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白銀の歌姫による異世界EXAUDI  作者: Chernyy kot
‡Primus autem motus‡
30/44

†新たな家族~黒狼視点2nd~†

このお話で、黒狼視点のルーナと出逢いのお話は終わりです。

次回からは、通常に戻ります。

やっと迷宮から出て旅にでます。

そして、新たな試練と出逢いも訪れます。

誤字脱字あったらごめんなさいorz

 俺は近付いてくる侵入者を入り口の近くで寝ながら待っていた。

すると、腹の辺りに何かがぶつかる。

「やっと、出g……ふにゃ!?」

どうやら侵入者が辿り着いたようだ。

「うぅ~………?何かな?これ?柔らかいしもふもふしてて気持ちいい……。それに暖かい……?」

侵入者は俺の腹の辺りを撫で回しながら、何かを考えてぶつぶつ呟いている。

……………感触を楽しんでいるような気がするのは気のせいだろうか?

それに、何故か嬉しそうに抱き付いてくる……。

「………………いい加減にしろ。人間。俺は人形ではないぞ。」

俺は戸惑い呆れながら、侵入者に話しかけた。

「ふぇあ!?ご、ごめんなさい!?」

侵入者は、驚いて反射的に謝る。

普通は正体の分からない者に謝らないのに。

俺はゆっくりと後ろに下がり、広場の中央へ向かい座った。

侵入者は、戸惑って迷っているのかなかなかこちらへ来ない。

「何をしている。人間。こっちに来い。別に襲いはしない。」

俺は侵入者にこちらへ来るように話しかける。

襲わないのは今だけだ。

この侵入者の望みが、身勝手な醜い欲望であれば殺すつもりだ。

侵入者は、恐る恐る入り口から入ってきた。

それから、何かを考えながら辺りを見回している。

そして、俺を見て静止した。

ふん…………。

どうせ、俺のことを畏れて化け物か魔物とでも思っているのだろう………。

しかし、侵入者は予想外の言葉を叫んだ。

「か、恰好良い!!!」

侵入者は、俺を見て恰好良いと言ったのだ。

それに、どこか侵入者の周りはキラキラと輝いているような気がする………。

「…………………………はっ?」

俺は、訳が分からなくて思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

「え、えっと……?こ、こんにちはじゃなくて…、こんばんは?は、初めまして??」

侵入者は、自分自身の言葉に何故か慌てて意味の分からないことを口走る。

「……………………。」

俺はどうして良いか分からず沈黙した。

侵入者は、沈黙した俺を見て更に慌てている。

何がしたいのだろうか……?

「……人間。俺が怖くないのか?」

俺は何故か脱力しながら、侵入者に問いかける

「こ、怖いですか?怖くはないですよ?とっても恰好良くて、もふもふしたいです!!」

侵入者は、俺を怖くないとまた恰好良いと言って、願望のようなものを口走る。

「……………もふもふ?」

俺は首を傾げていた。

確かニーナも俺を触るときにもふもふと言っていたような気がする。

「あっ……。何でもないです!!ご、ごめんなさい!?

はうぅぅぅ~………////////」

侵入者は、自分自身の言葉にまた慌てだし、地面にしゃがみ込んで顔を手で覆いながら、何故か羞恥に悶えていた…。

馬鹿なのか…………?

