†新たな家族~黒狼視点2nd~†
このお話で、黒狼視点のルーナと出逢いのお話は終わりです。
次回からは、通常に戻ります。
やっと迷宮から出て旅にでます。
そして、新たな試練と出逢いも訪れます。
誤字脱字あったらごめんなさいorz
俺は近付いてくる侵入者を入り口の近くで寝ながら待っていた。
すると、腹の辺りに何かがぶつかる。
「やっと、出g……ふにゃ!?」
どうやら侵入者が辿り着いたようだ。
「うぅ~………?何かな?これ?柔らかいしもふもふしてて気持ちいい……。それに暖かい……?」
侵入者は俺の腹の辺りを撫で回しながら、何かを考えてぶつぶつ呟いている。
……………感触を楽しんでいるような気がするのは気のせいだろうか?
それに、何故か嬉しそうに抱き付いてくる……。
「………………いい加減にしろ。人間。俺は人形ではないぞ。」
俺は戸惑い呆れながら、侵入者に話しかけた。
「ふぇあ!?ご、ごめんなさい!?」
侵入者は、驚いて反射的に謝る。
普通は正体の分からない者に謝らないのに。
俺はゆっくりと後ろに下がり、広場の中央へ向かい座った。
侵入者は、戸惑って迷っているのかなかなかこちらへ来ない。
「何をしている。人間。こっちに来い。別に襲いはしない。」
俺は侵入者にこちらへ来るように話しかける。
襲わないのは今だけだ。
この侵入者の望みが、身勝手な醜い欲望であれば殺すつもりだ。
侵入者は、恐る恐る入り口から入ってきた。
それから、何かを考えながら辺りを見回している。
そして、俺を見て静止した。
ふん…………。
どうせ、俺のことを畏れて化け物か魔物とでも思っているのだろう………。
しかし、侵入者は予想外の言葉を叫んだ。
「か、恰好良い!!!」
侵入者は、俺を見て恰好良いと言ったのだ。
それに、どこか侵入者の周りはキラキラと輝いているような気がする………。
「…………………………はっ?」
俺は、訳が分からなくて思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
「え、えっと……?こ、こんにちはじゃなくて…、こんばんは?は、初めまして??」
侵入者は、自分自身の言葉に何故か慌てて意味の分からないことを口走る。
「……………………。」
俺はどうして良いか分からず沈黙した。
侵入者は、沈黙した俺を見て更に慌てている。
何がしたいのだろうか……?
「……人間。俺が怖くないのか?」
俺は何故か脱力しながら、侵入者に問いかける
「こ、怖いですか?怖くはないですよ?とっても恰好良くて、もふもふしたいです!!」
侵入者は、俺を怖くないとまた恰好良いと言って、願望のようなものを口走る。
「……………もふもふ?」
俺は首を傾げていた。
確かニーナも俺を触るときにもふもふと言っていたような気がする。
「あっ……。何でもないです!!ご、ごめんなさい!?
はうぅぅぅ~………////////」
侵入者は、自分自身の言葉にまた慌てだし、地面にしゃがみ込んで顔を手で覆いながら、何故か羞恥に悶えていた…。
馬鹿なのか…………?
「……………おい、人間。これから言う俺の問いに答えろ。」
俺は呆れながら話しかける。
「うぅ~……?は、はい…。」(涙目
侵入者は、どこか泣きそうで自暴自棄になってるような声で返事をした。
それから、俺は侵入者に対して何故この迷宮にいるのかと質問をした。
どうやら、ただの迷子らしい………。
この侵入者は、本当に馬鹿みたいだ……。
それから、迷宮の外は森になっているようだ。
俺が3000年以上眠っているうちに、外の様子は色々変わったみたいだ。
「人間。お前は何を望む?」
俺は侵入者に対して望みを問う。
望みの内容によれば殺すつもりだ。
「………望む?」
侵入者は、訳が分からないという風に首を傾げた。
どうやら、迷宮の決まりを知らないらしい。
まぁ…、今はどうか知らないが。
「この迷宮の主は俺だ。お前は罠を回避し、ガークを倒した。迷宮を攻略した者には望みを叶えてやるのが決まりだ。今はどうか知らないがな。」
俺は侵入者に迷宮の決まりを教えてやった。
すると、侵入者は色々と考え込んでいる。
どうせ、くだらない身勝手な願いだろうが。
それからしばらくすると、侵入者は色々考えて願いを口にした。
その願いは、俺の予想通りにくだらなかった。
そして、その願いは予想外でもあった。
「え、えっと…。外に出たいです。」
侵入者の願いは外に出たい、それだけだった。
外に出たいのは当たり前のことだろうが……、普通はこんな願いをしない。
そもそも外を出ることは、俺に願わなくても簡単に出来ることだ。
「外?そんなことを望むのか?」
俺は信じられなくてもう一度問う。
「は、はい…。一応他にもありますけど……。」
侵入者は、俺の問い対して肯定し他にも願いがあると小さく答えた。
「他の望みとはなんだ?」
俺は侵入者の他の望みを問う。
侵入者は、少しの間言って良いのかという素振りをして迷っていた。
そして、何かを決意したように口を開く。
「えっと……。その……。あなたに触れてもふもふしたいです……?」
侵入者は消え入りそうな声でそう答えた。
…………この侵入者は正気だろうか?
