表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の歌姫による異世界EXAUDI  作者: Chernyy kot
‡Overture‡
14/44

†罪と懺悔と絆~音無鈴音視点2nd~†

鈴音視点これで終わりです。

次回からやっと異世界です。

遅くてごめんなさいorz

誤字脱字あったらごめんなさいorz

 私達は中学生になった。

中学生になると、鋼欣は凄く女子達に人気があってよく好きなものとかタイプとかを聞かれるようになった。聞いても意味がないのに。

殆どの女子生徒は、鋼欣に好かれてるルーナを目の敵にしている。

だから、付き合うどころか友達にすらなれない。

鋼欣によれば、ルーナは凄く男子達から人気があるようだ。

ルーナは中学生になって、一気に身長が伸びて、凄く綺麗になった。人気があるのも当然だ。

ルーナの身長が急に伸びて、鋼欣は牛乳を毎日2㍑飲むようになった。

鋼欣が言うには、私も人気があるらしい。

鋼欣曰わく“お姉様!!”とかふざけたことを言ったので、拳骨を落としてやった。

ルーナにも“僕っ娘は萌えるぜ!!”とか言って、教科書の角で殴られている。

ルーナが“僕”と言い始めたのは、鋼欣のためだ。

いつも鋼欣に守られるのは嫌だからと、おばあちゃんから弓道と空手を習い始めた。

馬鹿にされないよう男の子みたいに“僕”って言うとある日宣言した。

私はただ凄いと思った。

だから鋼欣はルーナのことが好きなのだろうか。

鋼欣がルーナのことを好きなのは知ってるし、ルーナも気付いてないだけで鋼欣のことが好きだ。

それでも、私は鋼欣を好きになってしまった。

だから私は、少しでも鋼欣に振り向いてもらえるように短かった髪を長くしたり、おばあちゃんからルーナと一緒に料理と裁縫も教えてもらった。

弓道と空手は怪我が怖くて出来なかった。

でも、鋼欣はやっぱり私を“友達”としてしか見てくれなかった。

悔しかった。悲しかった。苦しかった。

そして私は、気付けばルーナがいなければと思ってしまった。

とても怖かった。私に友達になろうと声をかけてくれた可愛い妹のような子なのに…。

私は、その黒い感情を閉じ込めていつものように3人で笑い合った。

でも、それは簡単に崩れてしまう。


♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬


 中学を卒業する前に、おばあちゃんとおじいちゃんが亡くなった。交通事故だった。

鋼欣は毎日暗い顔をして辛そうだった。

私はどうにか元気付けようとしたけど、鋼欣は作り笑いで何の感情の込められてない“ありがとう。大丈夫だから”と繰り返すだけだった。

孤児院に帰ってどうやって元気付けようと考えて、また鋼欣に会いに行った時、私は見てしまった。

鋼欣がルーナに抱き付いているところを。

「鋼欣、泣いて良いよ?僕、昔鋼欣がしてくれたみたいにそばにいるから、ね?我慢しないで、ね?」

ルーナは、鋼欣にそう語りかけていた。

すると、鋼欣はルーナに抱き付いて泣いていた。

ルーナは鋼欣を優しく悲しそうに抱き締めていた。

私はそのまま帰った。

どうして?私には作り笑いしか見せなかったのに。どうして…、ルーナだけ?

ルーナがいなければ……!!

私はもう、黒い感情を抑えきれなかった。

憎しみ。妬み。悲しみ。絶望。

私の心の中は、それしかなかった。 

 そして、私達は高校生になった。

音楽専門の高校で、ルーナは歌手を目指し、鋼欣は声優になるためとルーナと一緒にいるために進学していた。

私は、適当な理由で同じ高校に進学した。

半年くらい経って、ルーナはスカウトされていた。

私は、表面上応援した。

心の中では、嫉妬して。恨んで。憎みながら。

そして私は、遂に、全てを壊す。


♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬


 目の前には、綺麗で優しくて可愛い妹のようだったルーナが生温かい血を顔と喉から撒き散らして、鋼欣の胸の中で息絶えていた。

鋼欣は泣いていた。

ルーナだったものを抱き締めて。

私は嗤う。泣きながら。

私は嗤う。親友を殺し、好きな人を失って。

私は嗤う。絶望の中で。

私は…………、もう、壊れた。

 あれからもう、何日経ったのだろう。

私は、精神的異常者とて病院に棄てられた。

私には庇ってくれる家族がいないから、簡単に棄てられたのだろう。

そもそも私にそんな価値はないけど。

そんな時、鋼欣が会いに来た。

疲れ果て絶望して私を恨んで憎んでいるのだろう。

そう思ったのに…、鋼欣は笑ってこう言った。

「よう、ヤンデレちゃん!!」

「えっ………?」

私は、ただ呆然とした。

呆けてる私に鋼欣は話しかける。

「鈴のことだよ。ヤンデレちゃん。元気……ではないよなぁ……。」

鋼欣は儚げに笑う。

「ふざけてるの……?私を恨んでいるんでしょう?憎んでいるのでしょう?それならっ、笑いかけないで!!怒りなさいよ!?蔑んで!!暴言吐いて!!私を殺したい程憎みなさいよ!?」

