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 俺の土日を見つけたら伝えてくれ。『キミを、愛している』……と。

 (訳・休み下さい。短いです)


 前回のあらすじ。


 魅了。

 ソレが彼女のスキルだった。

 そのスキルで彼女は駒を増やした。

 そのスキルが通じなかった小鳥遊さんを彼女は害した。

 ゆりあ。

 笑う彼女は美しい。

 嗤う彼女は麗しい。

 そんな彼女の魅了が効かない俺は小鳥遊さんの味方となる事を誓うのだった。


 そう。


 誓いは既に交わされた。尊き誓いは交わされた。


 故に。


 故に俺は戦うのだ。


 昨今、『なろう』で流行っている少女漫画のヒロイン『そげぶ』した結果『それ役割変わっただけで結局一緒だよね?』って感じの小説の様に戦うのだッ!


 と。


「っかぁー! ビールうめぇ! やっぱ面白い奴と一緒に食べるごはんは美味しいね!」

「……」


 思っていた時期が俺にもありました。

 金曜仕事帰りのサラリーマンも各やと言わんばかりにビール髭を生やしたお嬢さんが居る。俺の記憶が確かなら彼女の名前はゆりあ。

 先程、小鳥遊さんに結構えげつない事をしておられたお嬢様だ。


「やーやー良いね、キミ。ソウジくんだっけ? 精神耐性系のスキルでも無い癖にチャームを無効化したってだけでも良いのに、その手段が更に良いッ! おねーさん、チューしてあげ・よ・う・か・にゃー?」


 うけけー。桜色の唇人差指でつつきながら、うけけー。


「結構です。それよりも……ですね。あの、タタラも居るので、未成年の飲酒は――」


 小学生の飲酒は……ちょっと。ほら、壁際の席のお連れ――って言うか付いてきた信号機が全部青に変わってぶつぶつ言ってますよ? ほら、耳をすませば――


『アレは幻覚アレは幻覚アレは幻覚アレは――』

『ゆりあはシェーク好きなんですね? お子様ですね。愛らしい。うふふー』

『逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだにげちゃ――』

「……」


 うわぃ。あそこの席、超楽しそう。一人に至っては何かに立ち向かってますよ?


「んぁ? あぁ、良いの良いの。あたし、見た目は十二だけど年齢は二十八だから」

「「「ぐはっ!」」」

「吐いた! 青信号が赤に変わった!」

「だから当然、非処女です」

「「「ぐはっ!」」」

「赤い! 量がヤバい!」

「初体験は野外でしたー」

「「「――」」」

「血色が良くなりました!」


 これは有りなのかよ!


「兄上、兄上?」


 袖をくいくい、タタラ。


「はいはい何ですか? あ、ビールは舐めさせて貰う位なら良いですよ。それは幼き日に誰もが通る道ですので」

「あんなにがいもん、われいらん!」

「そうですか」


 もう体験済みですか。不満をあらわに膨らんだほっぺが柔らかそうですね?


「で、それなら何の御用ですか、タタラくん?」

「『しょじょ』って何?」

「……兄上、ちょっとゆりあさんとお話してるから小鳥遊のお姉ちゃんに聞いて下さい」

「ん! わかった!」

「ちょ! な! ――ッ!」


 小鳥遊さんに無言で親指下に向けて『くたばれ!』ってされた。気持ちはわかる。



 次の次くらいで迷宮行く。行け。

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