俺に触りたいなど普通は思うはずがない。
そんなことを望むのは………、ニーナだけだ。
それなのに……、この侵入者も俺に触れたいと望んだのだ。
化け物であるこの俺に。
「………そんな望みで良いのか?普通は財宝を出せだの、一生俺に僕となれと傲慢で自分勝手な望みを言うものだ。人間は。」
俺は侵入者に対して、本当にそんな望みで良いのかと問いかけ、吐き捨てるように人間の醜さと愚かさを話したのだ。
俺の話を聞いた侵入者は、色々何かを考えて何かに納得したり、何かに怒ったり、何かに期待するような素振りをした。
色々忙しい奴だ……。
すると、侵入者は信じられないことを言ったのだ。
「財宝は興味ないです。あと、僕とかも絶対嫌です!と、友達とか家族になってくれたら…、嬉しいとは思いますけど……。」
侵入者は前半ははっきりと、後半は消え入りそうな声でそう言った。
人間なのに財宝は興味がないという。
人間なのに誰かを従わせるのは嫌だという。
人間なのに……、この化け物である俺に、友達に家族になってほしいという……。
何故そんなことを望む?
何故この侵入者は、俺をこんなにも揺さぶる?
何故……、この侵入者は、こんなにもニーナに似ているのだろう……?
見ず知らずの人間や魔物を弔おうとする優しすぎる人間。
財宝などに興味がなく欲の無い素直すぎる人間。
俺に対して友達に家族になってほしいという馬鹿な人間。
全てがニーナと同じだった。
「友達…?家族…?この俺にか?」
俺は信じられないという風に、でも縋るような声でそう言った。
「あぅ……。別に嫌なら良いです!!外に出られたら良いです!!」
侵入者はまた自分自身の言葉に慌てて、そう答え黙り込む。
黙り込む侵入者は、どこか寂しそうだった。
初めて出逢った頃のニーナのように………。
「何故、俺にそう望む?
かつての人間は…、俺のことを化け物と悪魔と罵り畏れていた。
一時は仲良くなったとは思ったが…、俺の力を自分の欲望のために使おうとした。
それが叶わぬと悟れば、俺を殺そうとした。
そして、俺は…、信じて好いていた人間達に裏切られた。
だから、俺は人間に絶望し憎み殺した!!皆殺しにして全てを壊した!!
そんな壊れた俺に…、お前は…、友達になれと家族になれと…、本当に望むのか…?」
俺は、怒りを、憎しみを、絶望を、悲しみを吐き出しながら侵入者に弱々しく問いかける。
それは…、質問ではなく、この愚かな俺自身の罪の告白だった。
そして…、どこかニーナ似たこの侵入者に、友達に家族になってくれるのかという…、淡く儚い願いでもあった。
そんなの…、赦されるはずないのに。
俺にそんな資格はないはずなのに。
なのに……、俺は望んでしまう。
希望を夢見てしまう。
過去の罪は決して消えないのに……。
侵入者は、黙って俺を見ていた。
そして小さな声で、けれどよく通る透き通るような綺麗で幼い声でこう言った。
「あなたは…、少しだけ昔の僕と似ている。」
「俺とお前が…?」
俺は怒りがこみ上げた。
俺の何を知っているというのか……!!
俺の苦しみを!!
俺の悲しみを!!
俺の怒りを!!
俺の絶望を!!
俺の罪を!!
何も知らないはずなのに!!知ったようなことを!!
それでも、侵入者は俺の気持ちを知らずに言葉を続ける。
今まで深く被っていた、フードを脱ぎながら……。
フードを脱いだ侵入者を見て、俺は驚き目を大きく見開いた。
その侵入者は、とても綺麗な少女だった。
白銀に輝く少しウェーブのかかった髪を腰まで長く伸ばし、紅と蒼の宝石のような綺麗な目で俺を見つめている。
その少女の肌は雪のように白く、薄ピンク色の唇と綺麗に合わさっている。
まるで綺麗な人形のようだ。
その少女は全てが白く美しい。
驚いて黙った俺を見て、少女は何故か少しだけ悲しそうな表情を浮かべる。
そして、真っ白な少女は己の悲しみを儚い願いを語り出す。
「僕……、おかしいでしょ?