私は叫んだ。怒って。泣いて。悲しくて。

「俺は、お前を許してなんかいない。でも、恨んだり憎んでは…、ないんだ。」

鋼欣は低い声でそう言った。

「馬鹿じゃないの?私は、ルーナを殺したのよ?あなたの大好きなルーナを…、目の前で無惨に殺したのよ!?」

私は鋼欣に怒鳴る。

「あぁ…。そうだよ…。ルーは死んだ。鈴が殺したんだよ!!もう…、あいつは帰ってこないんだよ!!」

鋼欣は泣いて私に怒鳴った。

そう。それでいいの。私を憎んで恨んで。

嫌いになればいいの…。

私は鋼欣に嗤いかけた。

「でも…、夢にルーが出てきて言ったんだよ…!!鈴はずっと親友だって!!お姉ちゃんだって!!許せる時が来たら…、ずっと親友でいてやるって…、約束したんだよ!!」

鋼欣は苦しそうに辛そうに叫んだ。

「夢…?そんなの…都合の……」

「あぁ…、都合のいい夢かもな。でも、ルーなら本当にそう思ってる。あいつは優しすぎるから!!いつも俺達のことを優先して自分のことは考えない馬鹿だから!!それは…、鈴も知ってるだろ…!?」

「────っ!?」

何も言えなかった。

実際にルーナは優しすぎて馬鹿で…、悲しいくらいに私達のことを大事にしていた。

失うのが怖くて。嫌われるのが怖くて。独りがとても嫌で。ルーナは私達を失うのを怖がっていた。

本当に…、ルーナはこんな醜い私を親友だと、お姉ちゃんと思ってくれるのだろうか…。

私は涙を零していた。

「鈴、俺はお前を絶対に許さない。

でも、俺も悪いから。俺を好いていたのに気付かなかった俺も悪いから。ごめん。俺はルーが好きだ。鈴の気持ちには応えてやれない。

それでも……、鈴は俺達の大事な“親友”には変わりないんだ。

だから、いつか許せる時が来たら、また親友として一緒にいような?」

そう言って、鋼欣は泣きながらいつかのように綺麗に笑った。

「……ごめん、なさいっ!!」

私は自然と謝っていた。

何度も泣きながら謝った。

悲しくて。哀しくて。苦しくて。辛くて。

ルーナに逢いたくて。

もう、逢えないと絶望して。

「鈴、待ってるから。また、必ず会いに来るから。

いつか…、一緒にルーのお墓参りに行こうな…。」

鋼欣は優しく話しかけてくれる。

「う、うんっ!!私…、ルーナに謝りたい。許されるとは…、思わないけど!!私…、ルーナと“親友”でいられるなら…!!ここから、出たい!!」

私は泣きながら思いを吐き出す。

許されない罪を背負っても、ルーナと鋼欣とずっと“親友”でいたい。

「あぁ!!待ってるから!!約束だからな!!」

「うん!!」

私はいつかのように、心の底から笑った。

鋼欣「うっ……、気持ち悪い。」

ルーナ「だ、大丈夫?それなら牛乳飲まない方が良いと思うんだけど…?」

鈴音「恰好付けて飲むからよ。」(冷たい目

ルーナ「恰好付けて………?」

鋼欣「な、何でもねぇよ!?俺はただ牛乳が好きなだけだから!!」

鈴音「………ばーか。」(ニヤニヤ

鋼欣「む、ムカつく!!」

ルーナ「???。そんなに牛乳が好きなら、僕が牛乳で色々作ってあげるの!!」

鋼欣「マジで!?(ルーの手料理!!)」

ルーナ「い、嫌かな…?」(涙目+上目遣い

鋼欣「い、嫌じゃあない!!スッゴい嬉しいから!!楽しみにしてるぜ!!////」(ナデナデ

ルーナ「本当?それなら…、僕も嬉しいんだ…。

えへへへ~//////」

鈴音「………私も作ろうかな。」

ルーナ「一緒に作ろうね!!」

鋼欣「えっ…、何か変なものいれるなよ?」

鈴音「その前に、一回逝った方がいいみたいね?」

鋼欣「あっ……。じ、冗談だよ!?」

鈴音「逝ってこい!!阿呆鋼欣!!」

ルーナ「……………(鈴音は怒らせちゃダメ)。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