†忘却の古代迷宮3rd~初めての戦いと戦利品~†
この度なんと!!
“白銀の歌姫による異世界EXAUDI”は書籍化が決定しました!!
というのは嘘です★
怒ったら駄目ですよ?
今日はエイプリルフールですからね♪
でもいつか本当に書籍化しませんかね……。
“嘘から出た誠”って諺がありますし。
まぁ…、そんな夢?は置いといて、今日は魔物との戦いと戦利品のお話です。
そして、謎の哀れな獣もお忘れなく。
戦闘シーンはうまく描けているでしょうか…?
アドバイスなどがあれば是非よろしくお願いします!
古代迷宮のお話は次回で終わる予定です。
誤字脱字あったらごめんなさいorz
────GAAAAAAAAAAAAAAAA!!
「────!!!」
僕の目の前には、3メートルはありそうな巨大な化け物が槍を持って立っていた。
鑑定にはこう表示されている。
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魔物名:ガーク
Rank:単独C 3人以上のパーティーでD
形態:人型 反応:攻撃的
知能:低 出現数:単独
遭遇場所:平原、森林、丘陵、洞窟
特徴:身長は2メートル以上。
顔はゴブリンに似ている。
頑丈な皮膚をしている。
知能が低く攻撃的で巨体から繰り出される重 い一撃は脅威的。
人肉が大好物。
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弱点とかもあれば良いのに!!!
僕は急いでガークという魔物から距離をとった。
僕は今“瞬足”と“浮遊”を同時に使っている。
“瞬足”は文字通り素早く移動する言葉だ。
“浮遊”と合わせれば素早く飛び回ることが出来るのだが、正直高い所でふわふわと浮くのは怖い。
空中を歩けたら良いんだけど……。
ガークは咆哮を止めて、その血のような真っ赤な目で僕を睨んでいる。
そして、槍を構え突進してきた。
大きいのに速い!!!
僕は急いで天井近くまで上がる。
すると、ガークは槍を投げてきた。
「──っ!?“氷壁”!!」
────ガッシャーン!!!!
氷壁は槍に貫かれ硝子が割れるように、崩れた。
「あれに当たったら死んじゃう!!」
僕は初めての魔物との戦いに恐怖する。
最初は魔物や動物を殺すなんて出来ないと思っていたけど、初めて命の危機に直面してそんな甘いことを言ってられないと、やるしかない!!と僕の気持ちは変わった。
「こんな所でっ、二度も死ぬなんて嫌!!ふざけてるんだからぁ!!」
僕は恐怖を打ち消すように叫ぶ。
「“氷弓”、“氷矢”!!」
僕は氷の弓矢を出す。
ガークは槍を拾おうとしゃがんでいた。
今がチャンス!!
僕は狙いを頸元に定める。
おばあちゃんに習っていた弓道がこんな形で役に立つなんて……。ありがとう、おばあちゃん!!
僕は、弓道を教えてくれたおばあちゃんに感謝しながら矢を放った。
狙い通りに矢は頸元に吸い込まれる。
やった!!と思った瞬間、氷の矢は頸元に弾かれ砕け散ってしまった。
「何で!?練習では木を貫通したのに!?」
僕は予想外のことが起き、混乱する。
頸元に攻撃を受けたガークは、真っ赤な目を僕に向けて怒りの咆哮をあげる。
そして、ガークはまた槍を投げつけた。
「────っ!?」
僕は急いで避けたけど、さっきの驚きで反応が鈍ったのか矢の先が足を掠めてしまった。
足からは、少なくない血が流れ出す。
「痛っ!!“止血”!!」
僕は激痛に耐えながら、止血をする。
僕は息が上がり、血を流したせいかフラフラとしていた。
ど、どうすれば………!!
そういえば…、皮膚が頑丈ってあったけ?
僕の馬鹿!!
そこで、僕はふっと一つの可能性を思いつく。
外が駄目なら中を攻撃すれば!!
流石に体の中は頑丈じゃないよね…。
それなら、この作戦でいけるはず!!
ガークは、空中に浮いている僕をどう攻撃しようか迷っているようだ。
知能が低くても2回も攻撃を避けられては、同じ攻撃をしないみたいだ。
まずは動きを止めよう!!
