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 さて、俺とタタラで構成されるスーパー片桐ブラザーズはINGの現在進行形で金が無い。弟分のタタラが借金の型に押さえられているのが良い証拠だ。

 だが、おやっさんは話の分かるおやっさんなので、衣食住の住を提供してくれるナイス・ガイ。だが、衣食はこちらで用意しなければならない。そんな分けで――


「兄上、兄上」

「はいはい、どうしましたか、タタラくん?」

「タルタルソースは、なんでタルタル?」


 夕ご飯である。

 安くて量が多いので週六で利用する馴染みのそこで俺はチキンカツを、タタラはえびふりゃーを食べて居たのだが、幼い好奇心が大爆発。

 今回、その好奇心が向かった先はフォークの先のおかずと口の横に付いたタルタルソース。……確実に先代の誰かが持ち込んだモノだ。


「そりゃお前……タルタルしてるからだろ?」

「タルタル?」

「そ。タルタルだ、タルタル。ほら、良く言うだろ? 甘い、辛い、苦い――タルタルって」

「……?」

「え? ちょっと、タタラくんキミ、もしかしてタルタルが分かんない……とか?」


 ま、まさか……ッ! と驚愕に身体と声を震わせてみたり。


「! わ、わかる! われは、タルタルわかるよっ!」

「だよな! やービビったわ。分かんないとか言われたらどうしようかと思ったぞ?」

「……わかんないと、どうなる?」

「そらお前――」


 サービスで付いてきたパン。バターロール。卓上に置かれたソレを手に取り――


「注射だよ」


 噛み千切る。


「! ち、ちゅうしゃ!」

「そ、注射です。それもこーんな太くて、こーんな長いのを――ブスッ! だ」

「……ちゅうしゃ」

「あれ、どうしました、タタラくん? 顔色が悪いですよ? もしかして――」

「わかる! われはわかる! タルタルわかるもん! あ、あータルタルしておいしい! これ、すごくタルタルだよ、兄上!」

「そうかータルタルかー」

「うん、タルタル!」

「流石はタルタルソースだな」

「うん! タルタル!」

「……ま、嘘なんだけどな」

「――!?」


 タタラが、くわっ、てした。


 みじかー。力尽きたー。明日も……あげ……――

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