「……………おい、人間。これから言う俺の問いに答えろ。」

俺は呆れながら話しかける。

「うぅ~……?は、はい…。」(涙目

侵入者は、どこか泣きそうで自暴自棄になってるような声で返事をした。

それから、俺は侵入者に対して何故この迷宮にいるのかと質問をした。

どうやら、ただの迷子らしい………。

この侵入者は、本当に馬鹿みたいだ……。

それから、迷宮の外は森になっているようだ。

俺が3000年以上眠っているうちに、外の様子は色々変わったみたいだ。

「人間。お前は何を望む?」

俺は侵入者に対して望みを問う。

望みの内容によれば殺すつもりだ。

「………望む?」

侵入者は、訳が分からないという風に首を傾げた。

どうやら、迷宮の決まりを知らないらしい。

まぁ…、今はどうか知らないが。

「この迷宮の主は俺だ。お前は罠を回避し、ガークを倒した。迷宮を攻略した者には望みを叶えてやるのが決まりだ。今はどうか知らないがな。」

俺は侵入者に迷宮の決まりを教えてやった。

すると、侵入者は色々と考え込んでいる。

どうせ、くだらない身勝手な願いだろうが。

それからしばらくすると、侵入者は色々考えて願いを口にした。

その願いは、俺の予想通りにくだらなかった。

そして、その願いは予想外でもあった。

「え、えっと…。外に出たいです。」

侵入者の願いは外に出たい、それだけだった。

外に出たいのは当たり前のことだろうが……、普通はこんな願いをしない。

そもそも外を出ることは、俺に願わなくても簡単に出来ることだ。

「外?そんなことを望むのか?」

俺は信じられなくてもう一度問う。

「は、はい…。一応他にもありますけど……。」

侵入者は、俺の問い対して肯定し他にも願いがあると小さく答えた。

「他の望みとはなんだ?」

俺は侵入者の他の望みを問う。

侵入者は、少しの間言って良いのかという素振りをして迷っていた。

そして、何かを決意したように口を開く。

「えっと……。その……。あなたに触れてもふもふしたいです……?」

侵入者は消え入りそうな声でそう答えた。

…………この侵入者は正気だろうか?

俺に触りたいなど普通は思うはずがない。

そんなことを望むのは………、ニーナだけだ。

それなのに……、この侵入者も俺に触れたいと望んだのだ。

化け物であるこの俺に。

「………そんな望みで良いのか?普通は財宝を出せだの、一生俺に(しもべ)となれと傲慢で自分勝手な望みを言うものだ。人間は。」

俺は侵入者に対して、本当にそんな望みで良いのかと問いかけ、吐き捨てるように人間の醜さと愚かさを話したのだ。

俺の話を聞いた侵入者は、色々何かを考えて何かに納得したり、何かに怒ったり、何かに期待するような素振りをした。

色々忙しい奴だ……。

すると、侵入者は信じられないことを言ったのだ。

「財宝は興味ないです。あと、(しもべ)とかも絶対嫌です!と、友達とか家族になってくれたら…、嬉しいとは思いますけど……。」

侵入者は前半ははっきりと、後半は消え入りそうな声でそう言った。

人間なのに財宝は興味がないという。

人間なのに誰かを従わせるのは嫌だという。

人間なのに……、この化け物である俺に、友達に家族になってほしいという……。

何故そんなことを望む?

何故この侵入者は、俺をこんなにも揺さぶる?

何故……、この侵入者は、こんなにもニーナに似ているのだろう……?

見ず知らずの人間や魔物を弔おうとする優しすぎる人間。

財宝などに興味がなく欲の無い素直すぎる人間。

俺に対して友達に家族になってほしいという馬鹿な人間。

全てがニーナと同じだった。

「友達…?家族…?この俺にか?」

俺は信じられないという風に、でも縋るような声でそう言った。

「あぅ……。別に嫌なら良いです!!外に出られたら良いです!!」

侵入者はまた自分自身の言葉に慌てて、そう答え黙り込む。

黙り込む侵入者は、どこか寂しそうだった。

初めて出逢った頃のニーナのように………。

「何故、俺にそう望む?

かつての人間は…、俺のことを化け物と悪魔と罵り畏れていた。

一時は仲良くなったとは思ったが…、俺の力を自分の欲望のために使おうとした。

それが叶わぬと悟れば、俺を殺そうとした。

そして、俺は…、信じて好いていた人間達に裏切られた。

だから、俺は人間に絶望し憎み殺した!!皆殺しにして全てを壊した!!

そんな壊れた俺に…、お前は…、友達になれと家族になれと…、本当に望むのか…?」

俺は、怒りを、憎しみを、絶望を、悲しみを吐き出しながら侵入者に弱々しく問いかける。

それは…、質問ではなく、この愚かな俺自身の罪の告白だった。

そして…、どこかニーナ似たこの侵入者に、友達に家族になってくれるのかという…、淡く儚い願いでもあった。

そんなの…、(ゆる)されるはずないのに。

俺にそんな資格はないはずなのに。

なのに……、俺は望んでしまう。

希望を夢見てしまう。

過去の罪は決して消えないのに……。

侵入者は、黙って俺を見ていた。

そして小さな声で、けれどよく通る透き通るような綺麗で幼い声でこう言った。

「あなたは…、少しだけ昔の僕と似ている。」

「俺とお前が…?」

俺は怒りがこみ上げた。

俺の何を知っているというのか……!!

俺の苦しみを!!

俺の悲しみを!!

俺の怒りを!!

俺の絶望を!!

俺の罪を!!

何も知らないはずなのに!!知ったようなことを!!