僕は狙いを定めて言葉を唱える。
「“スタンガン”!!」
僕がガークに唱えるのは、痺れさせ動きを止めるための“スタンガン”だ。
ガークは突然の衝撃に体を痙攣させる。
それを見た僕は更にガークの体を凍らせる。
「“凍れ”」
ガークの体は、下からピキピキと音を立てながら凍っていった。
そろそろ“スタンガン”の衝撃も消えるはずだ。
ガークの体は約3メートルもあるから、きっとそこまで衝撃は続かないはずだ。
思った通りにガークは、氷から逃れようと体を捻っていた。
それを見て僕は再び氷の弓矢を出し、頸元に狙いを定めて矢を放った。
氷の矢はさっきと同じように、砕け散った。
そして、ガークは再び怒りの咆哮をあげる。
これが僕の狙いだった。
「“凍れ”!!」
その言葉の直後にガークの顔は凍っていく。
口を大きく開けたままに………。
よしっ!!うまくいった!!
そうして、僕は次の言葉を唱える。
「“炎弓”、“炎矢”」
僕の手には、炎で出来た弓矢が現れる。
以前に、氷で出来るなら他のでも出来ると思ってやってみたら出来たのだ。
炎で出来ているけど、少し汗が出るくらいで火傷はしない。
他には、雷の“雷弓”と“雷矢”がある。
雷の弓矢は、弱い静電気を感じるくらいだ。
風でも試したけど、掴んでいる感じはするのに目には見えにくいので扱いづらかった。
闇と光はその逆で、目には見えるのに掴んでいる感覚がなかったので出来なかった。
いつか使えるように練習しようと思っている。
そして、僕はガークの大きな口の中へ目掛けて炎の矢を放った。
矢はガークの中に吸いこまれ、熱さにガークは呻いていた。
────Gua!?GAAAAAAAAA!!!
でも、ただの“炎矢”では少し体の中を火傷させるだけだ。
だから、僕は更にイメージを広げた。
「“燃えろ”!!」
僕がイメージするのは、“炎矢”が中で燃え上がるイメージだ。
ガークは内側から焼かれる激痛に叫ぶ。
────GAAAAAAAAAAAaaaaaaaaa…………。
そしてガークは、徐々に弱っていきついに声を出すことはなかった。
「お、終わったの…?」
僕は弱々しく言葉を呟きながらフラフラと地面に落ちていった。
「はぁ……。こ、怖かった………!!」
僕は戦いが終わり、荒い息を恐怖と共に吐き出す。
「ステータス……。確認…、しなきゃ……。」
僕はステータスを表示させた。
確か戦っている最中に何回か、レベルアップしたはずなのだ。
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名前:ルーナ・セレーネ Lv:18
年齢:16
種族:人間
称号:異世界の歌姫 神に認められし者
生命力600/2800
体力:546/2800 魔力:527/2800
攻撃力:2300 防御力:2300
魔攻撃:2300 魔防御:2300
スキル
《生活》料理Lv10 裁縫Lv10 算術Lv10
《攻撃》体術Lv10 弓術Lv10
《魔法》無属性魔法Lv1
《耐性》なし
ユニークスキル:鑑定 言語理解 言霊遣い 契約
特殊:創造神の加護
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れ、レベルが14も上がってる。
数値も凄く上がっていた。
はぁ…、レベルアップしたら生命力とか全部回復したら良いのに!!
僕は少し不満を漏らす。
でも、強くなっていて嬉しかった。
取り敢えず…、2時間くらい仮眠しよう。
時間を見ると、まだ16時だった。
ガークとの戦いは、思ったより長くはなかったみたいだ。凄く長く感じたのになぁ……。
僕は周りを“土壁”で囲い、すぐに眠りについた。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
────ルーナ起きて……(以下略
僕はアラームの音で目を覚ます。
凄く疲れていたせいか、長く眠っていたように感じていた。
「うぅ~………。出口はもう目の前だね。」
マップによると、出口まではあと5分くらいだ。
はぁ……、長かったな……。
僕は“土壁”を解除して出発の準備をする。
ステータスを見ると、半分以上まで回復していた。
これだけあれば大丈夫だよね。
準備を終えて僕は、ガークの亡骸を見る。
「人間を襲う魔物だけど……、やっぱり殺しちゃったのは申し訳ないな……。お墓だけでも作ってあげよう。」
僕はガークを収納した。
すると、“ガークを解体しました”と頭の中にお知らせが流れた。
そういえば、自動的解体されるんだっけ……。
僕は持ち物も表示した。
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「持ち物」
アデラント・ソル・ガピタルの死体
装備:風石(SSS級)の指輪
火石(SSS級)のペンダント
全属性の魔法書(達人級)
ボロボロのマント
ボロボロのズボン
ボロボロのシャツ
ボロボロの下着
ガークの骨(こんがり美味しいかも?)
ガークの肉(こんがり美味しい★)
ガークの歯(生だよw)
ガークの目(生だよw)
ガークの舌(半生だけど美味しい★)
ガークのボロボロの腰巻き(臭い!!要注意!!)
