eighteen.
エデンの完成――
男は自分のベッドの上で安らかに眠り続けていた
あれほど苦しい思いをしても、失敗だと言っても決して皆を罵ることはしなかった
大事な子供たちなのだ
最後の兵器が完成したとき、これこそ最高傑作だ、と思った
現に彼女の力は想像もつかない程強大なものである
強大な力は人々に恐れられる
けれども、彼女はそれを必要としなかった
ただただ男の願いを聞くために動いた
最高品質で作られた彼女には
ほぼ諦めかけた男の心よりも今後のイヴたちのことを思う男の心で動かされていた
だから、イヴたちが男の部屋の前で泣くと
まだ幸せに出来ていないと彼女も泣く
イヴたちが笑えば少しは幸せに出来たかもしれないと彼女も笑う
それは彼女の気持ちでもあり、男の気持ちでもあるのだ
つまり、男が失敗した理由は――
ただただ全てに愛されていただけなのだ
世界に愛されたからこそ、男には知恵が授かり
世界に愛された男が作るからこそ、あの子供たちが出来上がった
そして、世界に愛された男が作った子供を
男がまた愛したからこそ――
――世界の平和は守られたのだ
sixteen.で最後の文章を変更しました。
書いてみると、それほど偶然が重なって出来た奇跡の兵器とは言い難い気がしたので……。
以上で「世界征服失敗談」を終了と致します。
番外編で「世界征服成功談」を載せる……かも?