髪の色も普通の人とは違うし、目の色も普通じゃないからね……。
だからね?僕も化け物とか悪魔とか色々罵られていたんだよ?
両親が幼い頃に亡くなっていたから、化け物だから悪魔だから捨てられたんだっても言われたの…。
確かに…、あなたとは違う。
僕は人を殺した苦しみを悲しみを知らないから。
でもね?1人は辛いの…。悲しいの…。怖いの…。
だからっ!!僕はあなたを裏切らない!!
僕はあなたを罵ったり畏れない!!
だから……、嫌でないのなら…。
僕と…、友達に、家族になって……?
僕とずっと一緒にいて…、ずっとそばにいて…、僕を1人にしないで…?
僕もあなたのそばにいるから…!!
あなたを1人にしないから…!!」
いつの間にか、真っ白な少女は泣いていた。
真っ白な少女は悲しくて、哀しくて、辛くて泣いているようだった…。
その真っ白な少女の悲しみは、どこかニーナにも俺にも似ている…。
両親を失い1人だというニーナと同じ悲しみ。
見た目のせいで化け物だと悪魔だと罵られ、独りとなった俺と同じ悲しみ。
それから……、独りは辛いと悲しいと怖いという。
罪を犯し壊れてしまった俺に一緒にいてほしいと悲しげに願う。
こんなにも愚かな俺を受け入れ、ずっとそばにいると俺を独りにしないと言ってくれる。
「本当に…、お前は俺を拒まないのか?
畏れないのか?そばにいるのか?
お前は…、本当に…、俺の友達に家族になると言うのか…?」
俺は目の前の真っ白で優しく純粋な少女に縋る。
独りは辛くて悲しくて怖ろしいのは……、俺も同じなのだ。
俺もよく知っているのだ。
だから、ニーナといるときは幸せだった。
その幸せを…、俺はもう一度求めてしまう。
「うんっ!!僕はあなたと友達に家族になりたい!!」
真っ白な少女は綺麗な笑顔でそう言った。
そのどこか幼い笑顔は、かつてのニーナのように純粋で美しかった。
「ならば……、俺はお前と共にいよう。
お前と共にいると誓おう。
だから……、お前も俺のそばにいると約束してくれるのか?」
愚かな俺は、懇願するように問いかける。
「うんっ!!約束する!!」
真っ白な少女は、迷うことなく綺麗な笑顔で約束してくれた。
そうして、俺と少女は友達と家族になった。
その後も色々なことがあった。
ルーナと名乗る少女と契約を交わしたこと。
俺が人間の姿になって、ルーナが顔を真っ赤にして叫んだこと。
小さくなった俺をルーナが抱き締めたこと。
それから、ルーナから新たに“黒狼”という名を貰ったこと。
そうして、俺とルーナは共に眠る。
新たな友達と家族を得て、互いの温もりと幸せを感じながら……。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
────こうして黒狼は、新たに友であり家族でもある真っ白で綺麗な少女と出逢ったのだ。
その少女の名はルーナ。
月の女神の名を持ち、この世界の運命を託された優しく純粋な少女。
黒狼は誓う。
どこかニーナ似たこの少女を守り抜くと。
黒狼は誓う。
過去の罪を忘れずに背負うと。
黒狼は願う。
ルーナと共に幸せであることを。
────黒狼とルーナはまだ知らない。
この出逢いは偶然でなく必然であると。
この出逢いは遥か昔に定められた運命であると。
黒狼「ルーナは何故、“僕”と男のように振る舞うのだ?」
ルーナ「うぅ?えっとね~?女だからって見下されないようにとか、その……、す、好きな人に迷惑をかけないように…、“僕”って言ってるんだ/////」
黒狼「ふん………。想い人がいるのだな。」←少し嫉妬してます★
ルーナ「えへへへ~////いつも僕を守ってくれて凄く恰好良くて大好きなんだ~//////」
黒狼「随分と好いているのだな……。」(←少し鋼欣に対して殺意が芽生えてます♪
ルーナ「うんっ////黒狼も大好きだよ♡」(ギュウッ
黒狼「そうか……」(ペロッ←一気に機嫌が良くなりますw
ルーナ「~~~~~~♪(もふもふ♡)」(スリスリ