闇属性付きの黒曜石(SSS級)の槍 (神級)
携帯食(5日分)
水筒(残り半分)
S級ポーション
S級マナポーション
S級オールポーション
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アデラント・ソル・ガピタルって罠の所で亡くなってた人か…。
名前が分かっていれば家族見つけられるかも!!
それにしても凄い装備みたいだな……。
SSS級とかいかにも凄そう…。
魔法書読んでみたいけど、勝手に人の物を見たら駄目だよね。
問題は、ガークだ。
メアお兄ちゃん…、ふざけてるよね!?
そもそも魔物って食べれるの!?
( )の説明いらないよね!?
こんがり美味しいかも?とか、こんがり美味しい★とか、半生だけど美味しい★とかあるけど!!
食べないよ!?
生だよwとか完璧にふざけてるよね!?
そもそも骨と歯は食べれないよ!?
腰巻きは特に酷いよね!?
実際そうなんだけど!!
僕は眠って休んだはずなのに、何故か疲れた…。
メアお兄ちゃん…、こんな性格だったんだ…。
僕は遠い目をしていた。
はぁ…。もう、どうでもいいや。
あとは闇属性付きの黒曜石の槍って気になるな。
僕は取り敢えず、全てを“鑑定”してみた。
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風石(SSS級)の指輪
風属性の魔力が込められた魔法石で作られた指輪。
火石(SSS級)のペンダント
火属性の魔力が込められた魔法石で作られたペンダント。
全属性の魔法書(達人級)
全属性のとても高度な魔法の使い方が記された本。
ガークの骨
高価な武器の材料として、高く売れる。
しかし、焼けているので役に立たない。
ガークの肉
柔らかく美味しい肉。
結構珍しいので、高く売れる。
ガークの歯
武器やアクセサリーの材料として、高く売れる。
ガークの目
薬や毒薬の材料として、高く売れる。
ガークの舌
柔らかく甘味のある肉。
結構珍しいので、高く売れる。
ガークのボロボロの腰巻き
ただの汚い布。
何の価値もない。
闇属性付きの黒曜石(SSS級)の槍 (神級)
闇属性の魔力が込められた黒曜石で作られた槍。
持ち主によって扱いやすい長さになる。
持ち主は重さを感じない。
滅びた古の都の武器。
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なんか色々凄い……。
SSS級とか神級とかの説明はないのか…。
石に魔力って込められるのか。
常に魔法石を装備しとけば、いざという時に役に立つかもしれない……。
街に着いたら調べなきゃ!!
魔法書はそのまんまだね。
ガークは骨を勿体ないことしたな……。
後は、街にでも売ろう。
食べたくないもん…。
腰巻きは骨と一緒に墓に埋めよう。うん。
槍はとにかく凄いみたいだ。
でもな…僕、槍使えないし。
取り敢えず僕は、槍を取り出した。
すると、槍は長さが調度良いくらいになって、重さを全く感じなかった。
「うぅ~………。せっかく凄そうな武器なのになんとか使えないかな?」
僕は適当に振ったり、回してみる。
「そうだ!!槍の先に色々な属性の刃を付けたら、扱いやすいかも!!大鎌だね!!」
僕は試しに氷で試してみる。
「“氷刃”」
すると、槍の先に氷の刃が出来て大鎌が完成した。
「おぉ!!出来た!!」
僕はそれらしく振ったりする。
すると、頭の中に“鎌術を取得しました”とお知らせが流れた。
どうやら新しくスキルを取得したみたいだ。
今日は色々良いものが手に入ったな♪
そう思いながら僕は、出口に向けて出発した。
もう、マップにも何も表示されないし早く出口に向かわなきゃ!!
僕は大鎌を適当に振りながら歩いていった。
この先に、マップには表示されない不思議な哀れな獣が僕を待ちかまえていることを知らずに……。
♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬
「ガークを倒すとは大したものだ。それに見ず知らずの人間だけではなく、魔物の墓を作ろうとは相当な変わり者だな。他にも不思議な力を使う。魔物にも優しい人間なら……、俺はまたいつかのように人間といられるだろうか……。」
哀れな獣は悲しげに呟く。
────淡く儚げな願いを心に宿して。
ルーナ「メアお兄ちゃん!!」
メア「なあに?」(ニヤニヤ
ルーナ「持ち物の( )の中の説明がふざけてるんだけど!?」
メア「面白いでしょう!!」(ドヤ
ルーナ「疲れる。」(キッパリ
メア「えぇ~。詳しく説明してるじゃん。」
ルーナ「やるなら真面目にやってよ……。」
メア「一回設定しちゃったら、無理♪」
ルーナ「………………。」(諦めの目
メア「………………♪」(ニコッ