それでも、侵入者は俺の気持ちを知らずに言葉を続ける。

今まで深く被っていた、フードを脱ぎながら……。

フードを脱いだ侵入者を見て、俺は驚き目を大きく見開いた。

その侵入者は、とても綺麗な少女だった。

白銀に輝く少しウェーブのかかった髪を腰まで長く伸ばし、紅と蒼の宝石のような綺麗な目で俺を見つめている。

その少女の肌は雪のように白く、薄ピンク色の唇と綺麗に合わさっている。

まるで綺麗な人形のようだ。

その少女は全てが白く美しい。

驚いて黙った俺を見て、少女は何故か少しだけ悲しそうな表情を浮かべる。

そして、真っ白な少女は己の悲しみを儚い願いを語り出す。

「僕……、おかしいでしょ?

髪の色も普通の人とは違うし、目の色も普通じゃないからね……。

だからね?僕も化け物とか悪魔とか色々罵られていたんだよ?

両親が幼い頃に亡くなっていたから、化け物だから悪魔だから捨てられたんだっても言われたの…。

確かに…、あなたとは違う。

僕は人を殺した苦しみを悲しみを知らないから。

でもね?1人は辛いの…。悲しいの…。怖いの…。

だからっ!!僕はあなたを裏切らない!!

僕はあなたを罵ったり畏れない!!

だから……、嫌でないのなら…。

僕と…、友達に、家族になって……?

僕とずっと一緒にいて…、ずっとそばにいて…、僕を1人にしないで…?

僕もあなたのそばにいるから…!!

あなたを1人にしないから…!!」

いつの間にか、真っ白な少女は泣いていた。

真っ白な少女は悲しくて、哀しくて、辛くて泣いているようだった…。

その真っ白な少女の悲しみは、どこかニーナにも俺にも似ている…。

両親を失い1人だというニーナと同じ悲しみ。

見た目のせいで化け物だと悪魔だと罵られ、独りとなった俺と同じ悲しみ。

それから……、独りは辛いと悲しいと怖いという。

罪を犯し壊れてしまった俺に一緒にいてほしいと悲しげに願う。

こんなにも愚かな俺を受け入れ、ずっとそばにいると俺を独りにしないと言ってくれる。

「本当に…、お前は俺を拒まないのか?

畏れないのか?そばにいるのか?

お前は…、本当に…、俺の友達に家族になると言うのか…?」

俺は目の前の真っ白で優しく純粋な少女に縋る。

独りは辛くて悲しくて怖ろしいのは……、俺も同じなのだ。

俺もよく知っているのだ。

だから、ニーナといるときは幸せだった。

その幸せを…、俺はもう一度求めてしまう。

「うんっ!!僕はあなたと友達に家族になりたい!!」

真っ白な少女は綺麗な笑顔でそう言った。

そのどこか幼い笑顔は、かつてのニーナのように純粋で美しかった。

「ならば……、俺はお前と共にいよう。

お前と共にいると誓おう。

だから……、お前も俺のそばにいると約束してくれるのか?」

愚かな俺は、懇願するように問いかける。

「うんっ!!約束する!!」

真っ白な少女は、迷うことなく綺麗な笑顔で約束してくれた。

そうして、俺と少女は友達と家族になった。

その後も色々なことがあった。

ルーナと名乗る少女と契約を交わしたこと。

俺が人間の姿になって、ルーナが顔を真っ赤にして叫んだこと。

小さくなった俺をルーナが抱き締めたこと。

それから、ルーナから新たに“黒狼”という名を貰ったこと。

そうして、俺とルーナは共に眠る。

新たな友達と家族を得て、互いの温もりと幸せを感じながら……。


♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬

 ────こうして黒狼は、新たに友であり家族でもある真っ白で綺麗な少女と出逢ったのだ。

その少女の名はルーナ。

月の女神の名を持ち、この世界の運命を託された優しく純粋な少女。

黒狼は誓う。

どこかニーナ似たこの少女を守り抜くと。

黒狼は誓う。

過去の罪を忘れずに背負うと。

黒狼は願う。

ルーナと共に幸せであることを。



 ────黒狼とルーナはまだ知らない。

この出逢いは偶然でなく必然であると。

この出逢いは遥か昔に定められた運命であると。

黒狼「ルーナは何故、“僕”と男のように振る舞うのだ?」

ルーナ「うぅ?えっとね~?女だからって見下されないようにとか、その……、す、好きな人に迷惑をかけないように…、“僕”って言ってるんだ/////」

黒狼「ふん………。想い人がいるのだな。」←少し嫉妬してます★

ルーナ「えへへへ~////いつも僕を守ってくれて凄く恰好良くて大好きなんだ~//////」

黒狼「随分と好いているのだな……。」(←少し鋼欣に対して殺意が芽生えてます♪

ルーナ「うんっ////黒狼も大好きだよ♡」(ギュウッ

黒狼「そうか……」(ペロッ←一気に機嫌が良くなりますw

ルーナ「~~~~~~♪(もふもふ♡)」(スリスリ

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