不思議そうに、悲しげに問いかける。
「えっと………、森の中の迷宮で遺体を見つけたんです。その遺体がそのアデラントさんなんです。」
ルーナは少し言い辛そうに語る。
「迷宮だと!?迷宮があるのか!?」
ディランは迷宮という言葉に驚いて、思わずルーナに詰め寄っていた。
「は、はい!?この近くの森の中にありました!!」
ルーナはディランの様子に驚きながら肯定する。
────そこなの!?
曾祖父のことより迷宮なの!?
ルーナはそんなことを思っていた。
「なんと!?新迷宮か!!
これはギルドが騒がしくなるな……。」
「???」
ルーナはよく分からずに首を傾げていた。
「おっと……。いきなりすまなかったな。
この世界において迷宮はとても貴重なのだ。
迷宮には様々な魔物がおり冒険者の訓練にもなる。あとは財宝や古代の魔法具なども見つかる可能性もあるからな。
迷宮の主を攻略すれば、とても貴重なアイテムも出る可能性もある。」
────よく分かんないけど、取り敢えず貴重で凄いってことだね……。
でも、ガークは僕が倒しちゃったし。
財宝はあるのかな……?
変な蠢く宝箱ならあったけど……。
あれは絶対お宝じゃないよね………?
それに……、迷宮の主はここにいるし。
「黒狼、あの迷宮にそんなものあるの?
魔物もガークは僕が倒しちゃったけど?
それに迷宮の主って黒狼だよね?」
ルーナは迷宮の主である黒狼へ問いかける。
すると、黒狼が答える前にディランが反応した。
「な!?攻略したのか!?
しかもガークを倒しただと!?
ガークは単独であればCランクの強さだぞ!?
しかも迷宮の主はこの黒狼だというのか!?」
「騒がしいぞ。人間。
あの迷宮は俺が3000年以上前に作ったものだ。
それと、ルーナは1人でガークを倒したぞ。」
黒狼は、興奮しているディランを鬱陶しそうに見ながら質問に答える。
「えっ…………。3000年?黒狼って何歳なの?」
ルーナは違うところに驚いていた。
「そんなもん興味はないから知らん。」
「へぇ~……。黒狼おじいちゃん♪」
「…………喰うぞ?」
「冗談なのに………。」
「ルーナさん、街に着いたらギルドに行って迷宮のことを報告してもらえないか?
黒狼殿も良ければ迷宮を提供してほしい。」
ディランはそう言って頭を下げた。
「あぅ………。で、ディランさん!?
頭を上げて下さい!!王様が僕なんかに頭を下げちゃ駄目ですよ!?
黒狼が良いと言うなら、僕は構いませんけど!!」
ルーナは慌てて言いながら、黒狼を見る。
「別に構わん。俺にはもう必要ないからな。
迷宮の主は適当に一番強い魔物がなるだろう。
あそこの森は様々な魔物がいるからな。
財宝は知らん。3000年前の村人の遺品くらいならあるだろうが……。」
「黒狼、あの扉は誰でも開けれるの?
なんか古代の言葉じゃないと開けれないってあったけど?
あと……、かなり危ない罠があるよね?」
「古代の言葉……?
ルーナさんは古代語が分かるのか!?」
「ふぇあ!?えっと……、はい、分かります。
あの文字は前の世界にあったのと同じですから。」
「ルーナさん、古代文字が読めることは誰にも言ってはいけない。
古代文字は読める者はもういないのだ。
知られればルーナさんを利用するために、誘拐などをするかもしれん。」
ディランは真剣な表情で忠告する。
「は、はい……。分かりました。
黒狼も読めるんだよね?」
「当たり前だ。俺は何千年と生きているからな。」
「生きる化石ってやつだね!!」
「…………かせき?」
「あの……、ディランさん、アデラントさんの遺体はどうしますか?」
ルーナはすっかり忘れ去られた、哀れな王族のことを話す。
「ふむ………。普通は盛大に弔うところだか、もう百年以上前のことだしな……。
歴代の王族の墓に静かに弔うとしよう。」
「分かりました。」
「その時には、ルーナさんには王都まで来てもらわなければいけないが大丈夫かね?
別にすぐにというわけではないが。
私達もしばらく街に滞在する予定なのでな。」
「分かりました。」
「ふむ………。話は大体このくらいにするか。
それにしても、ルーナさんが“白銀の歌姫”とは。昨日の歌もその力なのだな。」
「あの歌声は綺麗だったわね……。」
「そうだね。ルーナちゃんとても綺麗だった。」
「お姉様は凄いですの!!蒼い雪もとても美しかったですわ!!」
「あれは凄かったな………。」
「はい……。蒼い雪が舞う月明かりの下で歌う白銀の歌姫……。素敵すぎます!!」
みんなは昨日の幻想的な光景を思い浮かべ、感動していた。
「えっ…………?蒼い雪?」
「ルーナ、覚えてないのか?」
黒狼が覚えてなさそうなルーナに問いかける。
「うぅ~………。エリィが泣いてて、それで子守唄を歌ってあげるって……、あっ………!!
そういえば、なんか雪みたいなの降ってたかも!!」
ルーナはようやく朝の違和感を思い出した。
「あれ……、僕の力なのかな?」
「それしかないだろう……。」
「うぅ~……。歌でも何か出来るのなら、楽器を演奏しても何か出来るのかな?」
「がっきとは何だ?」
「えっ…………?ピアノとかヴァイオリンとかのことだよ?」
「ぴあの?ばいおりん?」
「私も初めて聞きましたわ?」
「僕も。」
「私も知らないわね……。」
────えっ…………。もしかして、この世界には音楽とかないの!?歌はあるみたいだけど……。
「この世界の歌ってどんなものがあるんですか?」
ルーナは恐る恐る問いかけた。
「どうって……、舞踏会に何って言ってるのか分かんないものしかないよ?」
「そうですわ?お姉様の子守唄というのも初めて聴きましたの。」
エリーゼとウィルはそう答えた。
────えぇぇぇぇぇぇぇ!?
メアお兄ちゃん!!僕どうやって歌うの!?
この世界、歌とか楽器もないよ!?
ルーナは心の中でそう叫んでいた。
────こうして、ルーナは定められた運命の出逢いを果たす。
そして、これをきっかけにルーナは“白銀の歌姫”と世界中に知られることになるとは、まだ誰も知らない……。
ルーナ「黒狼、迷宮の扉ずっと開けたままに出来ないの?古代文字は僕達しか読めないし。」
黒狼「扉を壊せば良いだけだ。」
ルーナ「えっ…………。僕、別に迷宮に入らなくても扉を破壊すれば出られたの?」
黒狼「………………ルーナなら、出来そうだな。」
ルーナ「まぁ……、黒狼にも出逢えたし、凄そうな武器は手に入れられたけど。なんか……、損したような感じがする……。」
黒狼「普通の魔法では、扉に吸収されて無駄だ。」
ルーナ「それって……、僕が普通じゃないって言ってるよね……。」
黒狼「世界を救う者が普通だとは思わないが?」
ルーナ「それもそうだね……。でも、なんか悲しいような……。」
黒狼「…………気にするな。」
ルーナ「うん……。そうする……。」




