幕間・狩猟神と契約したので日記をつけてみる
ちょっと別のペアの話を書いてみた。
日記形式です。
○月×日
今日も元気だ。ご飯が美味しそう。
だが私は食べる時間が無いので、食パンを咥えて『遅刻、遅刻~』。
イケメンの転校生の代わりにトラックに撥ねられる。
死亡、確認。
最後の言葉は『残像だ』。
本体です。
あの世に行くと思ったら異世界に送られる事になるらしい。取り敢えず流刑の一種として処理しておこう。
連れて行く子供の神様を選べと言うので、取り敢えず、面接。
○月×日
今日も面接。
スーツを着てきた子が居た、面白いので、チェック。
○月×日
今日も今日とて面接。
子供とは思えない体格のが居た。
面白いけどチェックはしない。
○月×日
面接に飽きた。
仔犬が居たので、その子に決定。
名前はアルテ、女の子だ。
――そして、異世界へ
国民的RPG三作目のキャッチフレーズをもじって見たが、お金も身分証明書も無くて街に入れないとかクソだと思うのー。
仕方が無いので、潜入工作。
地面に伏せて葉っぱを被って偽装。カーブでスピードが緩んだ馬車の裏に張り付き、街へ入り込む。
アルテがマジリスペクトな視線を送ってくる。
ふははー。流石は私、伊達に梅園二中のスネークとは呼ばれていない。
馬に踏まれなかったのは奇跡です。
○月×日
昨日屋根を借りた親切なパン屋さんにお礼を言って街中をテコテコ歩く。
今日の目的地は冒険者ギルド(仮)。
同類がそんなモノが在ると言っていたので言ってみる。
登録した結果、スキルと祝福が見られるようになった。
スキル・見切り(Lv.2)……見切れる。残像(笑)とか余裕で見切れる。
祝福・未熟な狩猟神の祝福(Lv.1)
狩猟神の為に獲物の位置を捕捉出来る様になる。今は、半径一メートル程。
祝福が微妙で、スキル説明に悪意を感じる。
取り敢えず倉庫整理の仕事を受けて、今日のご飯代を確保。
冒険者ギル――……迷宮管理組合の中で寝る。
○月×日
どうやら職業ごとにギルドがあり、そこでは新人教育を行っているらしい。
食事と屋根が提供されるらしいので、何処かに入って見よう。
アルテの司るモノにあやかって、狩人ギルドへ。
エーテル属性とやらが駄目で始かれる。
戦士ギルドと武道家ギルド、そして騎士ギルド等を紹介される。
ないわー。こんな美少女掴まえて脳筋ギルドばかり進めて来るとかないわー。
取り敢えず戦士ギルドへ。
理由はサムライのお姉さんが美人だったから。
○月×日
この一カ月、走るのが私のお仕事でした。
明日ちょこっと武器の扱い習って、明後日迷宮に行くらしい。
元気が有れば何でも出来る! と同じ様に、体力が有れば何とかなる! が戦士ギルドの方針らしい。
舌を出して楽しげに併走するアルテのブンブンする尻尾も今日で見納めかー。
昼休憩中に来たばかりと思われる同類を発見。
神様の頭を掴んで木を見させていたかと思うと――
「ザ○ル!」
と、叫んでいた。
気持ちは分かる。でもやるなよ。
敬意を表して彼の事はピヨ麿と呼ぶ事にする。
○月×日
武器は長柄、槍を選んでおく。
教官はクレイモア――と言う名の鉄塊を進めて来た。
一度、私がどう見えているのかを話たい。
あ、あとピヨ麿が戦士ギルドに入って来た。
○月×日
迷宮に入る。
無事に出る。
これで試験は完了らしい。正式に戦士ギルドの一員だ。
ギルドから依頼が有る場合もあるが、ペーペーの私達には関係ないので、明日からはフリーで潜る事になるらしい。
頑張ろう。
ピヨ麿が一人だけ二十周している。ぷげら。いとおかし。
○月×日
迷宮内で道に迷う。
出れない。
○月×日
まだ出れない。
○月×日
白状しよう。
実は私は方向音痴なのだ。
一見、完璧超人な私のおちゃめな欠点だ、てへ☆
……今の所、どうにかなっているが、そろそろ拙い。
と、思っていたら商人ギルドの行商さんに遭遇。
出口まで連れてってもらう。
マジ感謝。
シエスタ。間違えた。ナマステ。これも違う気がする。素直にサンクス。
○月×日
ピヨ麿が兄弟喧嘩をする。
言ってはいけない事を言いそうだったので水をぶっかけとく。
○月×日
朝からピヨ麿兄弟の姿が見えず。
逃げたのか? と思ったら、仲直りに魔王戦隊オウレンジャーショーを見に行っているらしい。
帰って来たので感想を聞く。
「……うん、席が柔らかかった」
「……われ、ポップコーンたべた」
「「……………………………良く寝れた」」
疲れで爆睡したらしい。
この兄弟は駄目な部類の生物だと思う。
どうだろうか?
好評なら偶に入れて行きたいと思う。